福島県文化財センター白河館「まほろん」。福島県白河市白坂一里段。
2024年6月1日(土)。
南湖公園から「まほろん」へ向かった。敷地は広い。
常設展示室では、「遺跡から学ぶ自然と人間のかかわり」をテーマに、福島県内の遺跡から出土した土器や石器等を展示している。
一里段A遺跡(いちりだんAいせき)。「まほろん」の敷地にある遺跡からは、縄文時代の落とし穴の他に、旧石器時代の石器が東西2カ所からまとまってみつかっている。なかでも、西側のまとまりから見つかった石器は、剥片や石核の他に、ナイフ形石器、削器、彫刻刀石器、台形様石器などの石器がみつかっている。これらの石器は、3万年前に鹿児島県の火山から降ってきた火山灰の下からみつかっているところから、後期旧石器時代前半期のものと考えられる。
三貫地遺跡(新地町)。
阿武隈高地東縁の丘陵地の北側緩斜面に位置する旧石器時代と奈良・平安時代の複合遺跡で、旧石器ブロック1カ所、竪穴住居跡39軒、掘立柱建物跡40棟、井戸跡10基などがみつかっている。
旧石器は半径約5mの範囲で集中してみつかっており、その点数は、10,112点に上る。石器の種別は剥片類が一番多く、他にナイフ形石器、彫刻刀形石器、錐形石器等である。石核と剥片が多く、接合する資料もあったので、後期旧石器時代の石器製作場と思われる。