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石破政権の与野党「部分連合」が招く財政赤字拡大、総花的政策は“インフレ被害者”の政治不満強める

2024年11月09日 13時44分56秒 | 社会

石破政権の与野党「部分連合」が招く財政赤字拡大、総花的政策は“インフレ被害者”の政治不満強める

Yahoo news 2024/11/9(土)   ダイヤモンド・オンライン  一橋大学名誉教授 野口悠紀雄

 

 政権維持でも政治は不安定化 財政赤字が拡大しインフレに

 これまで2年間、世界的なインフレと円安で、日本はインフレに見舞われた

 この問題が完全に終わったとはいえないうちに、日本国内で新たな懸念が生まれた。それは、財政赤字の拡大によるインフレの危険だ。

 総選挙の結果、自民・公明の与党勢力が激減し、石破茂首相は、国会での首班指名を得るために野党の国民民主党と経済対策作りや来年度の予算編成、税制改正での連携に踏み出した。

 今後、他の野党も含めて、一部の政策で協力する部分連合によってさまざまな意見を取り入れ、総花的・八方美人的な政策が行われる可能性が強い。

 このため、負担の引き上げが難しくなる半面で、歳出増の圧力が強まり、財政赤字が拡大するだろう。

 財政赤字が拡大すれば、金利が上昇しインフレ率が高まるというのが伝統的な経済学の見方だ。

 インフレは、低所得層や年金生活者などの弱者ほど打撃が大きい。「部分連合」で政権は維持できるかもしれないが、政治や社会の不安定化が強まる。

 

「MMT」が言うようにはいかない  歳出バラマキの影響は金利や物価に影響

 少数与党など政権基盤が弱い政府は往々にしてバラマキ的な政策を行う。他方で、増税や社会保険引き上げなどの負担増は後回しにされるだろう。これが経済にいかなる結果をもたらすだろうか?

 特に大きな問題は生じないという考えもある。

 その代表が現代貨幣理論(MMT)だ。これは、自国通貨を発行する国では国債が内国債である限り、財政支出をいくらでも国債で賄うことができるという考えだ。

 この考えは一見したところ、もっともらしい。

 なぜなら第一に、国債が内国債である限り、自分自身に対する負債なので、格別の負担は発生しないように思われるからだ。

 第二に、完全雇用経済では、財政赤字が拡大して需要が増加した場合に経済全体の需要が供給を超過してしまうので物価が上昇するが、不完全雇用経済であれば、遊休資源の活用によってGDPが増大するから、金利や物価には影響が及ばないように思われるからだ。

 MMTをそのまま信奉し主張している政党は少ないが、先の総選挙の公約などを見ると、多くの党が減税などを言う一方でさまざまな歳出拡大策を唱えている。

 例えば、国民民主党も「未来志向の積極財政」を掲げて、所得税基礎控除の引き上げガソリン代値下げ(トリガー条項発動による揮発油税上乗せの停止)、事業主への社会保険料負担助成教育国債の発行による教育や子育て政策の無償化――など打ち出している。

 「賃金上昇率が物価(上昇率)プラス2%に達するまで」という前提だが、こうした政策が実施されれば、財政赤字は大幅に拡大するだろう。そして金利や物価にも影響が出てくる。

 

財政赤字が増加すると金利は上昇  人為的に抑えると債券市場は混乱

 マクロ経済学は、財政赤字が拡大すれば、金利が上昇しインフレ率が高まると予測する。その理由を標準的なマクロ経済学の道具である「IS・LM分析」と「総需要・総供給モデル」で説明すると、次の通りだ。

 IS・LM分析は、物価水準を一定にしてGDPと金利の関係を示すものだ(図表1参照)。財市場での均衡を表わす金利とGDPの関係がIS曲線で表わされ、貨幣市場における均衡をもたらす金利とGDPの関係がLM曲線で表わされる。

I:投資 (Investment)、S:貯蓄 (Saving)、L:流動性選好 (Liquidity Preference)、M:貨幣供給 (Money Supply)

 縦軸に金利、横軸にGDPを取った図においてIS曲線は右下がりだ。なぜなら、金利が低ければ投資支出が増えてGDPが増大するからだ。

 一方でLM曲線は右上がりだ。なぜなら、GDPが増えると取引需要の貨幣(取引の決済などに用いられるマネー)に対する需要が増える。貨幣の供給が一定であれば、資産保有目的のマネーの需要を減らす必要があり、そのためには金利が上昇する必要があるからだ。

 財政赤字が拡大すると、追加需要(財政支出、または減税で増加した消費支出)が発生するので、IS曲線が右にシフトし遊休資源が活用され、このためGDPが増加する。

 ところがLM曲線は右上がりなので、IS曲線の右方シフトによって均衡点が右上方に移動する。つまり金利が上がる

 なお、ここでいう金利は実質金利だから、物価が上昇すれば名目金利はさらに上がる

 だが日本の現状では、金利上昇を抑えるような動きが起きる可能性がある。日本銀行が利上げを躊躇するかもしれない。あるいは政府が日銀に圧力をかけて金利の引き上げを認めないかもしれない。

 石破首相は、つい先ごろまでアベノミクスに対して批判的な意見を述べていた。しかし、自民党総裁に選出されると180度転換し、日銀総裁に利上げを牽制するような発言をするようになった。

 こうした“圧力”のために日銀が利上げできなくなると、資金調達市場が混乱する可能性があり、債券市場で円滑な資金調達ができなくなる。ちょうど2022年の秋に生じた状況の再現だ。この時には、金利上昇圧力が強まったにもかかわらず、日銀はイールドカーブ・コントロール政策に固執し、長期金利(10年国債金利)の上昇を指し値オペなどで強引に抑えたため、スプレッド(国債との金利差)が取れない地方債や社債による資金調達に障害が出た。

 また、日銀がイールドカーブ・コントロールの撤廃に追い込まれることを見越した海外ヘッジファンドからの激しい投機に見舞われた。

 

財政赤字拡大で物価も上昇  需要曲線がシフト、均衡点が移動

 以上で述べたのは、物価水準が一定に保たれる経済の分析だ。しかし、物価の変動を考えると、財政赤字拡大の影響はそれだけにとどまらない。

 これを分析するために、総需要・総供給のモデルを用いる(図表2参照)。これは物価が変動する場合に、経済全体の均衡における物価とGDPの関係を示す分析だ(この場合にも金利は動いているのだが、表には表れない)。

 この分析では、縦軸に価格を、横軸にGDPを取る。

 価格を所与とした場合にIS・LM分析から得られる均衡のGDPを、さまざまな価格についてプロットした直線を総需要曲線(AD曲線)という。

 IS・LM分析からすぐに分かるように、総需要曲線は右下がりだ。

 他方で、供給面を考えると、価格が高いほど供給が増えると考えられるので、総供給曲線(AS曲線)は右上がりになる。これはフィリップスカーブと呼ばれる経験則から導き出された考えだ。

 財政赤字が増加すると、総需要曲線が右に動く。ところが、総供給曲線は右上がりなので、物価が上昇する。つまりインフレがもたらされる

 以上をまとめると、財政赤字の拡大によってGDPの増加と金利の上昇、そして物価の上昇がもたらされることになる。

 

「インフレ被害者」の 政治的な不満が強まる

 多くの人の所得は、賃金という形で名目値で決められている。インフレが起こると、その実質価値が低下する。したがって、インフレに対しては名目賃金を増やし、実質賃金を一定にしなければならない。

 しかし、それができる企業とできない企業がある。大企業の場合には可能だが、中小企業では難しい場合が多い。フリーランサーの場合にはもっと難しい。

 一般に、取引の力関係で弱い立場にいる人は、インフレになったからといって、販売価格の引き上げを取引先に要求することは難しい。

 インフレの被害者は制度的に賃上げから外されている人々だ。

 年金受給者もそうだ。年金も名目値で決められているが、日本の年金制度ではインフレスライドがあるので、実質価値を維持できるように思われる。しかし実際には、現役世代の人口減少を勘案するマクロ経済スライドによって年金額が実質的に減額される。

 これまではインフレ率が低かったので発動されないことが多かったが、インフレ率が高くなれば発動される。そうなると、年金の増額は物価の伸びよりも抑制されるため給付水準は目減りし、インフレによって年金の実質価値が下落する可能性がある。

 インフレによって利益を得る人は高所得である場合が多いのに対して、インフレによって被害を受ける人は低所得である場合が多い。つまり、インフレは逆進的な税率の税のようなものだ。インフレが最も過酷な税であると言われるのは、もっともなことだ。

 したがって、貧富の差がますます拡大し政治に対する不信と不満が強まるだろう。


「困ったら統一教会。従順でありがたい存在」自民・根本幸典衆院議員と旧統一教会の“ズブズブの関係”〈党員集め、パー券購入も〉

2024年11月08日 22時55分32秒 | 社会

「困ったら統一教会。従順でありがたい存在」小選挙区5連勝の自民・根本幸典衆院議員と旧統一教会の“ズブズブの関係”〈党員集め、パー券購入も〉

Yahoo news  2024/11/8(金) 文春オンライン

 

 今回の衆院選で5回目の当選を果たした自民党の根本幸典氏(愛知15区)。旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合。以下、統一教会)と緊密な関係を築き、2017年と2021年の選挙で全面的な支援を受けていた実態が、ジャーナリスト・鈴木エイト氏の取材で明らかになった。

 

「2017年と、2021年の衆院選でそれぞれ、世界平和連合として根本先生の選挙を支援しました

 こう語るのは、先日の第50回衆院選、愛知15区で5回目の当選を決めた根本幸典衆院議員(59)を支援した、愛知県豊橋支部元幹部のA氏だ。

根本氏は、政治資金パーティの裏金問題で420万円が不記載だったとして、政治資金収支報告書を修正している。そのため今回の総選挙では比例代表との重複立候補が認められなかったが、小選挙区で当選した。

電話掛け、後援会の結成、推薦確認書への署名

 根本氏の元秘書・B氏も取材に応じた。

根本はこれまで、統一教会との接点を一切、認めてきませんでした。でも、これはまったくの嘘2021年の衆院選まで大変お世話になりながら、2022年の安倍さんの銃撃事件後、大慌てで一方的に関係を断ったのです」

 根本氏は2022年9月に行われた自民党による自主点検や、マスコミの取材にも統一教会との関係を一切否定してきたが、ここに一枚の集合写真がある。満面の笑みを浮かべる統一教会関係者たちに囲まれ、最前列中央で少し硬い表情を浮かべつつ写真に納まる人物こそが、根本衆院議員だ。

後援会「典世会」発会式で教会幹部に囲まれる根本氏(教会関係者提供)

 横断幕には「根本幸典後援会『典世会』発会式」とある。日付は2017年10月8日、前々回の第48回衆院選の公示直前だ。主催は統一教会のフロント組織である世界平和連合(FWP)となっており、後援会の「典世会」という名称も、議員の名前と同連合から一文字ずつ取る統一教会の慣習どおりだ。

「党員集め、パー券購入もしていた」教会関係者が証言

 この後援会「典世会」発会式の翌月(衆院選後の11月16日)、統一教会が愛知県体育館で開催した1万人信者集会「2017孝情文化フェスティバル愛知大会 in NAGOYA」に工藤彰三衆院議員や池田佳隆前衆院議員とともに出席し、来賓国会議員として紹介されていたことも、「やや日刊カルト新聞」の当時の取材で把握している。

旧統一教会が開催した1万人信者集会に出席する根本氏

 問題はこれだけにとどまらない。根本氏は2017年から22年にかけて統一教会信者に自民党員になってもらうよう、秘書を通じて依頼していた。加えて、2020年、21年、22年に根本氏が開いた「励ます会」では、統一教会関係者にパーティ券を購入してもらっていた

 また、4回目の選挙となった2021年選挙では「推薦確認書」への署名を行い、教団から推薦状の交付も受けたことも確認することができた。

豊橋教会の礼拝場に信者が数十人集まり、根本が講演をし、その後『推薦確認書』への署名に移りました」(教会関係者)

 事務所関係者によると、選挙応援用員の派遣だけでなく、根本氏の演説会など各種会合にも動員の要請をしていた。その際、根本氏は事務所スタッフに対し、「あそこ(統一教会)はよくやってくれるから、必ず声を掛けるように」と自ら動員依頼を指示し、「困ったら統一教会。従順でありがたい存在」とまで話していたというのだ。

 統一教会との関係について一切の事実を明かさないまま、5回目の当選を果たした根本氏。これが有権者に対する誠実な姿勢と言えるのだろうか。根本事務所に質問状を送付し、根本氏本人の携帯電話にも再三電話を掛けたが、期日までに回答は得られなかった。

 根本氏は中部電力やトヨタ自動車をはじめとする地元企業の強力な支持を背景に小選挙区で勝ち続けてきた議員だ。選挙に強い議員であっても、統一教会との関係がこれだけ深い。一体、どれほどの政界汚染が進んでいるのだろうか――。

 ◇

「 文藝春秋 電子版 」で公開中の鈴木エイト氏のレポート「 党員集め、パー券購入まで…『困ったら統一教会』自民・根本幸典衆院議員と旧統一教会“ズブズブの関係”〈関係者が続々告発〉 」では、このほかにも教会関係者や事務所関係者による重要証言を多数掲載。根本氏と旧統一教会との関係を示す証拠写真の数々も多数紹介している。


自民党が非公認候補に政党助成金、共産党機関紙が報道

2024年10月23日 13時52分14秒 | 社会

自民党が非公認候補に政党助成金、共産党機関紙が報道

2024年10月23日 日本経済新聞

 

共産党の機関紙「しんぶん赤旗」は23日、自民党が派閥の政治資金問題で非公認とした候補の党支部に政党助成金2000万円を振り込んでいたと報じた。「党勢拡大のための活動費」として衆院選(27日投開票)の公示直後に振り込まれていたと指摘した。

青木一彦官房副長官は同日の記者会見で「自民党の政治活動に関することであり、政府としてコメントすることは差し控える」と述べるにとどめた。自民党は9日、政治資金収支報告書の不記載があった議員のうち12人を公認しないと発表していた。

 

裏金非公認に2000万円 公認と同額 自民本部が政党助成金

2024年10月23日(水) しんぶん赤旗

 

(写真)自民党の森山裕幹事長から支部会計責任者あての「支部政党交付金支給通知書」

 

 自民党派閥の裏金事件で非公認となった候補が代表の党支部にも党本部から総選挙公示直後に政党助成金2000万円が振り込まれていたことが22日、本紙の取材でわかりました。裏金づくりという組織的犯罪に無反省な自民党の姿が浮き彫りとなっています。

 政党助成金は国民の税金が原資です。本紙は、自民党の森山裕幹事長から支部会計責任者あての「支部政党交付金支給通知書」(9日付)を入手。ここには、「衆議院総選挙の公認料及び活動費として、支部政党交付金を支給します」とありました。

 支給額は計2000万円。内訳は「公認料」が500万円、「活動費」が1500万円となっています。

 裏金づくりで自民党非公認となりながら、党支部長のままの候補者が8人います。本紙は8人が代表の政党支部に取材。ある支部の会計責任者は「他の支部のことはわからないが、党本部から党勢拡大のための活動費ということで2000万円が振り込まれた」と認めました。

 自民党本部は9日に1次公認候補を、11日に2次公認候補を発表しました。非公認支部の会計責任者によると、党本部から届いた13日付の文書には「公認料」の文言はなく、2000万円を「党勢拡大のための活動費」として振り込むという内容だったといいます。政党交付金用の口座に総選挙の公示直後に振り込まれていたといいます。

 「党勢拡大の活動費ということで、選挙には直接は使っていない。事務所の職員の給与や事務所の費用など間接的には選挙に使っているといわれれば、そうかもしれないが…」と説明しました。

 自民党本部は、本紙の取材を拒否しました。(矢野昌弘)


ムダ遣い400億円アベノマスク 契約訴訟で裁判長も呆れた官僚たちの「ひどすぎる言い分」「本当にふざけた話」

2024年10月17日 08時40分59秒 | 社会

「本当にふざけた話」“アベノマスク” 契約訴訟で裁判長も呆れた官僚たちの「ひどすぎる言い分」ムダ遣い400億円の闇

Yahoo news  2024/10/17(木) SmartFLASH

 

アベノマスクをつける安倍晋三元首相

アベノマスクを考案した佐伯耕三元秘書官

 

 唖然とするような証言だーー。

 10月15日、朝日新聞は “アベノマスク” の契約をめぐる訴訟について報じた。

「“アベノマスク” とは、新型コロナ禍でマスクが手に入らなくなったことを受け、2020年4月、安倍晋三元首相が主導し、各家庭に配られたガーゼ製の布マスクのことです。不織布マスクと比べてサイズも小さく、配布時に異物が混入していたなど、悪評の多い施策でした。

 しかも、後になって、全体の3割にあたる8300万枚が配布されないまま保管されていることが発覚400億円を超えるお金で調達したものの、税金のムダ遣いだとして批判されました」(事件担当記者)

 

 政府は、このマスクを複数の業者に発注したが、社員が数人しかいないような小さな会社にも数十億円にのぼる発注をしており、時期によって1枚あたりの単価もバラバラであることから、どのような経緯で業者の選定や発注がおこなわれたのか、疑惑の目が向けられてきた。

 15日に開かれた裁判は、裏金問題の追及で知られる神戸学院大学の上脇博之教授が、契約過程を示す文書を開示するよう国に求めた訴訟だ。

「朝日新聞によると、この日は複数省庁による『合同マスクチーム』のうち、業者と直接やりとりした職員ら3人が出廷しました。しかし、3人とも『やりとりは口頭が基本で、文書は残していない』と答えたそうです。

 裁判長が『単価や枚数は間違えると大変なことになる。すべて記憶して口頭で報告していたのか』と突っ込みましたが、『そうです』と、やはり業者とのやり取りを示す文書は存在しないとの主張でした。

 また、自身が受け取ったメールについて、『容量が限られているため2~3日に1度消去していた』と証言する職員もいたそうです。

 当たり前のことですが、“アベノマスク” の原資は国民の血税です。随意契約とはいえ、ムダにならないよう、少しでも安く、公正・公平に業者を選ぶのが当然。

 そして、後から検証できるように、行政文書として契約にいたる書類をすべて残しておくのも当たり前のはずです。嘘をついているとしたら大問題ですし、文書を残していないとすれば、それも問題です」(同)

 

 同報道には、X上でも怒りの声が続々寄せられている。

本当にふざけた話だ

アベノマスク、本来なら逮捕者が大量にでる案件だろ》

《コロナで急ぎの対応が要求されていたにしてもまずすぎる対応

《訴訟の言い訳流石に酷すぎんか

 

 疑惑にまみれた “アベノマスク” の裏側を、政治部記者がこう語る。

「当時、『マスクを配れば国民の不安はパッと消えます』と、発案した佐伯耕三秘書官は、自信満々に安倍首相にすすめたそうです。当時の官邸は、今井直哉補佐官と佐伯秘書官が経済対策のほぼすべてを決めている状態でした。この “密室” でマスクの配布も決まったんです。

 すでに “アベノマスク” が決定した段階で、厚労省はマスク不足は3カ月程度で解消されると官邸に情報を上げていました。にもかかわらず、支持率の低下に苛立った安倍元首相がゴーを出したんです。

 試作品すらない状態で、佐伯秘書官が安倍元首相の前でガーゼを折って説明したといいます。こうした背景を考えると、業者への発注をめぐり高度な不正があったというより、表に出せないほど杜撰で考えなしの発注をしていた、というのが実態ではないでしょうか」

 いくらコロナ禍でも、「まずすぎる対応」だったのは確かだ。


安倍派裏金議員・高木毅氏が40年前に起こした「パンツ泥棒事件全真相」白い手袋をはめて合鍵で侵入

2024年10月16日 22時32分01秒 | 社会

福井2区から出馬の“安倍派裏金議員”につきまとう過去 「白い手袋をはめて、合鍵で侵入」高木毅氏が40年前に起こした「パンツ泥棒事件全真相」

Yahoo news  2024/10/16(水)  デイリー新潮 デイリー新潮編集部

 

高木毅氏(左)の父・高木孝一氏の銅像(右)にはパンツが被せられたこともあったという

 

姉の部屋で箪笥の中とかを物色し

 無所属での立候補を余儀なくされた高木毅元国会対策委員長(68)につきまとう不安は裏金問題ばかりではない。いつになっても有権者の脳裏からついて離れない「恥ずかしい過去」だ。高木氏が40年前に起こした「パンツ泥棒事件」の“全真相”をプレイバックする。(※週刊新潮2015年10月22日号などに加筆し、修正を加えました)。

 ***

 第3次安倍改造内閣で復興・原発事故再生総括担当大臣に就任した高木毅衆院議員が以前、下着泥棒に入った一軒家は、福井県敦賀市内の住宅街の一画にある。

 その家を訪ねると、高齢の女性が出てきて、

「何も知りません」

 そう繰り返すばかりだったが、近所に住む彼女の娘さんは、こちらが拍子抜けするほどあっさり事実関係を認めたのである。

――昔、あなたのお宅に下着泥棒が入ったという話を調べているのですが、その時の犯人は、高木氏ということで間違いない? 

はい。被害者は私の姉です近所のおばさんが、“家の斜め前に車を停めて中に入っていく人を見たけど、知り合いか?”って。通報したのは私だったかな。警察の人が来て、指紋とか取って。でも、教えてくれた近所のおばさんが車のナンバーを控えとってくれたんで、すぐにやったのは高木さんやと分かった家に上がり込み、姉の部屋で箪笥の中とかを物色し、帰って行ったようです」

 

合鍵を勝手に作って侵入

 今から30年ほど前に起こった出来事だ。当時、下着を盗まれた女性は20代、高木氏は30歳前後だった。氏は20代半ばまでに高校の同級生と結婚している。つまり、彼が事件を起こしたのは結婚後ということになる。

 ちなみに高木氏の父親、故高木孝一氏は敦賀市議を2期、福井県議を4期務め、福井県議会議長を経て、1979年から95年まで敦賀市長を4期16年務めた、地元政界の“ドン”だった。事件があったのは、敦賀市長を務めていた時期だ。

 息子の毅氏は地元の敦賀高校を卒業した後、東京の青山学院大に進学。卒業後は敦賀に戻り、父親が設立した会社「高木商事」で働いていた。晴れて国会議員になるのは、事件を起こした十数年後のことである。

 被害者の妹が話を続ける。

当時、姉は(金融関係の)窓口業務をしとった。そこに高木さんは客として来て、姉は一方的に気に入られとった。だから、やったのが高木さんと分かると、姉は“いややわー。家まで来とったんやー”と言っていました」

 さらに、高木氏の、家への侵入方法が実に悪質で、

合鍵を勝手に作っとったんです。田舎やから、無防備に小屋にカギ置いといたりするでしょ。それをいつの間にか持っていって、自分のカギを作っとったみたい。それにしても、どうして勝手に家に上がり込んだりするのか。急に家の人が帰ってきたら、とか思わんかったんかな……」(同)

 

父親の市長が頭を下げてきた…

 無論、高木氏の行為が犯罪であることは言うまでもないが、少なくともこの件は「立件」されていない。

姉が“騒がんといてくれ。勤め先にも迷惑かけたくない”って。父は“(高木氏の父親の)市長も頭下げてきた”“敦賀でお世話になっとるし”と言ってて、それで、示談っていうか……。それにしてもあんな人が大臣にまでなって、不思議やなーと思います」(同)

 これら一連の経緯について高木氏に取材を申し込んだが、締め切りまでに回答は寄せられなかった――。

「高木さんについては、政治家になって以来、ずっと“ある噂”が囁かれ続けてきた。それは、“高木さんは過去に女性の下着を盗んだことがある”という噂で、彼の地元・敦賀や彼の周辺では知らぬ者がいないほど有名な話だったのです」

 と、永田町関係者。

「その高木さんが大臣になったものだから、まず、噂を知っている関係者が騒ぎ出した。“高木といえばパンツだぞ。大丈夫か?”とか、“下着ドロボーを大臣にするとは、官邸の身体検査はどうなっているんだ”と。で、内閣改造後、噂は爆発的に永田町じゅうに広まり、“高木=パンツ”という奇妙な図式が定着してしまったのです」

 もっとも、永田町じゅうで囁き声が聞かれたその時点では真偽不明の噂話に過ぎず、過去、誰もその噂話の“ウラ取り”をきっちり行った者はいない。あるいは、真偽を確かめようとして失敗してきた。

 そこで以下、噂話の出所を探り、真偽を突き止めるまでの経緯に沿って、「下着ドロボー情報」の詳細をご紹介していきたい。

 

地元ですっかり定着した噂

「下着泥棒」常習犯の『高木毅』を福井県第三区の公認候補者に!! 〉

 そんな大きな文字が横書きされた怪文書が手元にある。〈発行元〉は、〈良識ある政治家を育てる会〉となっている。

「高木さんは選挙のたびに下着泥棒について触れた怪文書を撒かれている」

 と、先の永田町関係者が耳打ちするので地元・敦賀で探してみたところ、さほどの苦労もなく入手できた怪文書は、1996年の衆院選の際に撒かれたもので、次のような記述が並ぶ。

“女性下着泥棒常習犯”『高木毅』がなぜ自民党公認候補者になれたか?

敦賀市長の息子が“女性下着泥棒の現行犯”をして、敦賀警察署へ連行され、事情聴取されたとの事実は、忽ち敦賀市民全体へ拡がってしまい、この度立候補した際にも、その事実が一部の敦賀市民の間で再び囁かれています〉

 96年の選挙ではこの怪文書の影響もあってか、あえなく落選。しかし、高木氏は2000年の選挙でめでたく初当選し、以来、2017年の選挙まで7回連続当選を果たしている。

 

〈敦賀の恥さらし〉

 2012年にはそんなタイトルが付いた怪文書が出回ったが、そこにもやはり次のような記述がある。

〈高木氏はかつて勉強が苦手で逃避しパンツ窃盗歴があり、(中略)話題に事欠かないことは皆様よくご存じのことと思います〉

 初めて選挙に挑んだ96年からこの時点ですでに16年が経過。高木氏の〈パンツ窃盗歴〉が、皆様よくご存じのこととして処理されているのは、地元でその噂がすっかり定着した証左なのかもしれない。

 

父親の銅像の頭に…

「2000年の選挙の時、私はヘンなものを見てしまったんです。敦賀気比高校の前に高木の父親、高木孝一の銅像があるのですが、選挙期間中のある日、警察から“高木孝一さんの銅像の頭に女性もののパンツが被せられている。見に来てもらえないか”という連絡があったのです。私は当時、あのあたりの防犯責任者をやっていたものですから」

 そう振り返るのは、さる敦賀市政関係者である。

「行ってみると、確かに女性もののパンツが……。銅像の顔のメガネの部分を覆うように被せられていたはず。銅像は台座を含めるとかなりの高さで、頭にパンツを被せるには脚立かハシゴが必要。昼間は周辺に生徒がいますから、おそらく夜間の犯行ですわ。警察の人は苦笑いしながら頭からパンツを外していました」

 何ともタチの悪い悪戯という他ないが、一体、いつからこんなバカげた事態が続いているのか。

「確か、初めて怪文書が出たのは高木さんの父親、孝一さんの95年の市長選の時だったと思います“高木市長の息子はパンツ泥棒だ”という内容でしたね」

 と、地元政界関係者。

「結局、この選挙で孝一さんは落選し、その後、地元では息子の毅さんを国会議員にしようという動きがスタートした。そして、彼の選挙があるたびにパンツ泥棒の噂が語られてきたというわけなのです」

 

先生の対抗勢力か何かがデマを

 おかげで、今や地元では、

高木がパンツ泥棒だという話は、敦賀市民ならほとんどの人が知っています」(敦賀市議)

 とまで言われるようになったのだが、それについて高木氏の事務所の関係者は、

「パンツ泥棒? 高木先生がそんなことをするわけないでしょう。それが本当なら大臣になんてなれないし、当選だって難しいですよ」

 と、一笑に付すのだ。

「高木先生は、あの民主党への政権交代時の選挙でもしっかり選挙区で議席を取ってきたんです。まともな人はこんな噂を本気にはしていません。先生も奥さんも、怪文書が回っても“またかー”と笑って相手にしていない。先生の対抗勢力か何かがデマを流し続けているだけなのです」

 当然、高木氏に近ければ近いほど噂を否定する声は大きくなり、遠いほど噂を肯定する声が大きくなる。そんな状況下で過去、噂の真偽に肉薄する記事を掲載した雑誌がある。地元で発行されている『財界北陸』だ。

「高木の“パンツ泥棒疑惑”について記事にしたのは、確か、96年の選挙の時だった。その頃すでに高木にはパンツ泥棒という噂がつきまとっていて、私の耳にも入ってきた。そこで、私は元々知り合いだった福井県警の警部補に、その噂が事実なのかどうか確認してみたんです」

 そう述懐するのは、件の記事を担当した『財界北陸』の記者である。

 

侵入する前に白い手袋まで

「すると、警部補は敦賀署が高木毅を、下着の窃盗と住居侵入の疑いで取り調べたのは事実犯行現場は敦賀市内。その後、事情は分からないが検挙には至らなかった、とほとんどの事実関係を認めた。当時、事件の詳しい内容や被害者については聞かなかった。記事を載せた後も高木サイドからは抗議がなかったので、事実関係を半ば認めたもの、と理解しました」(前出・『財界北陸』の記者

 取り調べの事実を明かしたその警部補はすでに他界しているという。

 となれば、被害者に辿りつく術は噂の出所を丹念に追うしかないのだが、その作業の末、行き着いたのが事件の目撃者だ。その目撃者こそ、冒頭で触れた被害者家族に高木氏の車のナンバーを伝えた。近所のおばさん、である。

「自宅の2階で洋裁しとったら、近くに車が停まったんや。で、1階におりてきて車のナンバー見て、また2階に戻ってアイロン台に鉛筆でそのナンバーを書き留めておいたんや。なんでそんなことしたかというと、車から降りた人がご近所の家に入っていったからやけど、車降りる前、その人、白い手袋出したんや、車の中で。ほんで、白い手袋してから出た」

 侵入する前に手袋までするとは何とも用意周到で、初めての犯行とはとても思えないが、実際、被害者の妹(前出)はこう明かす。

ウチだけじゃなく他のとこでもやっとったって聞きました。もちろん警察も知ってて、またかって……」

 

“息子のことを悪く書かないでくれ”

 最後に、一体なぜ、下着泥棒の前歴がある高木氏が過去7回も当選を重ね、大臣にまで上り詰めることができたのかについて触れておこう。それは先に触れた高木氏の父、高木孝一氏の存在が大きい

 そもそも高木氏が下着泥棒を働くも事件化を免れたのは、敦賀市長で地元政界の“ドン”だった父・孝一氏が被害者家族に頭を下げて謝罪したからだが、「高木氏が国会議員になれたのも、もちろん父親のおかげです。嶺南地区と呼ばれる高木氏の地元は原発と建設会社の街で、その両方を押さえれば選挙では安泰。孝一氏はこの地区の選挙で勝つ術を知り尽くした男でした」

 と、先の地元政界関係者は語る。

高木氏は大学卒業後、孝一氏が設立した『高木商事』の社長をやっていた、ただのドラ息子で、地方議員を経験することもなく、1996年、いきなり国政選挙に挑戦した。この選挙では善戦の末落選しましたが、4年後の選挙で見事に当選を果たしたのです」

 96年と2000年、いずれの選挙でも「下着泥棒」について触れた怪文書がばら撒かれたが、その裏で孝一氏は“火消し”のため、涙ぐましい努力をしていた。

福井県では、小さなミニコミ新聞や雑誌が何十種類も発行されている。孝一氏はそういうところを回り、“息子のことを悪く書かないでくれ”と頼んでいた。お金も相当使ったのではないでしょうか」(同)

 ある地元雑誌の発行人もこう話す。

「08年の選挙の前、孝一さんが私を訪ねてきた。で、“息子がパンツ泥棒をやったという噂を流しているヤツがいるが、そういう噂が記事にならないように頼むよ”と言われました」

 来る総選挙は11月7日の投開票が予定される。国対委員長となった高木氏のパンツ泥棒の過去が蒸し返されるのだろうか。

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 下記2本の関連記事では、高木氏が戦う福井2区の選挙情勢や“宿敵”山本拓氏と再婚妻・高市早苗氏との夫婦関係について詳報している。

【福井2区は「パンツ泥棒騒動のリターンマッチ」高木毅氏vs山本拓氏 勝敗の鍵は「高市早苗氏が再婚夫の応援に入るか否か」】

【高市早苗氏は福井2区から出馬の「再婚夫」の応援に入るのか「アイロンをかけていたら突然…」7年前に高市氏が語った「離婚を切り出された日のこと」】