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トランプ&マスク体制は、超富裕層のために国家を解体しようとする

2025年03月19日 19時51分35秒 | 社会

超富裕層のために国家を解体しようとするのがトランプ&マスク体制の本質

資本主義は新たなユートピアの夢を見るか?

2025.03.17 現代ビジネス 隅田聡一郎 大阪経済大学経済学部専任講師

 

世界が固唾を呑んでドナルド・トランプの一挙手一投足に注目している。アメリカ合衆国の利益をどこまでも追い求めるそのやり方は、市民の65%がトランプ大統領により大きな権限を与えるのは「非常に危険」だと捉えていると公表した世論調査にもあったように、アメリカ国内でも徐々に危険視されつつあるようだ。かくも「国益」むき出しの政治は、ロシアにも中国にも共通する。私たちはこうした国家のふるまいに、どう対応すればいいのだろうか。そうした問題意識もあって先ごろ刊行されたのが、『21世紀の国家論 終わりなき戦争とラディカルな希望』を上梓した隅田聡一郎氏だ。本書で「国家の主権」を根底から問うその思想は、何に由来するのか、隅田さんにインタビューをおこなった(聞き手は編集部。3回連載の第1回)。

 

長期停滞経済を無理矢理成長させようとすると、富の不平等は拡大する

――本書の「はじめに」は「回帰する国家主権」という見出しです。

第二次トランプ政権が誕生して以降、ますます地政学的な対立関係が流動化しており、国際社会のカオス状態が明らかとなっています。本書で詳しく述べたように、わたしの時代認識は21世紀になって「国家主権」が再び台頭してきたというものです。

国家主権が前景化してきた理由は、リーマン・ショック以来の資本主義経済の行き詰まりがあります。世界に飛び火した恐慌から経済を救うべく、先進各国では中央銀行が強力に金融政策に乗り出してきました。また、2020年の新型コロナのパンデミックでは国家が強制的に日常行動を制限するなど、国家とその政策は私たちの社会生活を大きく左右することになりました。気候変動問題においても、各国で足並みがなかなか揃わないなかで、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)をプラットフォームに、国家が主体となって協議を重ねています。経済恐慌、パンデミック感染症、気候変動といった惑星規模の大きな社会的難題を解決する担い手として、みんなが期待を寄せているのが国家というわけです。保守派であれ革新派であれ、左派も右派も、国家が私たちの生活の舵取りをおもに担わざるをえないと相変わらず考えています。

ですが、21世紀のこうした現象はわたし自身が生きた90年代後半の時代状況とは全く異なるものです。20世紀にはまだ、グローバリゼーションが進むことで国境が相対化され、さまざまな文化が入り混じり、人々が国や民族の垣根を越えて自由に交流し合うといったような、今日から見ればきわめて牧歌的と言える世界の到来がイメージされていました。もちろん当時も、経済がグローバル化したとしても国民国家が消滅することなどないと一部では主張されていたわけですが、そう議論する論者でさえも、まさかここまで国家が前景化してくるとは思いもしなかったのではないでしょうか。

一体どうしてそうなかったのか。例えば日本では、戦後の経済成長期に中間層が豊かになって社会統合が進みましたが、バブル崩壊後、現在まで続くような長期的なスパンで経済が停滞期に入ると、中間層や低所得者層に対する労働分配率を下げて(超)富裕層を形成しようとする政策が強力に推進されていきました。歴史的な視野でみたときに重要なのは、先進資本主義諸国における社会統合には、その反対のモーメント、つまり社会の脱統合、社会統合の解体という契機が同時に組み込まれていたということです。フランスの経済学者トマ・ピケティの議論を連想するならば、富の不平等を緩和するとされた経済成長が、不可逆的に富の不平等を助長することになったと言えるでしょう。

経済が長期停滞の状態に陥ったなかで無理矢理経済を成長させようとすると、資本主義のもとではどうしても富の不平等が拡大せざるを得ない。それで、他には選択肢がないかのように、問題の解決が国家に求められることになります。自分たちの所得や生活水準が国家の政策によって劣悪になっているにもかかわらず、同じ国家の政策によって自分たちの状況が改善されるはずだ、でも今の政治家は信頼できないから新しいリーダーを選んで国家を自分たちに都合良いように作り変えよう、こういう発想から私たちは抜け出すことができていません。

国家のリストラが行き着く先は

――経済が弱くなることで、むしろ政治家に期待する?

システムを問うのではなく、政治家のせいで経済が悪くなっているのだから政治家が何とかしろという考え方ですよね。新自由主義の時代には、政治はもう経済に介入することなく、民間の論理、市場の競争原理に任せると謳われ、政府や国家は退場していくはずでした。でも現実に新自由主義政策が実施される過程はまったくそうなっていません。近年では、1970年代以降(論者によっては1930年代以降)歴史的に現存してきた、新自由主義のメカニズムが詳しく研究されるようになりました。「小さな政府」や規制緩和などといった新自由主義の「理念」ではなく、あくまでもその「実態」が着目されているのです。

じっさい市場原理の理念のために何か改革を実施しようとすると、行政や立法といった国家の構造にメスを入れ、法律や政策を変更して既存の制度を変更するしかない。いまトランプ政権下でイーロン・マスクの政府効率化省(DOGE)が話題となっていますが、トランプ政権に反感を抱く官僚を解雇したり、政府の無駄を省くためといってDEI(多様性、公平性、包括性)を推進してきた行政機構を解体しようとする。ですがそれは、かれらが「理念」として謳う「国家の解体」とはほど遠いもので、文字通りの国家のリストラ、つまり国家の再構築にすぎないのです。スタートアップ企業のような効率的でトップダウン型の権威主義国家へと既存の国家を新しく作り替えようとする壮大な実験であると言えるでしょう。

USAID(アメリカ合衆国国際開発庁)の事業見直しにしても、国民ファーストの名のもとに、結局のところ不動産や経済回廊などの融資プロジェクトに資金を回すための「ウォール街コンセンサス」にすぎないという指摘もあります。つまり、国家のリストラの行き着く先は、超富裕層の利害がよりダイレクトに反映された強大な国家資本主義です。

ビッグテックが、国家から自由な領域という幻想を吹き飛ばした

国家に頼らざるを得ない現在の資本主義というシステムの中で国家に対抗することなど果たしてできるのか。本書では主に1970年代の新左翼と呼ばれた運動家や知識人たちの反国家思想を振り返りました。とくに21世紀初頭に話題となったネグリとハートの〈帝国〉論などです。ですが、グーグルやアマゾンといったテック企業の独占・巨大化によって、人びとの協働やコミュニケーションの発展によって国家から自由な領域が生み出されるなどという幻想は木っ端微塵に吹き飛びました。

これは歴史的に繰り返されてきたことではありますが、国家がリストラされ新しく作り変えられようとするまさにその時にこそ、国家に頼らずとも自分たちの生活を組織するような私たちの力量が問われているのだと思います。もちろん、いきなり国家なしに生活することは無理なわけですが、国家が機能不全になったときに備えて私たちの自律共生力(コンヴィヴィアリティ)を鍛えておく必要があります。そのためのプラットフォームが、果たして古くから存在するような地域共同体なのか、最近流行の「コモンズ」(土地や水、空気といった自然資源のみならず、図書館や交通機関、病院そしてインターネットといった様々な文化的・社会的資源から構成される)なのか、あるいは地方自治体や非営利組織を刷新・強化していくといったことなのか分かりませんが、数多くの実践やケースを列挙することができるでしょう。

なかでも重要なのは国家の政策のようなマクロ政治の次元だけではなく、やはり日常生活というミクロ政治の次元です。「国家主権」を内面化するのではなく、このミクロな日常の次元にこそ私たちの視点を集約させる必要がある。例えば、私たちの家庭ではおもに女性たちが介護や育児といったケア労働に従事せざるを得ないように、極端に社会的弱者にしわ寄せがいくような権力構造が続いてきました。これは何としても変えていかなければならない。自然災害やコロナ禍といった緊急事態の際につねに明らかになることですが、社会システムの基盤を支えるエッセンシャル・ワーク、再生産労働を社会の構成員が全員で支えていく仕組みを作っていく必要があります。

だけれども、富裕層を優遇する政策が実施されてきたなかで、カネ持ちでなければサービスを享受できないような状況が作り出されてきた今の国家や市場とは別のオルタナティブな仕組みを創造していく必要があるのですが、もちろん現実の仕組みを完全に無視してそれこそユートピアな改善策をただ夢想するだけでは意味が無い。ですが本書で強調したように、今の仕組みだけに埋もれて思考していれば、新しい仕組みというものを発見することができない。今のシステムにただただ漫然と従うか、あるいはシステムを乗っ取って自分たちの強欲をさらに満たすということにしかならないでしょう。

富裕層のために国家を解体しようなどと夢想する今の資本主義的ユートピアに対抗するためには、少なくとも私たちじしんがより良い社会を強く希求しなければならないことは確かです。


金子勝 「財務省陰謀論」は、根拠薄弱、ウソだらけ

2025年03月19日 08時58分56秒 | 社会

金子勝の「天下の逆襲」根拠薄弱、ウソだらけの「財務省陰謀論」

2025/03/18    日刊ゲンダイ 金子勝の「天下の逆襲」

金子勝@masaru_kaneko

日刊ゲンダイの連載で「根拠薄弱、ウソだらけの「財務省陰謀論」」を書いた。財務省陰謀論はフェイクファシズムそのものだ。財務省が狙っているのは増税でなくインフレで、予備費、基金などを悪用して国会討議なしで、赤字国債で軍事費を賄う軍事路線だ。騙されてはいけない。

 

この国は、アベノミクスが失敗して産業が衰退、円安インフレから抜けられなくなり、ついには人口減少に至る

 財務省陰謀論が流布している。トランプ同様の陰謀論だ。財務省は安倍政権にボロボロにされてかつての面影はない。人事権を握られ忖度官僚ばかりになった結果、公文書を改竄もした。財務省陰謀論や財務省解体論は根拠薄弱のウソだらけ。

 例えば、彼らは2000兆円の金融資産があるから財政危機などないという理論的に破綻したアベノミクス残党が「まだ財政赤字はもつ」と言って、人々の正常化バイアスをフル利用しようとしている。

だが、実際は金融資産の大半は課税できないので意味がない議論だ。課税できるとしたら、アベノミクスの2012年以降、大企業の内部留保が約600兆円も積み上がって、かなりの現金預金で保持されている部分だが、彼らはそんな気はない

 つぎに、通貨発行権を持っている国はデフォルトしないと言っているがこれもウソ。日本は貿易赤字が当たり前で、1月の経常収支は2年ぶりの赤字。恒常的に経常赤字が続く時代になれば破綻必至になる。さらに、国民負担が4割を超えて江戸時代の五公五民状態になっているという。「税をとり過ぎている」というのだが違う。この国はアベノミクスで経済成長がなくなったことが大きい。税や保険料の対GDP負担はGDPが伸びなければ上がるのは当然。なのに、彼らはアベノミクスの失敗を認めない。

 同時に、では日本の国民負担は先進国の中で高いのか。英国とほぼ同じだが、独仏スウェーデンは日本よりはるかに高い。なのに、なぜ日本はかの国に比べ国民の不満が大きいかといえば、税金を国民のために使っていないからだ。かの国では年金医療にお金を入れ、教育を無償化する。一方、日本は防衛費や国土強靱化という公共事業偏重なのだ。この10年、アベノミクスは失敗して産業が衰退。円安インフレから抜けられなくなり、ついに人口減少に至っている。さらに同じように赤字国債で減税をしたところで、所得も消費も伸びないだろう。

 最後に、彼らは財務省が増税を狙って都合のいいデータを流しているという。だが、彼らが狙っているのは増税でなくインフレである。例えば、10%のインフレが起きれば、同時に財政赤字も現状の約1000兆円が900兆円に目減り。これをインフレ課税という。税率を上げなくても消費税も所得税も増収する。そのうえで防衛費倍増を捻出するのだ。

戦前は臨時軍事費特別会計で赤字国債を垂れ流し、軍事費を賄った。いまは後年度負担や予備費や基金という国会のチェックが利かない「裏金」の形を使って赤字国債で防衛費を賄おうとしている。財務省陰謀論は日本の軍事国家化の歯止めを失わせるのだ。


「N国党は反社会的カルト集団」と投稿 名誉毀損で訴えられたライター、控訴審でも勝訴 東京高裁

2025年03月18日 19時52分42秒 | 社会

「N国党は反社会的カルト集団」と投稿 名誉毀損で訴えられたライター、控訴審でも勝訴 東京高裁

Yahoo news  2025/3/18(火)  弁護士ドットコムニュース

 

全国の選挙を取材している選挙ウォッチャーちだい(本名・石渡智大)氏(46)が、「NHKから国民を守る党」(代表・立花孝志氏)を「反社会的カルト集団」などと表現したことに対して同党が名誉を毀損されたとして損害賠償を求めた裁判の控訴審で、東京高裁(裁判長:鹿子木康)は3月18日、N国党の控訴を棄却した。

ちだい氏は「政治が過激な思想をしてるのは非常に危険。火事と同じで、小さなうちに火元を断たないと大きな火事になってしまう」と述べた。

  • 1審・東京地裁「違法性を欠く」と判断

判決文などによると、ちだい氏は2024年6月、東京都知事選で「NHKから国民を守る党(N国党)」が24人の候補者を擁立したことに関連して、X(旧ツイッター)や動画配信サイトで、以下のような発信をした。

今日も反社会的カルト集団『NHKから国民を守る党』が展開しているポスター掲示板のショバ代ビジネスについて、無料で記事にしていきます。メディアや警察の皆さんに、背景などをしっかり理解していただきたいので、少なくとも、あと数日はポスターの話をしていきます。>

尊師っていうのも、教団幹部とか言ってるけど、出家信者とか言ってるけど、だってこいつらもう、物の善悪の判断がつかないんだよ。サリンをまかないオウムと一緒なんだから、ほとんど。内容としては、サリンをまくほどの知識とか知能はないから、だからサリンをまかないオウムみたいなもん。危ない奴らの集団であることは間違いないですね、N国って>

これに対してN国党は、ちだい氏のこれらの発言や投稿が「社会的評価を低下させる」などとして160万円の損賠賠償を求めて提訴した。

1審の東京地裁は2024年11月に訴えを退け、N国党が控訴していた。

  • 東京高裁、ちだい氏の表現は「重要な部分の真実性を裏付けることは明らか」

N国党は控訴審で、ちだい氏の発信内容の多くが前身団体の時の出来事であり、現在の支持者らは関与していないという趣旨の補足的な主張を行ったという。

東京高裁はこの日の判決で、「控訴人代表者(立花氏)及びその支持者は、平成25年以降複数回にわたって、政治活動の過程において犯罪行為や不法行為と評価される行為に及んでおり、控訴人代表者において、法律を遵守しない意思を明確に表明して、テロや民族虐殺をする可能性すら口にし、不法行為や迷惑行為を一般市民にサービスとして提供したり促したりしていた」などと認定した事実を列挙したうえで、次のように判断しN国党の控訴を退けた。

「控訴人(N国党)が違法と評価される行為を平然と行う集団等に当たる旨をいう被控訴人(ちだい氏)の本件各表現行為における意見ないし論評の重要な部分について真実性を裏付けることは明らかというべきである」

「一般の読者等の普通の注意と読み方、視聴の仕方とを基準として判断すれば、本件政治団体、本件政党及び控訴人の活動は、その名称等のいかんにかかわらず、いずれも控訴人代表者(立花氏)を中心とし、相互に関連し合うものとして認識されていた」

  • ちだい氏「小さなうちに断たないと大きな火事になる」

判決後に記者会見を開いたちだい氏は冒頭、3月14日に立花氏が路上で切り付けられる事件が起きたことについて、「軽傷で済んだのは本当に不幸中の幸い。お見舞い申し上げたい」と発言したうえで次のように述べた。

「改めて、N国党が反社会的カルト集団だという表現が名誉毀損に当たらないという判決をもらったので、今の立花氏らの行動については反省を促したい。立花氏には、どうしてこのような判決になったのかを感じてほしい

立花氏は法を悪用しているだけで、あたかもすごいことをしているかのような演出でN国党の支持者を広げている政治が過激な思想をしてるのは非常に危険。火事と同じで、小さなうちに火元を断たないと大きな火事になってしまう

  • 代理人弁護士「オウム真理教の時の反省が必要」

ちだい氏の代理人を務める石森雄一郎弁護士は、NHKの集金を行うスタッフを撃退するという立花氏の行動に同調した支持者が過去に多額の賠償命令を受けていたり、N国党が実施するNHK受信料の請求書を代理で受領するサービスが今回の裁判で不法行為と認定されたりしたとしたうえで、強い懸念を示した。

これからもN国党は一般市民を不法行為に巻き込んでいく可能性がある。オウム真理教の時は、信教の自由があるからなかなか踏み込めずに大きな悲劇を招いた。

今度は政治活動の自由という憲法上の権利を傘にかぶったカルトが出てきた。もう一度オウム真理教の時にどうすべきだったのかという反省がここで大いに必要だと思います。

社会的な危機にどう対応していくかがマスコミや警察も問われている。その意味でこの判決は非常に大事です」


日本の深刻実態…3兆円以上がばらまかれた東京五輪に見る「クソどうでもいい仕事」の力学

2025年03月17日 19時33分19秒 | 社会

日本の深刻実態…3兆円以上がばらまかれた東京五輪に見る「クソどうでもいい仕事」の力学

Yahoo news  2025/3/17(月) 現代ビジネス 酒井 隆史(大阪公立大学教授)

 

クソどうでもいい仕事(ブルシット・ジョブ)」はなぜエッセンシャル・ワークよりも給料がいいのか? その背景にはわたしたちの労働観が関係していた?ロングセラー『ブルシット・ジョブの謎』が明らかにする世界的現象の謎とは?

 

東京五輪とブルシットの力学

巨額の資金が動くとき、その分配にかかわるシステムにすきまがあれば寄生者のレイヤーがつくりだされる。この力学は日本でも、即座におもいうかぶ事例がないでしょうか?

現在の政権あるいは政府と電通とかパソナとの関係ですね。政府はかつて公共あるいは行政に属していた機能を「市場原理」の導入によって「効率化」するとの名目で、大手広告代理店などに委託しています。

たとえば東京五輪です。そこでは数兆円という巨額の資金が、こうした代理店などを通して大量にばらまかれました。

準備期間中に日給数十万の謎のポストがあることが発覚して、ちょっとしたスキャンダルになりましたよね。おそらく、そこではほとんどなんの意味もないポストがつくられ、そこに資金がばらまかれていたのではないかと想像されます。

 

もうひとつ、『ブルシット・ジョブ』には、ハリウッドで脚本家をやっているオスカーという人物の証言があらわれます。

かれによれば、ハリウッドにもブルシットの波が押し寄せ、一つの作品をつくるにあたって異様に複雑な過程がうまれ(それまでは良かれ悪しかれワンマンオーナーがやると決めたら、あとは現場にほとんどゆだねて好きにつくらせていたことも多かった、一つの作品が制作される過程で、謎の肩書きの上司(なんとかなんとかエグゼクティヴみたいな)がうじゃうじゃあらわれて、口をはさんでいく結果、意味不明なものができあがるといっています。

これは経営封建制がどれほど、一つの過程のなかに謎めいた中間的ポストをつくりだすかの事例としてあげられているのですが、ここでわたしたちはなにかをおもいださないでしょうか。東京五輪開会式のパフォーマンスをめぐるゴタゴタです。

 

ブルシット・ジョブ論は、今回の東京五輪についても、そこでなにが起きているのか、どうしてあのようなことが起きたのか、手がかりを与えてくれるようにおもいます。

細部にわたる検討は、ここではできませんが、大枠でいえば、その資金のほとんどは、税金で、基本的にわたしたちから徴収された富ですよね。

その膨大な富を、かれらは仲間内にばらまき、そしてより土台にあたる必要不可欠な仕事は、なるべく無償でそして医療従事者にもなけなしの報酬しか払いませんでした。

まるでこうした必要不可欠な仕事は報酬はいらないだろ、とでもいわんばかりです。

 

つづく「なぜ「1日4時間労働」は実現しないのか…世界を覆う「クソどうでもいい仕事」という病」では、自分が意味のない仕事をやっていることに気づき、苦しんでいるが、社会ではムダで無意味な仕事が増殖している実態について深く分析する。


増税そのもの「インフレ税」国民に強いる負担 進む「金持ち優遇」のいびつな政策

2025年03月15日 22時00分07秒 | 社会

増税そのもの「インフレ税」とは? 知らぬ間に徴収、政府債務の返済に充てられる構図

2025/03/15  AERA 渡辺豪

金子勝 @masaru_kaneko  金融資産が2000兆円ある、デフォルトがない、国民負担率が高いなど、財務省陰謀論・財務省解体論はほとんど根拠がおかしい。結局、赤字国債依存の減税論の裏側で、企業団体献金禁止を何とか避けようとする。

メディアがアベノミクスに乗っかってきたせいで、日本経済の現実から目を背けるため、トランプ発のフェイクファシズムとして財務省陰謀論・財務省解体論が行き交う。無責任な言説をたたき、滅びを避けなければいけない。

 

インフレが定着する中で家計から企業へ企業から政府へと所得の移転が進んでいる。「見えない増税」ともいえる「インフレ税」の実態に迫った。AERA 2025年3月17日号より。

 

収入が増えない中、この物価高は一体いつまで続くのか。

 帝国データバンクは2月末、2025年の飲食料品の値上げ品目数は早ければ4月にも前年実績(1万2520品目)を上回り、年間で2万品目前後に達する可能性がある、と発表した。夏場にかけて断続的な値上げラッシュが見込まれ、値上げの勢いは前年と比べて大幅に強まっている、という。

 内閣府が2月に発表した2024年10〜12月期の国内総生産(GDP)でも、コメや野菜など身近な食べものの値上がりの加速を背景に、個人消費の失速が浮かんだ。GDPの内訳の5割超を占める個人消費の伸びは0.1%増(3月11日発表の改定値で0.0%増に修正)にとどまり、鈍化傾向にある。

 ただ、GDP全体で見ると、「さえない内需」の実態はつかみづらい。24年10〜12月期のGDPは年率換算で前期比2・8%増(改定値で2.2%増に修正)と3四半期連続でプラス成長を維持し、回復基調を維持しているからだ。これに対し、「成長の中身を見る限り、今期の成長は全くポジティブな評価はできない」と厳しい視線を注ぐのは、みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケット・エコノミストだ。

外需に牽引された成長で内需はさえないままです。その外需も、内需がさえないゆえに輸入が減っている側面や、インバウンド消費による『旅行サービスの輸出』の押し上げが寄与しているのが実態です」

着目すべきはGDI

 確かに都内には「インバウンド向け」の高級飲食店も少なくない。ビジネスホテルも高くて利用しづらい、といった声もよく聞かれる。居住者の代わりに「訪日客」という非居住者が消費を増やしているだけ、との唐鎌さんの指摘にも頷ける。

 実際、24年のGDPは約557兆円で、コロナ禍前の19年(約553兆円)と比較して微増にとどまっている。つまり、「ほとんど成長していない」ことが分かる。ただ、これでは現状認識には不十分だという。22年のロシアによるウクライナ侵攻を機に円安と資源高が併発したのに伴い、海外への所得流出が顕在化している内実を捉えきれないからだ。

 円安の慢性化が輸入インフレをたきつけ、家計や企業の購買力を奪い、それが政治・経済面で大きな影響を与えているいま、着目すべきは国民の景気実感により近いGDI(国内総所得)だと唐鎌さんは言う。GDIは19年の約551兆円から、24年は約550兆円と減っているのだ。

「このGDIの低迷は、円安発・輸入物価経由の物価上昇がインフレ税として個人消費を抑制している姿と符合します」(唐鎌さん)

 インフレ税とは、物価上昇でお金の価値が下がり続けると、政府の借金の返済負担が実質的に軽くなり、増税と似た効果が表れることを指す。

「日本経済はいまインフレが定着する中で家計から企業へ、企業から政府へと所得の移転が進んでいます」(同)

 所得の移転が進んだ結果、どの程度まで政府の財政再建は進んだのか。唐鎌さんが参考データとして提示するのが、一般政府(中央政府・地方公共団体・社会保障基金)の純債務残高(総債務から通貨や預金、負債証券などの金融資産を差し引いたもの)の名目GDP比率だ。新型コロナのパンデミックが発生した20年を境に政府の純債務は絶対額、名目GDP比ともにピークアウトし、名目GDP比は20年に130%近くだったのが、24年上半期の時点で86%まで大幅改善している。

 この背景にあるのがインフレだ。

 政府から見れば、インフレの影響で値上がりした財・サービスに対し、家計が保有する金融資産を従来以上に取り崩して消費税などの形で納税してくれることになり、債務残高をハイペースで減らすことができる。一方、家計から見れば、主体的な意思決定とは無関係にインフレの影響で可処分所得が減り、その一部が政府債務の返済に充てられる構図になっている。これはつまり、と唐鎌さんは続けた。

現象として起きているのは『増税』そのものです」

低所得者に大きな負担

 歳出削減や増税による財政再建であれば、選挙で選ばれた政治家が政策として実行するため、そこに民主主義国家としての正当性を見いだせる。しかし、インフレ税は国民が知らない間にお金が少しずつ抜かれていくようなもの。しかも、生活必需品の値上がりは低所得者により大きな負担を強いる。唐鎌さんは言う。

可処分所得が減るのが増税の影響として挙げられますが、そういう意味では消費税もインフレ税も同じです。ただ、それを自覚している人は少ないということでしょう」

 日本だけでなく、海外でもインフレが引き金となり、政権交代や与党の後退が相次いでいるのが現実だ。唐鎌さんはこう見据える。

「昨年の衆院選で与党が大負けしたのは都市部でした。インバウンド流入の影響が大きく、物価の上昇が激しい都市部から民意が変わるのは必然です。今夏の参院選でもインフレに苦しめられた批判的な民意が再び政府・与党に向けられる素地は十分あります

 

「インフレ税」なし崩し的に国民に強いる負担 進む「お金持ち優遇」のいびつな政策運営

Yahoo news  2025/3/15(土)   AERA dot. 編集部・渡辺豪

 

収入が増えず、物価上昇が続いているインフレが定着する中で家計から企業へ、企業から政府へと所得の移転が進んでいる。家計から見れば、可処分所得が減り、その一部が政府債務の返済に充てられる構図だ。「見えない増税」ともいえる「インフレ税」の実態に迫った。AERA 2025年3月17日号より。

*  *  *

インフレ税による財政再建については様々な見方がある。

純債務残高の名目GDP比率はインフレの分だけ分母のGDPがかさ上げされますから、確かに見かけ上の財政状況は改善されています。しかし、そのことのみをもって財政再建が進んでいると捉えるのは早計です」

 こう唱えるのは、日本総合研究所の河村小百合主席研究員だ。

 財政運営の継続性を左右するのは、新規と借り換え分の国債発行を続けられるかどうか、だと河村さんは強調する。いま懸念されているのは、インフレで金利が上昇して国債の利払い費が増えると、財政が圧迫されて市場の信頼を失い、国債の買い手がつかなくなりかねない事態だ。

 財務省によると、普通国債残高は24年度末に1104兆円に上ると見込まれている。ただ日本の場合、現状ではこれを十分カバーできる2179兆円もの国内金融資産を保有している。これは何を意味するのか。

■過去には預金封鎖も

「万一、国の財政運営が行き詰まっても、09年以降のギリシャの財政危機の時のようにIMF(国際通貨基金)の融資をすぐに受ける流れになるとは考えられません。まずは国内にある資金を充当する形で既に発行した国債の満期到来分の元本償還のめどを立てる『大規模な国内債務調整』を断行せざるを得なくなるでしょう」(河村さん)

 日本人は「大規模な国内債務調整」を第2次大戦の敗戦時に経験している。このとき政府は預金封鎖や切り捨て、家計が保有する金融資産や不動産を召し上げる財産税、戦時補償特別措置法といった政策を、施行時期をずらして断行した。

一方、インフレで金利が上昇して国債の利払い費が増えても、税収も増えるため財政運営は問題ないとの見方もある。「インフレ税」による財政再建説だ。これについて河村さんは「逆進的で公平な負担とは到底言えないそのシナリオが仮に実現した場合、問題の解決ではなく回避」だと切り捨てる。

 河村さんは23年度の決算ベースの税収額をもとに、4パターンのシナリオで税収がどの程度伸びるのか試算した。それによると、33年度の税収は「デフレ逆戻りシナリオ」では約76兆円止まりなのに対し、「高インフレシナリオ」(日銀が高インフレ進行を抑え切れなくなるケースとして5%のインフレを想定)では約123兆円に達する。税収がこれだけ高い伸びを示せば、国債の利払い費の増加分もカバーできるのでは、との印象もぬぐえない。しかし、と河村さんはこう続けた。

「ここで決して忘れてはならないのは、税収が高インフレ要因で伸びる場合大部分の歳出も高インフレに応じて金額を上げないと、政府からの支出や給付を受け取る側の企業や国民生活はとてもじゃないが回らなくなるということです」

 財政規律を無視して補助金をばらまけ、というのではない。例えば、高齢者向けの年金や公務員の給与、公共事業の入札の予定価格などは物価上昇分を適宜上乗せしていかなければ国民や企業がないがしろにされる、と河村さんは説く。実際、人件費や資材調達費の高騰を受け、全国各地で公共工事の入札不調が相次いでいる。

■負担できる人が負担

 永田町の政治家や日銀、霞が関の官僚の中には、インフレ税の形でなし崩し的に国民に負担を強いることになっても、歳出効率化や増税といった正面からの財政再建に向き合わないで済ませられるならそれでかまわない、と考えている人が一定数いるのではないか、と河村さんは憤る。

インフレが進行しても痛くもかゆくもない層が日本にはいます。いまなし崩し的に進んでいるのは、こうしたお金持ち優遇のいびつな政策運営です。インフレで厳しい生活を強いられている国民が声を上げない限り、お金持ちにおもねった政策が今後も続けられるでしょう」

日本人はこの先、負担から逃れられる方法はない。であれば、負担できる人にしっかり負担してもらうよりほかにない、というのが河村さんの持論だ。

「日本はお金がないから財政再建できない国ではありません。お金がある人に対する負担の合意を得る努力を怠ってきた結果が、世界最悪の財政事情を招いたとも言えます。負担を後世に押し付けて逃げ切ることは許されません」

インフレで生活困難者が増える中、日本では富裕層が増加を続けている。

 野村総合研究所の推計によると、23年の純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の「富裕層」、および同5億円以上の「超富裕層」を合わせると165.3万世帯で、21年の148.5万世帯から11.3%増加している。内訳は、富裕層が153.5万世帯、超富裕層が11.8万世帯。23年の富裕層・超富裕層の合計世帯数は、この推計を開始した05年以降増加しており、富裕層・超富裕層それぞれの世帯数も、13年以降は一貫して増加傾向にある。

 河村さんの試算結果では、高インフレ下でも税収だけでは利払い費とインフレ見合いの一般歳出を到底賄いきれないことも明らかになっている。河村さんはこう強調した。

財政運営の安定的な継続のためには、国の債務残高を減額に転じさせるべく、財政収支の均衡・黒字化を達成して新規国債の発行をほぼなくし、それを長期間維持する必要があります。そのための計画策定が日本の財政運営上の喫緊の課題です」

 少子高齢化による社会保障費の増大に加え、政府は防衛費の大幅増額も打ち出している。さらに、首都直下地震や南海トラフ巨大地震など壊滅的影響が予想される自然災害がいつ起きてもおかしくない日本で、「財政破綻は起きない」と高をくくっている余裕などない