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「N国党は反社会的カルト集団」と投稿 名誉毀損で訴えられたライター、控訴審でも勝訴 東京高裁

2025年03月18日 19時52分42秒 | 社会

「N国党は反社会的カルト集団」と投稿 名誉毀損で訴えられたライター、控訴審でも勝訴 東京高裁

Yahoo news  2025/3/18(火)  弁護士ドットコムニュース

 

全国の選挙を取材している選挙ウォッチャーちだい(本名・石渡智大)氏(46)が、「NHKから国民を守る党」(代表・立花孝志氏)を「反社会的カルト集団」などと表現したことに対して同党が名誉を毀損されたとして損害賠償を求めた裁判の控訴審で、東京高裁(裁判長:鹿子木康)は3月18日、N国党の控訴を棄却した。

ちだい氏は「政治が過激な思想をしてるのは非常に危険。火事と同じで、小さなうちに火元を断たないと大きな火事になってしまう」と述べた。

  • 1審・東京地裁「違法性を欠く」と判断

判決文などによると、ちだい氏は2024年6月、東京都知事選で「NHKから国民を守る党(N国党)」が24人の候補者を擁立したことに関連して、X(旧ツイッター)や動画配信サイトで、以下のような発信をした。

今日も反社会的カルト集団『NHKから国民を守る党』が展開しているポスター掲示板のショバ代ビジネスについて、無料で記事にしていきます。メディアや警察の皆さんに、背景などをしっかり理解していただきたいので、少なくとも、あと数日はポスターの話をしていきます。>

尊師っていうのも、教団幹部とか言ってるけど、出家信者とか言ってるけど、だってこいつらもう、物の善悪の判断がつかないんだよ。サリンをまかないオウムと一緒なんだから、ほとんど。内容としては、サリンをまくほどの知識とか知能はないから、だからサリンをまかないオウムみたいなもん。危ない奴らの集団であることは間違いないですね、N国って>

これに対してN国党は、ちだい氏のこれらの発言や投稿が「社会的評価を低下させる」などとして160万円の損賠賠償を求めて提訴した。

1審の東京地裁は2024年11月に訴えを退け、N国党が控訴していた。

  • 東京高裁、ちだい氏の表現は「重要な部分の真実性を裏付けることは明らか」

N国党は控訴審で、ちだい氏の発信内容の多くが前身団体の時の出来事であり、現在の支持者らは関与していないという趣旨の補足的な主張を行ったという。

東京高裁はこの日の判決で、「控訴人代表者(立花氏)及びその支持者は、平成25年以降複数回にわたって、政治活動の過程において犯罪行為や不法行為と評価される行為に及んでおり、控訴人代表者において、法律を遵守しない意思を明確に表明して、テロや民族虐殺をする可能性すら口にし、不法行為や迷惑行為を一般市民にサービスとして提供したり促したりしていた」などと認定した事実を列挙したうえで、次のように判断しN国党の控訴を退けた。

「控訴人(N国党)が違法と評価される行為を平然と行う集団等に当たる旨をいう被控訴人(ちだい氏)の本件各表現行為における意見ないし論評の重要な部分について真実性を裏付けることは明らかというべきである」

「一般の読者等の普通の注意と読み方、視聴の仕方とを基準として判断すれば、本件政治団体、本件政党及び控訴人の活動は、その名称等のいかんにかかわらず、いずれも控訴人代表者(立花氏)を中心とし、相互に関連し合うものとして認識されていた」

  • ちだい氏「小さなうちに断たないと大きな火事になる」

判決後に記者会見を開いたちだい氏は冒頭、3月14日に立花氏が路上で切り付けられる事件が起きたことについて、「軽傷で済んだのは本当に不幸中の幸い。お見舞い申し上げたい」と発言したうえで次のように述べた。

「改めて、N国党が反社会的カルト集団だという表現が名誉毀損に当たらないという判決をもらったので、今の立花氏らの行動については反省を促したい。立花氏には、どうしてこのような判決になったのかを感じてほしい

立花氏は法を悪用しているだけで、あたかもすごいことをしているかのような演出でN国党の支持者を広げている政治が過激な思想をしてるのは非常に危険。火事と同じで、小さなうちに火元を断たないと大きな火事になってしまう

  • 代理人弁護士「オウム真理教の時の反省が必要」

ちだい氏の代理人を務める石森雄一郎弁護士は、NHKの集金を行うスタッフを撃退するという立花氏の行動に同調した支持者が過去に多額の賠償命令を受けていたり、N国党が実施するNHK受信料の請求書を代理で受領するサービスが今回の裁判で不法行為と認定されたりしたとしたうえで、強い懸念を示した。

これからもN国党は一般市民を不法行為に巻き込んでいく可能性がある。オウム真理教の時は、信教の自由があるからなかなか踏み込めずに大きな悲劇を招いた。

今度は政治活動の自由という憲法上の権利を傘にかぶったカルトが出てきた。もう一度オウム真理教の時にどうすべきだったのかという反省がここで大いに必要だと思います。

社会的な危機にどう対応していくかがマスコミや警察も問われている。その意味でこの判決は非常に大事です」


日本の深刻実態…3兆円以上がばらまかれた東京五輪に見る「クソどうでもいい仕事」の力学

2025年03月17日 19時33分19秒 | 社会

日本の深刻実態…3兆円以上がばらまかれた東京五輪に見る「クソどうでもいい仕事」の力学

Yahoo news  2025/3/17(月) 現代ビジネス 酒井 隆史(大阪公立大学教授)

 

クソどうでもいい仕事(ブルシット・ジョブ)」はなぜエッセンシャル・ワークよりも給料がいいのか? その背景にはわたしたちの労働観が関係していた?ロングセラー『ブルシット・ジョブの謎』が明らかにする世界的現象の謎とは?

 

東京五輪とブルシットの力学

巨額の資金が動くとき、その分配にかかわるシステムにすきまがあれば寄生者のレイヤーがつくりだされる。この力学は日本でも、即座におもいうかぶ事例がないでしょうか?

現在の政権あるいは政府と電通とかパソナとの関係ですね。政府はかつて公共あるいは行政に属していた機能を「市場原理」の導入によって「効率化」するとの名目で、大手広告代理店などに委託しています。

たとえば東京五輪です。そこでは数兆円という巨額の資金が、こうした代理店などを通して大量にばらまかれました。

準備期間中に日給数十万の謎のポストがあることが発覚して、ちょっとしたスキャンダルになりましたよね。おそらく、そこではほとんどなんの意味もないポストがつくられ、そこに資金がばらまかれていたのではないかと想像されます。

 

もうひとつ、『ブルシット・ジョブ』には、ハリウッドで脚本家をやっているオスカーという人物の証言があらわれます。

かれによれば、ハリウッドにもブルシットの波が押し寄せ、一つの作品をつくるにあたって異様に複雑な過程がうまれ(それまでは良かれ悪しかれワンマンオーナーがやると決めたら、あとは現場にほとんどゆだねて好きにつくらせていたことも多かった、一つの作品が制作される過程で、謎の肩書きの上司(なんとかなんとかエグゼクティヴみたいな)がうじゃうじゃあらわれて、口をはさんでいく結果、意味不明なものができあがるといっています。

これは経営封建制がどれほど、一つの過程のなかに謎めいた中間的ポストをつくりだすかの事例としてあげられているのですが、ここでわたしたちはなにかをおもいださないでしょうか。東京五輪開会式のパフォーマンスをめぐるゴタゴタです。

 

ブルシット・ジョブ論は、今回の東京五輪についても、そこでなにが起きているのか、どうしてあのようなことが起きたのか、手がかりを与えてくれるようにおもいます。

細部にわたる検討は、ここではできませんが、大枠でいえば、その資金のほとんどは、税金で、基本的にわたしたちから徴収された富ですよね。

その膨大な富を、かれらは仲間内にばらまき、そしてより土台にあたる必要不可欠な仕事は、なるべく無償でそして医療従事者にもなけなしの報酬しか払いませんでした。

まるでこうした必要不可欠な仕事は報酬はいらないだろ、とでもいわんばかりです。

 

つづく「なぜ「1日4時間労働」は実現しないのか…世界を覆う「クソどうでもいい仕事」という病」では、自分が意味のない仕事をやっていることに気づき、苦しんでいるが、社会ではムダで無意味な仕事が増殖している実態について深く分析する。


増税そのもの「インフレ税」国民に強いる負担 進む「金持ち優遇」のいびつな政策

2025年03月15日 22時00分07秒 | 社会

増税そのもの「インフレ税」とは? 知らぬ間に徴収、政府債務の返済に充てられる構図

2025/03/15  AERA 渡辺豪

金子勝 @masaru_kaneko  金融資産が2000兆円ある、デフォルトがない、国民負担率が高いなど、財務省陰謀論・財務省解体論はほとんど根拠がおかしい。結局、赤字国債依存の減税論の裏側で、企業団体献金禁止を何とか避けようとする。

メディアがアベノミクスに乗っかってきたせいで、日本経済の現実から目を背けるため、トランプ発のフェイクファシズムとして財務省陰謀論・財務省解体論が行き交う。無責任な言説をたたき、滅びを避けなければいけない。

 

インフレが定着する中で家計から企業へ企業から政府へと所得の移転が進んでいる。「見えない増税」ともいえる「インフレ税」の実態に迫った。AERA 2025年3月17日号より。

 

収入が増えない中、この物価高は一体いつまで続くのか。

 帝国データバンクは2月末、2025年の飲食料品の値上げ品目数は早ければ4月にも前年実績(1万2520品目)を上回り、年間で2万品目前後に達する可能性がある、と発表した。夏場にかけて断続的な値上げラッシュが見込まれ、値上げの勢いは前年と比べて大幅に強まっている、という。

 内閣府が2月に発表した2024年10〜12月期の国内総生産(GDP)でも、コメや野菜など身近な食べものの値上がりの加速を背景に、個人消費の失速が浮かんだ。GDPの内訳の5割超を占める個人消費の伸びは0.1%増(3月11日発表の改定値で0.0%増に修正)にとどまり、鈍化傾向にある。

 ただ、GDP全体で見ると、「さえない内需」の実態はつかみづらい。24年10〜12月期のGDPは年率換算で前期比2・8%増(改定値で2.2%増に修正)と3四半期連続でプラス成長を維持し、回復基調を維持しているからだ。これに対し、「成長の中身を見る限り、今期の成長は全くポジティブな評価はできない」と厳しい視線を注ぐのは、みずほ銀行の唐鎌大輔チーフマーケット・エコノミストだ。

外需に牽引された成長で内需はさえないままです。その外需も、内需がさえないゆえに輸入が減っている側面や、インバウンド消費による『旅行サービスの輸出』の押し上げが寄与しているのが実態です」

着目すべきはGDI

 確かに都内には「インバウンド向け」の高級飲食店も少なくない。ビジネスホテルも高くて利用しづらい、といった声もよく聞かれる。居住者の代わりに「訪日客」という非居住者が消費を増やしているだけ、との唐鎌さんの指摘にも頷ける。

 実際、24年のGDPは約557兆円で、コロナ禍前の19年(約553兆円)と比較して微増にとどまっている。つまり、「ほとんど成長していない」ことが分かる。ただ、これでは現状認識には不十分だという。22年のロシアによるウクライナ侵攻を機に円安と資源高が併発したのに伴い、海外への所得流出が顕在化している内実を捉えきれないからだ。

 円安の慢性化が輸入インフレをたきつけ、家計や企業の購買力を奪い、それが政治・経済面で大きな影響を与えているいま、着目すべきは国民の景気実感により近いGDI(国内総所得)だと唐鎌さんは言う。GDIは19年の約551兆円から、24年は約550兆円と減っているのだ。

「このGDIの低迷は、円安発・輸入物価経由の物価上昇がインフレ税として個人消費を抑制している姿と符合します」(唐鎌さん)

 インフレ税とは、物価上昇でお金の価値が下がり続けると、政府の借金の返済負担が実質的に軽くなり、増税と似た効果が表れることを指す。

「日本経済はいまインフレが定着する中で家計から企業へ、企業から政府へと所得の移転が進んでいます」(同)

 所得の移転が進んだ結果、どの程度まで政府の財政再建は進んだのか。唐鎌さんが参考データとして提示するのが、一般政府(中央政府・地方公共団体・社会保障基金)の純債務残高(総債務から通貨や預金、負債証券などの金融資産を差し引いたもの)の名目GDP比率だ。新型コロナのパンデミックが発生した20年を境に政府の純債務は絶対額、名目GDP比ともにピークアウトし、名目GDP比は20年に130%近くだったのが、24年上半期の時点で86%まで大幅改善している。

 この背景にあるのがインフレだ。

 政府から見れば、インフレの影響で値上がりした財・サービスに対し、家計が保有する金融資産を従来以上に取り崩して消費税などの形で納税してくれることになり、債務残高をハイペースで減らすことができる。一方、家計から見れば、主体的な意思決定とは無関係にインフレの影響で可処分所得が減り、その一部が政府債務の返済に充てられる構図になっている。これはつまり、と唐鎌さんは続けた。

現象として起きているのは『増税』そのものです」

低所得者に大きな負担

 歳出削減や増税による財政再建であれば、選挙で選ばれた政治家が政策として実行するため、そこに民主主義国家としての正当性を見いだせる。しかし、インフレ税は国民が知らない間にお金が少しずつ抜かれていくようなもの。しかも、生活必需品の値上がりは低所得者により大きな負担を強いる。唐鎌さんは言う。

可処分所得が減るのが増税の影響として挙げられますが、そういう意味では消費税もインフレ税も同じです。ただ、それを自覚している人は少ないということでしょう」

 日本だけでなく、海外でもインフレが引き金となり、政権交代や与党の後退が相次いでいるのが現実だ。唐鎌さんはこう見据える。

「昨年の衆院選で与党が大負けしたのは都市部でした。インバウンド流入の影響が大きく、物価の上昇が激しい都市部から民意が変わるのは必然です。今夏の参院選でもインフレに苦しめられた批判的な民意が再び政府・与党に向けられる素地は十分あります

 

「インフレ税」なし崩し的に国民に強いる負担 進む「お金持ち優遇」のいびつな政策運営

Yahoo news  2025/3/15(土)   AERA dot. 編集部・渡辺豪

 

収入が増えず、物価上昇が続いているインフレが定着する中で家計から企業へ、企業から政府へと所得の移転が進んでいる。家計から見れば、可処分所得が減り、その一部が政府債務の返済に充てられる構図だ。「見えない増税」ともいえる「インフレ税」の実態に迫った。AERA 2025年3月17日号より。

*  *  *

インフレ税による財政再建については様々な見方がある。

純債務残高の名目GDP比率はインフレの分だけ分母のGDPがかさ上げされますから、確かに見かけ上の財政状況は改善されています。しかし、そのことのみをもって財政再建が進んでいると捉えるのは早計です」

 こう唱えるのは、日本総合研究所の河村小百合主席研究員だ。

 財政運営の継続性を左右するのは、新規と借り換え分の国債発行を続けられるかどうか、だと河村さんは強調する。いま懸念されているのは、インフレで金利が上昇して国債の利払い費が増えると、財政が圧迫されて市場の信頼を失い、国債の買い手がつかなくなりかねない事態だ。

 財務省によると、普通国債残高は24年度末に1104兆円に上ると見込まれている。ただ日本の場合、現状ではこれを十分カバーできる2179兆円もの国内金融資産を保有している。これは何を意味するのか。

■過去には預金封鎖も

「万一、国の財政運営が行き詰まっても、09年以降のギリシャの財政危機の時のようにIMF(国際通貨基金)の融資をすぐに受ける流れになるとは考えられません。まずは国内にある資金を充当する形で既に発行した国債の満期到来分の元本償還のめどを立てる『大規模な国内債務調整』を断行せざるを得なくなるでしょう」(河村さん)

 日本人は「大規模な国内債務調整」を第2次大戦の敗戦時に経験している。このとき政府は預金封鎖や切り捨て、家計が保有する金融資産や不動産を召し上げる財産税、戦時補償特別措置法といった政策を、施行時期をずらして断行した。

一方、インフレで金利が上昇して国債の利払い費が増えても、税収も増えるため財政運営は問題ないとの見方もある。「インフレ税」による財政再建説だ。これについて河村さんは「逆進的で公平な負担とは到底言えないそのシナリオが仮に実現した場合、問題の解決ではなく回避」だと切り捨てる。

 河村さんは23年度の決算ベースの税収額をもとに、4パターンのシナリオで税収がどの程度伸びるのか試算した。それによると、33年度の税収は「デフレ逆戻りシナリオ」では約76兆円止まりなのに対し、「高インフレシナリオ」(日銀が高インフレ進行を抑え切れなくなるケースとして5%のインフレを想定)では約123兆円に達する。税収がこれだけ高い伸びを示せば、国債の利払い費の増加分もカバーできるのでは、との印象もぬぐえない。しかし、と河村さんはこう続けた。

「ここで決して忘れてはならないのは、税収が高インフレ要因で伸びる場合大部分の歳出も高インフレに応じて金額を上げないと、政府からの支出や給付を受け取る側の企業や国民生活はとてもじゃないが回らなくなるということです」

 財政規律を無視して補助金をばらまけ、というのではない。例えば、高齢者向けの年金や公務員の給与、公共事業の入札の予定価格などは物価上昇分を適宜上乗せしていかなければ国民や企業がないがしろにされる、と河村さんは説く。実際、人件費や資材調達費の高騰を受け、全国各地で公共工事の入札不調が相次いでいる。

■負担できる人が負担

 永田町の政治家や日銀、霞が関の官僚の中には、インフレ税の形でなし崩し的に国民に負担を強いることになっても、歳出効率化や増税といった正面からの財政再建に向き合わないで済ませられるならそれでかまわない、と考えている人が一定数いるのではないか、と河村さんは憤る。

インフレが進行しても痛くもかゆくもない層が日本にはいます。いまなし崩し的に進んでいるのは、こうしたお金持ち優遇のいびつな政策運営です。インフレで厳しい生活を強いられている国民が声を上げない限り、お金持ちにおもねった政策が今後も続けられるでしょう」

日本人はこの先、負担から逃れられる方法はない。であれば、負担できる人にしっかり負担してもらうよりほかにない、というのが河村さんの持論だ。

「日本はお金がないから財政再建できない国ではありません。お金がある人に対する負担の合意を得る努力を怠ってきた結果が、世界最悪の財政事情を招いたとも言えます。負担を後世に押し付けて逃げ切ることは許されません」

インフレで生活困難者が増える中、日本では富裕層が増加を続けている。

 野村総合研究所の推計によると、23年の純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の「富裕層」、および同5億円以上の「超富裕層」を合わせると165.3万世帯で、21年の148.5万世帯から11.3%増加している。内訳は、富裕層が153.5万世帯、超富裕層が11.8万世帯。23年の富裕層・超富裕層の合計世帯数は、この推計を開始した05年以降増加しており、富裕層・超富裕層それぞれの世帯数も、13年以降は一貫して増加傾向にある。

 河村さんの試算結果では、高インフレ下でも税収だけでは利払い費とインフレ見合いの一般歳出を到底賄いきれないことも明らかになっている。河村さんはこう強調した。

財政運営の安定的な継続のためには、国の債務残高を減額に転じさせるべく、財政収支の均衡・黒字化を達成して新規国債の発行をほぼなくし、それを長期間維持する必要があります。そのための計画策定が日本の財政運営上の喫緊の課題です」

 少子高齢化による社会保障費の増大に加え、政府は防衛費の大幅増額も打ち出している。さらに、首都直下地震や南海トラフ巨大地震など壊滅的影響が予想される自然災害がいつ起きてもおかしくない日本で、「財政破綻は起きない」と高をくくっている余裕などない


「報道は腰抜けですけれど」NHK関係者が笑顔で答えた理由…メディアの凋落を加速させた安倍政権の大罪

2025年03月11日 18時19分57秒 | 社会

「報道は腰抜けですけれど」NHK関係者が笑顔で答えた理由…メディアの凋落を加速させた安倍政権の大罪

Yahoo  news  2025/3/11(火)  集英社オンライン 動乱期を生きる #1

 

現代社会においてもしばしば問題視される理不尽で構造的な女性差別問題や、日本の敗戦を開戦前に指摘していた総力戦研究所原爆裁判など、センシティブな問題を正面から描いたNHK連続テレビ小説『虎に翼』社会の問題に切り込む骨太なドラマが評価されるいっぽう、「報道は腰抜けですけれど(笑)」も、とあるNHK関係者の言葉だ。

メディアに対する信頼を土台から掘り崩してしまった日本の政権

 

書籍『動乱期を生きる』より一部を抜粋・再構成し、なぜ日本のテレビ局の“報道部門”が凋落し続けるのかについて日本の凋落を嘆く内田樹氏と山﨑雅弘氏の談話を紹介する。

 

NHKは報道部よりもドラマ班のほうが気骨がある

内田 昨今のNHKは、報道部よりもドラマやドキュメンタリーの制作班のほうが気骨がありますね。先日、NHKの取材を受けました。

優れた企画だったし、うちに来たスタッフの皆さんも面白い方々ばかりでしたので、「最近のNHKはドラマやドキュメンタリーは攻めてますね」と言ったら、その中のお一人がにっこり笑って「報道は『腰抜け』ですけれど」というご返事でした。

なるほど、NHK内部では、腰抜けが報道に残って、気骨がある人たちはドラマやドキュメンタリーや情報番組に追いやられてしまったのだなと知りました。

山崎 昨年放送された『虎に翼』は見応えがありました。途中から見始めたのですが、セリフの一つひとつや画面の演出がよく練られていて、当時の問題に現代社会の問題が違和感なく投影される形になっている。

構造的で理不尽な女性差別だけでなく、なぜか女性を敵視する「弱者男性」の心情まで丁寧に描いていました。脚本家の吉田恵里香さんは、本当に手練だと思います。

内田 朝ドラは視聴者の数が多いですから、使いようになってはプロパガンダ装置にもなりかねない。けれども、体制へのカウンターとして『虎に翼』のような作品を送り出してくる制作陣が残っている。そこに救いがあると思いました。

山崎 敗戦後の民法改正のくだりでは、「高齢男性がしがみつく日本の伝統とやらは、実際には明治期につくられたものばかり」と女性議員がさらっと指摘するシーンがあるのですが、あれをNHKが電波に乗せたのは画期的でした。

自民党など一部の国会議員が崇め奉る靖国神社も、夫婦同姓も、明治期の大日本帝国の国家体制に合うように作られた「伝統と称するもの」でしかないんです。

日本の敗戦を開戦前に指摘していた総力戦研究所の存在や、あまり知られていない原爆裁判の描写からも、制作陣の気概のようなものを感じ取れました。

内田 民放ではもはや見ることができない光景ですね。かつてNHKは体制側で、民放のほうに在野的な批評性がありましたけれど、ドラマやドキュメンタリーについては、もう構図が逆転しましたね。

高市早苗の「公正中立ではない放送局には電波停止を命じる可能性がある」発言

山崎 2012年に第二次安倍政権が発足して以降、自民党政権によるメディアへの圧力が段階的にエスカレートし、当時の高市早苗総務大臣が「公正中立ではない放送局には電波停止を命じる可能性がある」とまで言及しましたが、一昔前であれば、あの発言はテレビ局から激しい批判の逆襲を食らって逆に大臣辞任にまで追い詰められてもおかしくなかったと思います。

内田 あれは少し昔なら内閣総辞職に追い込まれるような暴言だったと僕も思います。それがペナルティなしでまかり通ってしまったのですから、いかにメディアの足腰が弱くなったかということの証明でしょう。

安倍政権のメディア対策は、要するに「しつこい」ということと「非常識」ということに尽きると思います。ふつうならそこまでやらないというようなことをやった。

いちいち番組内容に介入し、個別の番組の出演者にまでクレームをつけた。ふつうはテレビ番組を全部チェックして、その一つひとつについて政府に批判的かどうかなんか査定するようなくだらないことに官邸の貴重な人的リソースは割きません。外交でも内政でもそんなことより重要な政治的イシューはいくらでもありますから。

でも、安倍政権はその優先順位をひっくり返して、「政府批判をするメディアを叩く」ということを最優先の政治課題にした。この「しつこさ」と「非常識」ぶりは僕が知る限り、これまでの自民党政府のメディア対策には見られなかったものです。

でも、これはある意味で卓越した着眼点だったと思います。「叩いて」みたら、メディアは思いのほか弱腰だということがわかったからです。一度きりのクレームには抵抗するけれども、三度四度とクレームを続けると腰が砕ける。

ていねいな口調での抗議には抵抗できても、「ふざけたことをすると停波するぞ」というような非常識な恫喝には屈する。問題はここでも「程度の差」だったんです。

これまで政府がメディアにいくぶんか配慮していたのは、メディアの抵抗力を過大評価していたからだということがわかった。それが第二次安倍政権の最大の「収穫」だったと思います。「メディアは腰抜けだ」ということを政府が知り、国民も知った。

それによってメディアに対する信頼性を土台から掘り崩すことに成功した。こうやって僕たちが「日本のメディアは腰抜けだ」というようなことをあたかも周知の事実のごとく言い切れるのも、それが安倍政権が開示した事実だからなんです。

もちろん、それまで「第四の権力」というような過大評価に安住してきて、タフな批評的知性を鍛えてこなかったメディア自身の責任も大きいとは思います。それでも、日本における「メディアの凋落」を加速させたのが安倍政権であることは間違いないです。

 

山崎雅弘(やまざき まさひろ)1967年大阪府生まれ。戦史・紛争史研究家。主な著書に『詭弁社会日本を蝕む“怪物”の正体』(祥伝社新書)、『底が抜けた国自浄能力を失った日本は再生できるのか?』『第二次世界大戦秘史』(ともに朝日新書)、『未完の敗戦』(集英社新書)など。Twitter(現X)アカウントは、@mas__yamazaki

内田樹(うちだ たつる)1950年東京都生まれ。思想家。神戸女学院大学名誉教授。東京大学文学部仏文科卒業、東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程中退。専門はフランス現代思想、武道論、教育論。神戸市で哲学と武道のための私塾「凱風館」を主宰。著書に『日本辺境論』(新潮新書)ほか多数。


福島原発事故の最大の戦犯は津波対策を拒否した安倍晋三だ

2025年03月11日 14時21分25秒 | 社会

ウクライナ危機でも原発新設を言い張る安倍晋三! 何度でも言う、福島原発事故の最大の戦犯は津波対策を拒否した安倍だ

2022.03.11 リテラ (エンジョウトオル)

 

東日本大震災・福島第一原発事故から11年。しかし、この間の被災地軽視・棄民政策によって、復興は当初の見込みより大幅に遅れ、いまも3万人以上が避難生活を強いられている。その多くが原発事故による避難者だ。

 さらにロシアによるウクライナ侵略でも、チェルノブイリ原発が占拠、ザポロジエ原発が攻撃・制圧されるなど、あらためて原子力発電所の危険性が浮き彫りになっている。

 ところが、きのう10日の記事(https://lite-ra.com/2022/03/post-6169.html)でもお伝えしたように、逆にロシアのウクライナ侵略を口実に、電力の供給不足やコスト高に陥るなどとして、「原発再稼働」推進を訴える声が自民党、維新などから上がっているその急先鋒である安倍晋三元首相にいたっては、再稼働どころか、原発新設まで言い出しているのだ。

 安倍元首相は「リプレイス(建て替え)も考えなければならない」(2月27日フジテレビ)などとし、次世代原子力である小型モジュール炉への建て替えを主張。火事場泥棒としか言いようがない

 いや、火事場泥棒どころじゃない。あらためて言っておかなければならないだろう。そもそも安倍晋三は、福島第一原発事故じたいを引き起こした最大の“戦犯”なのだ。

 言っておくが、これは歴代自民党政権が昔から原発政策を推進してきたとか、そういう抽象的なレベルの話ではない。もっと具体的かつ直接的なものだ。

 実は、第一次安倍政権だった2006年すでに国会で福島原発事故と同じ事態が起きる可能性が指摘されていた。にもかかわらず、ときの総理大臣だった安倍晋三は、「日本の原発でそういう事態は考えられない」として、一切の対策を拒否していたのである。

 しかも、東日本大震災後、安倍は、原発事故の責任を当時の菅直人首相と民主党政権に押し付け、真実を追及するメディアを「捏造だ!」と恫喝し、自身の重大責任を隠蔽してきた。そして、無反省に原発再稼働や原発輸出という流れをつくりだした。

 本サイトでは3月11日を迎えるたびに、安倍晋三元首相こそが原発事故の“戦犯”であること、そして、その責任を隠すためメディアを黙らせてきたことを記事にしてきた。今年もまたあらためて、その事実をお伝えしたい。

(編集部)

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  • 福島原発事故から5年前、安倍は「全電源喪失はありえない」と地震対策を拒否

 故郷に帰れない多くの被災者を生み出し、放射性物質を広範囲にまき散らし、作物を汚染し、今も国土や海を汚し続けている福島原発事故。

 だが、この国家による犯罪ともいえる重大な事故をめぐって、ほとんど語られてこなかった事実がある。それは、現内閣総理大臣である安倍晋三の罪についてだ。

 こういうと、安倍支持者はおそらく原発事故が起きたときの首相は民主党の菅直人じゃないか、サヨクが安倍さん憎しで何をいっているのか、というだろう。そうでない人も、原発を推進してきたのは自民党だが、歴代の政権すべてがかかわっていることであり、安倍首相ひとりの問題じゃない、と考えるかもしれない。

 だが、福島原発の事故に関して安倍首相はきわめて直接的な責任を負っている。第一次政権で今と同じ内閣総理大臣の椅子に座っていた2006年、安倍首相は国会で福島原発事故と同じ事態が起きる可能性を指摘されながら、「日本の原発でそういう事態は考えられない」として、対策を拒否していたのだ。

 周知のように、福島原発の事故は津波によって全電源が喪失し、原子炉の冷却機能が失われたことが原因で、政府や電力会社はこうした事態を専門家さえ予測できない想定外のことだったと弁明してきた。

 しかし、実際にはそうではなく、原発事故の5年前に、国会質問でその可能性が指摘されていたのだ。質問をしたのは共産党の吉井英勝衆院議員(当時)。京都大学工学部原子核工学科出身の吉井議員は以前から原発問題に取り組んでいたが、2006年から日本の原発が地震や津波で冷却機能を失う可能性があることを再三にわたって追及していた。3月には、津波で冷却水を取水できなくなる可能性を国会で質問。4月には福島第一原発を視察して、老朽化している施設の危険性を訴えていた。

 そして、第一次安倍政権が誕生して3カ月後の同年12月13日には「巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の安全を守ることに関する質問主意書」を政府宛に提出。「巨大な地震の発生によって、原発の機器を作動させる電源が喪失する場合の問題も大きい」として、電源喪失によって原子炉が冷却できなくなる危険性があることを指摘した。

 ところが、この質問主意書に対して、同年12月22日、「内閣総理大臣 安倍晋三」名で答弁書が出されているのだが、これがひどいシロモノなのだ。質問に何一つまともに答えず、平気でデタラメを強弁するだけだったのである。

まさに福島で起きた“バックアップ電源機能不全”の実例を指摘されても安倍は…

 まず、吉井議員は「原発からの高圧送電鉄塔が倒壊すると、原発の負荷電力ゼロになって原子炉停止(スクラムがかかる)だけでなく、停止した原発の機器冷却系を作動させるための外部電源が得られなくなるのではないか。」という質問を投げかけていたのだが、安倍首相はこんな答弁をしている。

「外部電源から電力の供給を受けられなくなった場合でも、非常用所内電源からの電力により、停止した原子炉の冷却が可能である。」

 吉井議員はこうした回答を予測していたのか、次に「現実には、自家発電機(ディーゼル発電機)の事故で原子炉が停止するなど、バックアップ機能が働かない原発事故があったのではないか。」とたたみかける。

 しかし、これについても、安倍首相は「我が国において、非常用ディーゼル発電機のトラブルにより原子炉が停止した事例はなく、また、必要な電源が確保できずに冷却機能が失われた事例はない」と一蹴。

 これに対して、吉井議員はスウェーデンのフォルスマルク原発で、4系列あったバックアップ電源のうち2系列が事故にあって機能しなくなった事実を指摘。「日本の原発の約六割はバックアップ電源が二系列ではないのか。仮に、フォルクスマルク原発1号事故と同じように、二系列で事故が発生すると、機器冷却系の電源が全く取れなくなるのではないか。」と糾した。

 すると、安倍首相はこの質問に対して、こう言い切っているのである。

「我が国の原子炉施設は、フォルスマルク発電所一号炉とは異なる設計となっていることなどから、同発電所一号炉の事案と同様の事態が発生するとは考えられない。」

 吉井議員が問題にしているのはバックアップ電源の数のことであり、原子炉の設計とは関係ない。実際、福島原発はバックアップ電源が全部ダメになって、あの深刻な事故が起きた。それを安倍首相は「設計が違うから、同様の事態が発生するとは考えられない」とデタラメを強弁していたのだ。

 そして、吉井議員がこの非常用電源喪失に関する調査や対策強化を求めたことに対しても、安倍首相は「地震、津波等の自然災害への対策を含めた原子炉の安全性については、(中略)経済産業省が審査し、その審査の妥当性について原子力安全委員会が確認しているものであり、御指摘のような事態が生じないように安全の確保に万全を期しているところである。」と、現状で十分との認識を示したのだ。

 重ね重ね言うが、福島原発が世界を震撼させるような重大な事故を起こした最大の原因は、バックアップ電源の喪失である。もし、このときに安倍首相がバックアップ電源の検証をして、海外並みに4系列などに増やす対策を講じていたら、福島原発事故は起きなかったかもしれないのだ

 だが、安倍首相はそれを拒否し、事故を未然に防ぐ最大のチャンスを無視した。これは明らかに不作為の違法行為であり、本来なら、刑事責任さえ問われかねない犯罪行為だ。

 ところが、安倍首相はこんな重大な罪を犯しながら、反省する素振りも謝罪する様子もない。それどころか、原発事故の直後から、海水注入中止命令などのデマをでっちあげて菅直人首相を攻撃。その罪を民主党にすべておっかぶせ続けてきた

安倍が責任逃れのためにぶちまけたメディアへの恫喝、お得意の「捏造だ」攻撃

 その厚顔ぶりに唖然とさせられるが、それにしても、なぜ安倍首相はこれまでこの無責任デタラメ答弁の問題を追及されないまま、責任を取らずに逃げおおせてきたのか。

 この背景には、いつものメディアへの恫喝があった。

 実は、下野していた自民党で安倍が総裁に返り咲いた直後の2012年10月、「サンデー毎日」(毎日新聞社)がこの事実を報道したことがある。1ページの短い記事だったが、本サイトが指摘したのと同じ、共産党の吉井英勝衆院議員(当時)の質問主意書に対して安倍首相が提出した答弁書のデタラメな内容を紹介。吉井議員のこんなコメントを掲載するものだった。

いくら警告しても、マジメに対策を取らなかった安倍内閣の不作為は重大です、そんな安倍氏が総裁に返り咲いて首相再登板をうかがっているのは、本人も自民党も福島事故の責任を感じていない証拠でしょう

 ところが、これに対して、安倍は大好きなFacebookで、こう反撃したのだ。

「吉井議員の質問主意書には『津波で外部電源が得られなくなる』との指摘はなく、さらにサンデー毎日が吉井議員の質問に回答として引用した政府答弁書の回答部分は別の質問に対する回答部分であって、まったくのデタラメ捏造記事という他ありません」(現在は削除)

 出た、お得意の「捏造」攻撃(笑)。だが、「サンデー毎日」の報道は捏造でもなんでもなかった。たしかに安倍首相の言うように、吉井議員が質問で外部電源が得られなくなる理由としてあげたのは、津波でなく「地震で送電鉄塔の倒壊や折損事故」だった。しかし、だったらなんだというのだろう。そもそも、吉井議員が問題にしていたのは外部電源が得られなくなる理由ではなく、外部電源が得られなくなった場合のバックアップ(非常用)電源の不備だった。

 吉井議員は質問主意書の中で、バックアップ電源4系列中2系列が機能しなくなったスウェーデンの原発事故を引き合いに出しながら、日本の多くの原発が2系列しかないことを危惧。2系列だと両方とも電源喪失して原子炉を冷却できなくなり、大事故につながる可能性があると指摘した。

 それに対して、安倍首相が「我が国の原子炉施設で同様の事態が発生するとは考えられない」と回答したのだ。福島原発の事故はまさにバックアップ電源が喪失したことで起きたものであり、その意味で「サンデー毎日」の「津波に襲われた福島原発を"予言"するような指摘を、十分な調査をせずに『大丈夫』と受け流した」という記述はまったく正しい。

 もし、質問主意書が地震でなく津波と書いていたら、安倍首相は、バックアップ電源の検証を行って、2系列を海外並みの4系列にするよう指導していたのか。そんなはずはないだろう。

 ようするに、安倍首相は自分の責任をごまかすために、枝葉末節の部分をクローズアップし、問題をスリカエ、「記事は捏造」という印象操作を行っているだけなのだ。

 だいたい、これが捏造だとしたら、メルマガで「菅直人首相の命令で福島原発の海水注入が中断された」というデマを拡散した安倍首相はどうなのか、と言いたくなるではないか。

安倍の盟友・甘利明がテレ東にしかけたトンデモ抗議と、法廷で明かされた真相

 だが、こうした卑劣な責任逃れを行っているのは安倍首相だけではない。実は安倍首相の捏造攻撃にはお手本があった。それは安倍の盟友の甘利明・経産相がその少し前、テレビ東京に対して行っていた抗議だ。前述した安倍首相のFacebookの投稿はこう続けられている。

「昨年テレビ東京が安倍内閣の経産大臣だった甘利代議士に取材した放送で同様の虚偽報道がされたそうです。

 甘利事務所は強く抗議し、テレビ東京が「質問主意書には、津波で電源を失う危険性についての記述はないにもかかわらず、放送では、その危険性があるかのような誤った認識の下、自民党政権の原子力政策に関する報道を行いました」として、虚偽内容の放送であったことを認め、放送法第4条に基づく訂正放送をしたとのことです

 天下のサンデー毎日がすでに訂正放送を行い、謝罪したテレビ局と同じねつ造をするとは(笑)」

 安倍が「同様の虚偽報道」としているのは、2011年6月18日放送の『週刊ニュース新書』(テレビ東京系)のことだ。同番組は原発事故の責任を検証する企画で、第一次安倍内閣でも経産相をつとめ、原子力行政に深くかかわっていた甘利をインタビューし、その際にやはり吉井議員の質問主意書に対する安倍首相の答弁書の問題を追及した。すると、突然、甘利が席を立って、別室に姿を消した。そして、記者にテープを消し、インタビューを流さないように要求したのである。

 テレ東の記者は当然、その要求を拒否。番組では、甘利議員がいなくなって空席となった椅子を映し「取材は中断となりました」とナレーションとテロップを入れて放送した。

 これに対して、放映後、甘利事務所がテレビ東京に抗議してきたのだ。しかも、テレビ東京が完全謝罪を拒否したところ、甘利は東京地裁にテレビ東京と記者3名を名誉毀損で訴えたのである。

 ちなみにこの法廷では、テレビ東京の記者の意見陳述で、甘利元経産相のとんでもない本音が暴露されている。

 甘利元経産相は別室に呼び出した記者に、「これは私を陥れるための取材だ。放送は認めない。テープを消せ」と何度も恫喝し、それを拒否されると、逆ギレしてこう叫んだのだという。

「何度も言うが、原子力安全委員会が安全基準を決める。彼らが決めた基準を経済産業省は事業者に伝えるだけ。(中略)大臣なんて細かいことなんて分かるはずないし、そんな権限がないことくらい分かってるだろう。(質問主意書への)答弁書だって閣議前の2分間かそこらで説明を受けるだけだ」

原発は全部止まる。企業はどんどん海外へ出て行く。もう日本は終わりだ。落ちる所まで落ちればいい。もう私の知った事ではない

スラップ訴訟でマスコミは完全に萎縮、いまなお放置され続けている安倍の罪

 これが、経産大臣として原子力行政を司った人間の言葉か、と耳を疑いたくなるが、この裁判にいたる経緯からもわかるように、甘利サイドの抗議、訴訟のメインは質問主意書の内容が「津波でなく地震だった」という話ではなかった。いきなり質問主意書を持ち出してきたことがルール違反だ、自分の承諾なしにインタビューを放映した、自分が逃げたという印象を与えるような報道をされたことが「名誉毀損にあたる」と訴えてきたのである。

 ただ、それだけでは大義がたたないために、テレ東が番組で、「津波による電源喪失を指摘」と報じていたことをとらえ、今回の安倍首相と同じく「質問主意書には津波のことは書いていない」とついでに抗議したのだ。

 そういう意味で、甘利の抗議と訴訟は明らかなイチャモンであり、スラップ訴訟としか思えないものだった。そもそも、甘利や安倍は吉井の質問主意書に津波のことが書いていないというようなことをいっているが、実際は、津波によって冷却機能喪失の危険性を指摘する記述がある。

 だが、弱腰のテレビ東京は、訴訟を起こされる前になんとかなだめようと、地震を津波と間違えた部分だけを訂正してしまった。その結果、訴訟でもほとんどのところで甘利側の言い分が却下されたが、この枝葉末節の部分をテレ東がすでに間違いを認めているとみなされ、330万円の損害賠償金がテレ東側に命じられた(もちろん、この判決の背景には政治家が起こした名誉毀損訴訟についてほとんど政治家側を勝たせ続けている裁判所の体質もある)

 しかも、テレ東は現場の意向を無視して控訴を断念。報道そのものが「虚偽」「捏造」だったということになってしまった。

 ようするに、安倍首相はこのオトモダチ・甘利が使ったやり口をそのままならって、責任追及の動きを封じ込めようとしたのである。しかも、テレ東がお詫びを出したという結果をちらつかせることで、他のマスコミを封じ込めようとした。

 実際、「サンデー毎日」はさすがにお詫びを出したりはしなかったが、新聞・テレビはすでに甘利のスラップ訴訟で萎縮していたところに安倍の捏造攻撃が加わり、この問題を扱おうとする動きはほとんどなくなった。

 そして、翌年、第二次安倍内閣が発足すると、安倍首相はこれとまったく同じ手口で、自分に批判的なマスコミを片っ端からツブシにかかった枝葉末節の間違いを針小棒大に取り上げて、「捏造」と喧伝し、批判報道を押さえ込む――。さらに、読売、産経を使って、菅直人元首相や民主党政権の対応のまずさを次々に報道させ、完全に原発事故は菅政権のせいという世論をつくりだしてしまった

 こうした安倍首相とその仲間たちの謀略体質には恐怖さえ覚えるが、もっと恐ろしいのは、彼らが政権をとって、再び原発政策を決める地位にあることだ。不作為の違法行為によってあの苛烈な事故を引き起こしながら、その責任を一切感じることなく、デマを流して他党に責任を押しつける総理大臣。そのもとで、反対を押し切って進められた原発再稼働。そして、まさかの原発新設議論の着手……。

 このままいけば、“フクシマ”は確実に繰り返されることになる。