
2025年8月16日(土)。五山送り火(ござんのおくりび)。如意ヶ嶽(大文字山)の大文字。出町橋。
五山送り火は、毎年8月16日に、「大文字」(京都市左京区浄土寺・如意ヶ嶽。20時00分点火)、「松ケ崎妙法」(京都市左京区松ヶ崎・西山及び東山。20時05分点火)、「船形万灯籠」(京都市北区西賀茂・船山。20時10分点火)、「左大文字」(京都市北区大北山・大文字山。20時15分点火)、「鳥居形松明」(京都市右京区嵯峨鳥居本・曼荼羅山。20時20分点火)の五山で炎が上がり、お精霊(しょらい)さんと呼ばれる死者の霊をあの世へ送り届けるとされる。
「大文字焼き」と俗称されていたが、1990年頃に日本文化史・茶道史の熊倉功夫教授が「今川焼のような焼き菓子みたいな表現ではなく、五山送り火が正しい表現だ」と指摘していたことを思い出す。
毎年ニュースで映像を見ているので、京都周辺での宿泊を要するイベント見学は避けていたが、8月6日にふと思いついて、トラベルコで8月16日(土)の安宿を探すと、7月15・16日に宿泊した祇園近くのホステル祇園 SORAが2460円で予約できた。宿泊税200円は現地で追加払い。
どこで見るかを検索すると、有料であれば五山全部を見られる場所もあるが、一般的には、京都御所の東側が「大」を見るポイントらしい。次に、京阪出町柳駅付近の河合橋だと、「大」と「妙法」の「法」が見られるらしい。宿から京阪三条まで徒歩10分程度なので、河合橋に行くことにした。
16日夕方からの行事なので、それ以外にどうするか。京の夏の旅の特別公開をチェックして、京都駅に近い「東本願寺御影堂門」と宿に近い「先斗町歌舞練場」を見学して、宿にチェックインすることにした。
17日(日)は、猛暑でも大丈夫な電車の乗り鉄の旅にすることにして、出町柳駅から叡山電車の鞍馬駅経由で八瀬駅から比叡山ケーブル・ロープウェイで比叡山頂上に行き、東塔バス停から坂本ケーブルまで歩きケーブルで坂本に降って、京阪電車比叡山坂本駅からワンデーフリー券で京津線の御陵駅、石山坂本線の石山寺駅へ行き、京阪石山駅でJR石山駅からJR東海道線に乗り換えて、名古屋まで帰るという行程にした。
JRは身障者半額なので、大曾根・京都が1310円、石山・名古屋が1160円。坂本ケーブルが半額で440円。残りは通常運賃で、京阪びわ湖1日観光チケットは700円。比叡山ケーブル・ロープウェイは1000円。
地域一帯がテーマパークとすれば、アトラクション料金として納得できる消費額である。
東本願寺。御影堂門。
8月16日(土)、名古屋の自宅を7時30分頃に出て、JR東海道線に乗り京都駅に10時50分頃に着いた。東本願寺は家の宗派であるので、5回程度は参拝し、渉成園も母親と見学している。通常は京都駅から歩くのだが、バスに乗ろうかと迷ったが歩くことにした。
御影堂門をくぐった南側階段下に特別公開の受付があった。料金は800円であるが、ひょっとしてと思い、障害者割引はあるか尋ねると半額となるといい驚いた。800円が400円になった。1980年代に毎年のように秋の特別公開に通ったが、当時は500円だった。最近は、1000円に値上がりしており、見学したことのある塔頭なども多いので、あまり関心がなかったが、半額であれば再訪してもいいかなと思った。
たまに、楼門の上階を見学することはあるが、久しぶりだ。
京都タワーはロウソクの形だという。
室内には釈迦如来三尊像が安置されている。
見学後、両堂に参拝し、参拝者控室で休憩し昼食のパンを食べた。
見学後地下鉄五条の駅まで歩いたが、猛暑は危険だ。頭痛がしたので軽度の熱中症かと思ったぐらいだ。
地下鉄五条駅に着いたが、先斗町へは河原町三条までバスに乗ることにした。
「先斗町歌舞練場」は、祇園祭のときに場所を知ったが、特別公開をしていたとは知らなかった。受付で400円を払うと、スタンプ用紙はあるかと尋ねられた。2か所のスタンプ印があると、ソフトクリームやアイスコーヒーなどを無料でいただけるチケットがもらえるという。16ある店は京都各所に散在している。翌日、出町柳駅に近い旧三井家下鴨別邸の喫茶室で抹茶シューアイスを食べた。ここは、施設入場料が必要だが、2年前に見学したことがあり、身障者無料と知っていた。
「先斗町歌舞練場」1階奥から鴨川。三条大橋。
2階観覧席。
3階廊下。映画「国宝」のロケ地。
見学後、河原町通りに戻り、業務スーパーで夕食・朝食などを購入して三条大橋・祇園経由で新橋通りにある宿へ行き16時ごろにチェックインした。大文字送り火は20時からで河合橋へは30分もあれば着ける。
ゲリラ豪雨の時期なので雨雲レーダーをチェックしたり、食堂で夕食を食べながらタイミングを見計らった。
17時ぐらいから雨雲が湧き出した。18時を過ぎても、ゲリラ的に不規則に動いていた。18時30分頃にいったん止んだので、折り畳み傘を持参のうえ宿を出て、京阪の三条駅に向かった。
19時前、出町柳駅に着くと、河合橋への出口付近は混雑しており、警察が道路規制を始めていた。
河合橋を西に歩くと、「デルタ」が閉鎖されかかっていて、かろうじて入ることができた。「デルタ」という地名は初めて聞いた。東の高野川と西の賀茂川に囲まれた三角州を指すという。折り畳み椅子は持っていないので、道路に近い記念碑の土台石に座って20時を待った。
警官たちが、デルタは入場規制のため、入れないので、西の(賀茂川)河川敷へ向かえと通行人に怒鳴っていたが入口では、言い争いのような光景になっていた。ただ、警備上の抜け穴があって、欧米人10人ほどが、道路横に腰掛けながら体を転換してデルタに入ってきたのが笑えた。
19時半現在、京都府南部に大雨警報が発令されたという。雨が時折降ってきたので傘をさしてしのいだが、強い雨ではなかった。雨雲レーダーで見ると京都御所付近が強雨域になっていた。警官は河川敷が増水になると移動してもらうと脅していた。
デルタは、樹木が繁茂しており、下の河原も対岸のビル群にさえぎられて見えないのではないかと危惧していた。
19時55分になると騒がしくなり、20時になると点火されたようだが、河川敷上部からは、はっきり見えなかった。
道路側に近い場所に戻ると、樹木の間にはっきり見える場所があった。
20時10分ごろ、賀茂川の河川敷へ向かうことにした。
西の橋(出町橋)を渡ると、東方向に大文字がバランスよく見えていた。橋の欄干側は立ち止まって撮影する人が多い。警官も分かっているので、よほど混雑がひどくなければ黙認してくれている。
デルタよりも賀茂川の河川敷のほうが見学好位置だったが、その河川敷には規制で入れなかったが、西詰の入り口付近が一番よく見えた。そこからUターンして東の河合橋方面へ戻っていった。
河合橋の中途を過ぎると、上流側に「妙法」の「法」が見えてきた。情報は本当だった。「妙」が灯る山とは離れているので「法」しか見えない。
河合橋を渡り終わると、20時30分に近くなっており、通路規制もあって出町柳駅周辺は大混雑になっていた。
三条駅で下りて、途中「ローソン100」によって朝食用の弁当とアイスクリームを買った。21時過ぎに宿へ帰った。
京阪電車・叡山電鉄出町柳駅。
8月17日(日)。7時30分過ぎに宿を出て、出町柳駅に向かった。
河合橋東詰。
河合橋と「デルタ」。樹木のある台地と下の河川敷は観客が密集していた。
河合橋中ほどから上流方向。昨夜は「法」が見えていた。
出町橋東詰とから賀茂川河川敷。昨夜は観客が密集していた。
出町橋西詰から大文字山方向。
大文字山。
出町橋西詰から賀茂川河川敷への降り口。ここのベンチが最高の見学場所だろう。
9時過ぎに、旧三井家下鴨別邸へ行き、喫茶室で抹茶シューアイスを食べた。
出町柳駅9時30分発の叡山電鉄鞍馬行に乗車。
叡山電鉄鞍馬駅。
叡山電鉄八瀬比叡山口駅。宝が池駅で乗換え。
叡山ケーブルから乗り継いだ叡山ロープウェイから岩倉方面を見下ろす。
山頂駅から「比叡山頂」停留所へ歩いてシャトルバスに乗り、東塔バス停で下車して坂本ケーブル延暦寺駅まで歩く。11時30分が発車した直後に着いたので、12時の発車まで待つ。
ケーブル延暦寺駅。
ケーブル延暦寺駅。2階から琵琶湖方面。
ケーブル坂本駅から連絡バスで京阪石山坂本線の坂本比叡山口駅へ。
坂本比叡山口駅。
無人駅なのでワンデーフリー券は販売していなかった。インターホンで連絡すると、浜大津駅で購入するよう案内された。
石山寺駅。
12時45分頃、浜大津駅でワンデーフリー券を購入。駅周辺を眺めようとしたが、豪雨のため断念。京津線(けいしんせん)の御陵駅まで往復。浜大津駅で石山寺駅行きに乗車。短時間駅を出たのち、石山駅まで乗車。JR東海道線へ乗換えて、名古屋駅へ16時ごろ帰った。