木全賢のデザイン相談室

デザインコンサルタント木全賢(きまたけん)のブログ

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デザイナーにKISS!

2005年12月01日 | デザイナーとの付き合い方(相談室)



◆デザイナーにKISS!
209:【デザインのコツ・デザインのツボ100連発!】第9発 商品企画


 「無料なんでも相談室」なので、ついでに無料でデザインのコツやツボをお教えしちゃいます。目指せ、連載100回!毎週更新です。

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Keep it simple, stupid

 "Keep it simple, stupid(バカみたいにシンプルにしろ)"。略して"K.I.S.S."。昔からあるセールス・マーケティングの金言です。セールス・マーケティングに限らず、商品企画にも設計にもデザインワークにも、どんな場面でも有効なアドバイスですよね。

 ネットで検索すると、ソフトウエア業界でも、CM業界でも格言として使われているようです。

 初めて聴いたのは、社会人になりたての20数年以上前でしょうか?商品企画もデザインもよくわからない頃に聴いたのに、瞬間に頭に入り、うまいことを言うもんだと感心した覚えがあります。

 "stupid"が効いてますよね。どうすればいい商品ができるのか、よく売れるのか、散々悩んでいる人に向かって、親愛の情を込めて、「馬鹿だなあ、もっと単純に考えなさい」と言っているようなニュアンスを私は感じます。


デザイナーにKISS

 何にでも効くK.I.S.S.ですが、ここでは、外部デザイナーに仕事を依頼する場合について書いてみましょう。

 外部デザイナーに仕事を発注し、対価に見合う成果を得るためには、企業にもそれなりの準備をしていただかなければなりません。対価とのバランスで言えば、企業サイドの準備が整っているほど、費用は少なくて済みます。

 反対に、本気で「なんでもいいから売れるデザインにしてくれ」というように、丸投げをするつもりなら、かなりの出費を覚悟してくださいね。丸投げを受けてくれる大手デザイン事務所もありますが、費用は数百万円、数千万円単位です。

 閑話休題。

 さて、企業の準備ですが、極めて単純です。(でも、すごく難しいことですが。)

 外部デザイナーに求めている最も大切なことを一つ、明確にすることです。

・商品コンセプトならば「最大の売り」1つ
・キーワードならば
  「名詞(動詞)一つか、40文字以内の文章」
・使い勝手がいいならば、その「操作性」1つ
・機能ならば「基本機能」1つ
・形ならば「基本形態」1つ
 などなど

 上のうちの1つだけでいいです。2つでも3つでも全部そろっていてもいいです。でも、最大の売りが10個あったり、基本機能が30あったりするのはだめです。

 1つの最大の売り、1つのキーワード、1つの操作性、1つの基本機能、1つの基本形態、等など、新開発商品に込める最も大切なことを、絵や形にしてほしいと依頼してください。


窓口もひとり

 そうそう、もうひとつ大切なことを忘れていました。

 外部デザイナーの窓口担当者は必ずひとりに決め、業務が完了するまで、担当者は変えないでください。

 初めて外部デザイナーに仕事を依頼するような場合、企画部の部長さんや社長さんが直接、デザイナーの窓口になってくださる場合もあるようです。その意気込みは、大変すばらしいと思います。

 でも、実際に業務が始まると、部長さんや社長さんは忙しい方達ですから、毎回の打ち合わせに顔を出すことができず、部下にデザイナーの対応を任せざるを得ない場面も出てきてしまいます。

 対応を任された部下の方は、今までの詳細な経緯がわからないため、結局、業務の進行が遅れたり、方針があいまいになり、デザインの詰めが甘くなったりします。

 ですので、是非、窓口担当者はひとりに決め、業務が完了するまで、担当者は変えないでください。

 決して、「部長さんや社長さんは、デザイナーとの打ち合わせに顔を出すな」といっているわけではありません。デザイナーも意思決定者の方と、直接お話できるほうが良いに決まっています。打ち合わせに顔を出していただくのは大歓迎です。

 ただ、毎回必ず打ち合わせに出席される担当者の方を決めていただきたいだけです。そのほうが、業務はずっと円滑に進行します。



 これが、デザイナーへのK.I.S.S.です。そうすれば、デザイナーも仕事が進めやすく、商品をイメージしやすく、対価以上の成果物を持ってきてくれると思います。

 デザインコンサルタントと契約をされているなら、外部デザイナーへの依頼事項のまとめ方は、十分に相談してください。成果の出来は、依頼内容の明確さと担当者の熱意次第です。


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