木全賢のデザイン相談室

デザインコンサルタント木全賢(きまたけん)のブログ

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デザインも基本は事業計画書 (その1)

2012年10月16日 | デザイナーとの付き合い方(相談室)
<桑沢グランプリの審査員をしました>


◆デザインも基本は事業計画書 (その1)
89:【デザイン相談室】第89発


 こんにちは!
 中小企業のデザインコンサルタントの木全(キマタ)です。
 中小企業の方々に向けて工業デザインのエッセンスについて、毎週更新してお知らせしています。

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ブログ更新できず!(涙)

 7年間、盆と正月以外欠かさず更新してきたのですが、先週更新をさぼってしまいました。8年目突入の報告をしたばかりなのに。。。。。とほほ

 忙しくなったのは、デザイン学校3校での後期授業4コマが始まったことと、毎週名古屋に通う仕事と広島県の産業振興のお手伝いが始まったからですが、それに加えて、東京理科大学専門職大学院でのセミナーや桑沢デザイン研究所の学園祭のデザインコンペ「桑沢グランプリ」の審査員などが重なったためにバタバタしてしまいました。

 もちろん本業のデザインコンサルタントのお仕事も数件動いています。

 このところブログの更新ができないほど仕事が忙しかった。とてもありがたいことです。
 でも、今週から毎週更新できそうですので、今後ともご贔屓下さい。



基本は事業計画書

 大学院でのセミナーでは、中小企業のデザイン導入事例の話をしたのですが、セミナー後の質疑応答で、中小企業からの製品デザイン開発のコンサルタント業務を請ける際の判断基準を聞かれました。

 その際、「性能やアイデアの良しあしも大切な判断基準だが、それよりも事業計画書の内容を優先する」と答えました。


 実は、BtoBの中小企業が活路を求めて、BtoCのアイデア商品を考える場合、ほとんど事業計画書がありません。

 それも仕方のないことだ、とは思います。

 というのも、BtoBでの下請業務は、発注書とおりに製造し納品すれば、必ず報酬が得られる仕事だからです。

 つまり、作った製品が売れないとか、在庫があふれるという状況は基本的にはありえません。

 だから、BtoBでの下請業務に長年従事していると、冗談ではなく、どんな製品でも自分が作れば、在庫も残らずすべて売れると考えてしまうようなのです。

 全部売れれば必ず儲かるわけですから、事業計画書などなくて当たり前です。

 しかし、まったく残念なことですが、競合商品があふれるBtoC市場で、知名度のない中小企業が初めて作った製品を、在庫も残さず売り切るなんて、奇跡に近い。

 というわけで、事業計画書なしで、BtoCの製品開発に乗り出すのは無謀だと考えています。

 したがって、中小企業からの製品デザイン開発の依頼を請けた際には、基本的には事業計画書の内容を受注の判断基準にしています。



大事なのは数字

 とはいいつつ、もともと事業計画書はありませんから、最初の打合せの際に、以下の数字についての心づもりを、それとなくお聞きするようにしています。

 売上目標 (単年もしくは3年程度)
 利益率
 希望販売単価
 ターゲットユーザーのイメージ(性別、年齢、年収)
 人件費(専任担当者の人数、専任時間)




 そして、次のような場合には、お断りするようにしています。

【売上目標】
 BtoBの場合、業界にもよりますが、1件あたりの受注金額は決して小さくありません。小さくても100万円、大きいと数億円。従って、売上目標に1000万円~1億円という金額が出てくる場合が多いようです。
 (もちろん、新規事業を始めるのですから、そのくらいの意気込みは必要です。)

【利益率】
 利益率も所属する業界の標準で設定される場合が多いようです。
 一般的にBtoBよりもBtoCのほうが利益率は高くなっています。BtoCがハイリスクハイリターンといわれる所以です。

【希望販売価格】
【ターゲット】
 希望販売価格とターゲットについては、あまりイメージできていない場合が多いのですが、アイデア商品の場合、店頭小売価格がワンコイン(500円)前後で、ユーザーは日本人全員という感じが多いようです。

【人件費】
 人件費は、担当者一人の空いた時間。忙しくなれば専任になるけれど、今は既存業務が忙しいという場合が大半です。



 では次回、上記のパターンの場合、なぜデザイン業務を請けないのかご説明しようと思います。

(この項、つづく)


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