アンドリューNDR114

この前の日曜にMoviePlusでしていた「アンドリューNDR114」を見た。この映画を見るのは2度目だが、デザイナーという職業を志してからははじめて。久々に見て、なんというか、、、感動した。ロボットとの共生の未来予想図というべき映画か。それとも生命の尊さを訴える映画なのか。僕はその両者を兼ねた感動のヒューマンドラマであると思う。
人はいつか死を受け入れ、形無き存在へと。そして見えない思い出としてだけその存在を主張するのみである。しかし、モノはそうじゃない。寿命はあれど、壊れても修理すればいくらでも復元が可能である。アンドリューの人生(機械生!?)は、人と同等の生活環境を真当していようと、人と同じようにその生涯に終わりがない事が不自然であった。ただそれだけの事。そこにモノと人との関係性を垣間見た気がした。
日々、何かが生まれるモノがあり、日々何かを忘れて行く世の流れに、デザインという存在のありかのヒントを、アンドリューが投げかけていたのかも知れない。モノ(デザイン)は必要とすべき存在(人間)を失うと、その居場所をも失う。モノに寿命があるということはなんら不自然でなく、むしろモノとの別れは必然であるのかも。。やはりデザインは人との関係性にのみ存在しえるのだと改めて感じた。当たり前の事かもしれないが、この大前提を忘れているデザインも少なくないことも事実である。

結局何が言いたいのか自分でも整理が付かないが、ただ「モノ(デザイン)と共に生き、それらを大切にしてほしい」というだけ。勝手な独り言でした。

「アンドリューNDR114」公式サイト
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ならまち


先々週、奈良公園・ならまちに行ってきました。
大阪に長年住んでいながら、あまり奈良に遊びに行くということがなかったのですごく新鮮な気分でした。(そんな風に感じる大阪人は多いはずなのでは!?)奈良といえば「奈良漬け」「鹿」というイメージしかなかった。ならまちはそんなに古い町並みではないが、どこか小京都のような雰囲気に似た、時間のゆっくりとした感があり癒しさえおぼえました。(普段、都会のど真ん中で働いているせいもあり…!?)
ならまちの路地裏を歩いていると室外機の上で優雅に寝転がって熟睡しているにゃんこに出会いました。写メっても気付かないほど熟睡状態…、あ~こんな風に自由に優雅に生きたいなあって本気で思いました。ならまちってそんな時間が流れてるまちなんです。普段(特に最近)時間に追われる日々が続いている中、このゆったりとした町の雰囲気に、「ちょっとまて!ゆっくり休むことも大事だよっ」という風に言われた気がした。デザイナーは数あるありふれた日常の一片から、様々なことを感じ、刺激を受け、吸収し、デザインのアイデアのフィルタ~を広げてくことが大事だと考えています。そんな特性の職業であるからこそ、忙しさと同時に感性フィルターを広げるチャンスをも失っていては絶対にいけないと思う。そんなことを思い出させるキッカケがならまちのいたるところに存在していた気がした。
あのにゃんこの表情は今の僕にはないと思う。それだけ余裕がない状態である。明日からは仕事の忙しさも和らぐ。デザインの種を捜し出すチャンスの時間を大切にしたいと思う。

久々のカキコでした…(昨日の会議のためにこの半月は忙しくって…)
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クローサー

愛が絡み合う!?そんな“大人な恋愛ドラマ”
アリス(ナタリー・ポートマン)が言った「その愛の形を見せてよ。どこにも見えないし、触る事もできないし、何も感じない。」というフレーズ。愛の形なんて確かに手にとったり見る事はできない。だからこそ、どう表現するか。どういう風に愛情を伝えるか。その方法一つの相違で、想いは絡み合ってしまう。ダン(ジュード・ロウ)はその表現の仕方に優柔不断な部分と、相手の想いを受け取る器の無さが自分自身を苦しめる事になったのだと思う。ラリー(クライブ・オーウェン)は露骨過ぎるほどの不器用な愛情の表現の仕方だったが、それでも必死で目では見えない“愛”という形を伝えようとした事でアンナ(ジュリア・ロバーツ)の気持ちを引き止めたのだろう。
ただ感じたのは愛の形の表現は“信じる事”のみだと思う。愛する人を疑うということは、その時点でどこかで相手を否定したり拒否したりと、雑音が常に付きまとう関係にしかなくなる。愛の形なんて見えない。しかし信じることは以外に難しい事だと感じている。人間は過去や未来に拘る唯一の生命体であるが、それは恋愛にとって最も邪魔な事じゃないかなと思う。今を信じて愛する事を忘れないでほしいと思う。

デザインというのはいかに説得するかである。いかに必要であるかを伝えなければならない。過去はこうだったから、未来はこうなるからというのも大事だが、デザイナーが最も伝達すべき事は「今、あなたにとってこれが必要なんだ」ということを伝える事だ。迷いがあってはならない。疑いがあってはならない。(見せてはいけないというのが正しい表現!?)どんなに良いデザインでもヒットする確証なんてどこにもないのだから「期待してみよう」とか「これに賭けてみよう」と心を動かせるように必死にならないといけない。何も感じないようなデザインやプレゼンではクライアントはアリスのように去って行ってしまうだろう。“信じさせる事”が一番大事。デザインというのは。


クローサー公式HP
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