ある司法書士の修行時代

司法書士の修行の日々に思う徒然事

窓辺のカフカ

2005-07-25 01:36:32 | 司法書士
「そして、僕は恋をする」
というクソ長いフランス映画があった。
監督は今トリュフォーの誉れも高いアルノー・デプレシャンだったと思う。
内容は…忘れた。

僕は映画好きだが、恋愛映画は殆ど観ない。
興味がないというより共感のしようのなさを痛感するからなんだが…
だけれども、愛に関する映画は好きだ。

「グッドモーニング・バビロン」は映画愛に関する映画だったし、
「愛に関する短いフィルム」なんてのはずばり〝愛〟そのものに迫った映画だ。
だいたい「愛に関する短いフィルム」なんてのが好きな点が、
映画を知ってる人から見れば僕の気質や性質に通底する青くささを窺知されかねない。

「紹介してやる」とはたまに言われるが、エヘヘッで済ます。

司法書士は人を疑ってナンボ、とはよく言われる(かどうかは知らない)。
職業として人を疑うのは、割り切ってるからマシだろう。
僕は、そもそも人を信じてないな。
信じるとか、信じないとか関係ない生き方ができればいいのだが、
それができないから信じるとか、信じないとか関係あっても、
自分が傷つかないだけの距離感を常に他人との間で保っているような…

カフカの名作「城」の主人公は測量士だ。
城から依頼されてその土地にやってきたのだが、段取りが分からず、
城に接近しようとする、が、どうやっても近づけない。
内に事務所にも測量士さんは何人かいるが、
飲み会の席で打ち解けても翌日になると、
打ち解けてない僕との距離を彼らが感じて、
「クナッパーツブッシュ(仮名)君って、カフカの城みたいな人だね」
と思ってるかどうかは、知らない。
というのは嘘で、思ってないことは知っている。