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泰西古典絵画紀行

オランダ絵画・古地図・天文学史の記事,旅行記等を紹介します.
無断で記事を転載される方がありますが,必ずご一報下さい.

自然の驚異を求めて 日原鍾乳洞

2010-10-03 18:38:43 | 行ってきました(美術展以外)
 先日の日曜,学芸員のかねてからの希望で東京は西の外れにある日原鍾乳洞に出かけてきました.都内からは青梅特快で青梅駅で奥多摩行きに乗り換えですが,奥多摩行きは日中1時間に2本ほどしか出ていません.さらに奥多摩駅からは西東京バスに乗るのですが,11時発に乗り遅れたので次は0時55分,駅の近くに自然観察センターがあったので,そこで昼食のお勧めを伺って二時間近くをのんびり待ちました.
 
奥多摩駅の前から鍾乳洞行きのバスが出ます. 途中は緑深い山道を進んで登山口を過ぎ,約20分....
 
長いトンネルを抜けると.... 休日は東日原バス停止まり. そこから,さらに30分近く歩きます(雨が降りそうだとさっさっと先を急ぐ学芸員が右端に米粒のように見える)
  
左手にとんがり山が見え,鍾乳洞特有の石灰岩の地形だとわかります.沢に架かる橋を越えて右手に曲がると,鍾乳洞に下る道が見えてきます
 
入り口はせせらぎの向こう,回りは全て石灰岩
 
いよいよ洞窟探検!  途中,蓮華岩,格天井,船底石,天井知れずを過ぎると水琴窟があります.
 
下ると三途の川があり,大広間を抜けて右手に十二薬師(昔12本の鍾乳石が垂れ下がっていたところ)
 
公開されている最奥部の大広間の奥側       大広間の奥から入り口側を望む
  
最奥部の縁結び観音             岐路左に入ると新洞,精進坂はひたすら急勾配の上りが続く
 
上りきると大天井に鍾乳石の石筍が(採られないように金網に囲われていますが)続いて白滝と竜王の間
 
後はひたすら下ると出口へ            汗だくになった後はアイスがおいしい!

 帰路はまた東日原のバス停へ向かいましたが,すでに待合客の長蛇の列が出来ていました.西東京バスの粋な計らいで,バスは二台が用意され,何とか座って帰ることができましたが,途中の川乗橋バス停から乗られた下山の方々は立ったままでした.奥多摩からはホリデー快速がでていたので,新宿まで乗り換え無しでした.行き帰りに日に数本でていて,バスとの接続も良いようなので,よく調べていかれることをお勧めします.

 じつは,平日は鍾乳洞バス停まで走っているのに休日はなぜ途中までなのか以前から疑問に思っていたのですが,山間の道は二車線がとれず対向車との離合がかなり困難で,休日の一般車増加に対する配慮であることがわかりました.

 数年前に山口の秋芳洞に行きましたがそこは広さと奇観に優れ,子供の頃に行った土佐の龍牙洞は鍾乳石のライトアップの美しさが記憶に残っていますが,両者は観光地化されているのに対し,日原はそこに残る鍾乳石こそ地味であるものの洞窟の素朴な探検気分はなかなか楽しめるところでした.これからは紅葉の季節,都内から日帰りで自然を満喫に行くには格好の場所だと思います.

都立現代美術館 久しぶりにランチと読書

2009-06-11 19:08:58 | 行ってきました(美術展以外)
 今日の午後は時間が出来たので,1年ぶりくらいですが都立現代美術館に行ってきました.職場が5,6年前に移転して以前は徒歩7分のところだったのですが,一日中座り仕事で最近メタボが悪化しているので小一時間くらい歩こうと思い立ち,ランチをかねて出かけました.新しい職場から歩いていくのは初めてでイースト21まで出てしまい戻りつつ西に向かってようやく到着.本当に往復1時間になってしまいましたが,正味45分で往復できるようです.

 ここのレストランはまた変わっていて3月からCONTENT=コントンになっています.多分4-5代目と思われますが,初めのころの定食風のメニューを除いてはほとんどが及第と記憶しています.ただ,改装後しばらくは混んでいるのですが,その後は平日に行くとガラガラということもしばしば.そんな話を係りの人にしたら,「夏に人気の展覧会があると混むらしいですよ,去年はジブリ,今年はディズニー」とのこと.それではこれからがかき入れ時になるんですね.

 今回内装はエスニックモダン??椅子も木製です.ランチメニューはなく昼も夜も同じとのことで,メニューをみると多くは1500円前後ですが,タンシチューとエビフライが高額.係りの人に「エビフライが4000円台はお高いですね」,と聞いたら,「オマール海老です」と.「一匹ですか」「二匹です」納得しました.でも注文したのは「ポークジンジャー」.お肉は厚切で切り分けてあって付合せも凝っており,ライスは五穀米,ミネストローネ風スープ付で,お肉とソースが美味しかった.

 同館の美術図書室は大変充実しており,過ごし易い雰囲気もあって以前は良く訪れて,ややアカデミックな英文の美術雑誌"Burlington Magazine"と"Apollo"を読んでいました.今日はあまり時間もなかったので,B.M.の'09.1月号から6月号に目を通しました.昔は3ヶ月遅れで置かれていたので,ずいぶん早くなったものです.2月号はオランダ・フランドル絵画の特集,エルミタージュのW・ドロスト作品に関する論文を斜め読みしました.展覧会レビューには,アムステルダムの「ヤーコプ・バッケル」展と「ヤン・リーフェンス」展が載っていました.前者は3月に行って来たので,そのうち報告記事を書くつもりです.書評ではDutch Paintings of the Seventeenth Century in the Rijksmuseum Amsterdam Vol. 1: Artists Born Between 1570 and 1600 (Rijksmuseum Series 08.6 アマゾンでは約55000円ですね)が目を引きました.
 タイムリーなことに3月号の広告に「例のもの」が載っていたのには驚きました.(まだ売れていないとすると人気がないのか?)

 ミュージアムショップも前の視聴覚室のようなところに移動しており,格段に広くなっています.帰り際なんとなく奥のほうを見たらメタリックな巨大人形に目が留まりました.ヤノベケンジ氏による《ジャイアント・トらやん》高さ7.2Mだそうです.

自由が丘美術館

2009-05-24 20:20:29 | 行ってきました(美術展以外)

「自由が丘の私設美術館が閉館イベント-西洋古典版画コレクションを展示販売」

 自由が丘経済新聞の記事をかつての知人に教えていただいたのですが,今日の11時から5/30までの期間限定とのこと.
 どのようなものが販売されるのかわからなかったので,館のホームページに移動し,9時を回っていたのでお電話したところ,貝瀬館長が出てくださいました.
 当方ではレンブラントの版画の購入を長期的に計画しているので,17世紀のオランダの画家の作品はありますかと伺ってみたら,レンブラントの素描がありますと!早く行かないと無くなっているかもしれない,けれども,リサーチはどうするか? とるものもとりあえず,学芸員をたたき起こして山手線に飛び乗りました.

 自由が丘は小生には縁遠い町だったのですが(学芸員には馴染み!),徒歩7分の閑静な住宅地に瀟洒な美術館があります.



 11時少し前だったのですが,人だかりを期待?して着いたところじつは一番乗りで,物腰のやさしい奥様=貝瀬館長が出迎えてくださいました.
 同館はご主人と二人三脚で20年をかけて収集されたルネサンスから19世紀中期までの西洋古典版画と素描約200点を95年から展示されていましたが,昨年秋に惜しまれつつ閉館されたそうで,今回は1週間の限定で30点ほどを展示販売されているそうです.



 展示の継続が労力的に困難になられたとのことで,条件があえばコレクション全体をお譲りになっても良いとのことで,建物自体が展示にあわせて設計されていることもあって,人事ならず残念なことです.

 貝瀬館長さんによると,ルーベンスの原画によるマリー・ド・メディシスの生涯のシリーズ版画のセットは迫力もありぜひ見ていただきたいものの一つとのこと.その後,自宅併設の美術館の運営の御先輩としていろいろ楽しいお話をお伺いしました.

 当方の戦果についてはヒミツです.