コンタクトレンズ(CL)診療所の指導・監査をめぐる贈収賄容疑事件で、佃章則容疑者(55)=贈賄容疑で逮捕=らが役員を務めるCL販売会社「シンワメディカル」(大阪市中央区)が実質運営するCL診療所の中に診療報酬の水増し請求が疑われる診療所が数カ所あると、眼科医の団体が指摘していたことが捜査関係者らへの取材でわかった。
大阪府警は、佃容疑者らが行政機関の指導や監査でこうした不正が発覚しないように、厚生労働省課長補佐の住友克敏容疑者(50)=収賄容疑で逮捕=に多額の現金を送り続けていた可能性があるとみて調べている。
水増し請求を指摘していたのは近畿地方の眼科医会。シンワ社は「アイスペース」のブランド名で近畿と四国でCL販売店19店をチェーン展開し、それぞれCL診療所を併設している。関係者によると、同眼科医会は眼科診療所の診療報酬明細書(レセプト)を審査しており、昨年3月、診療報酬の請求に水増しの疑いが強いと診療所名を挙げて社会保険診療報酬支払基金に報告書を提出。指摘した15診療所のうち約半数が、アイスペースに併設する診療所だったという。
報告書では、CL診療所からの診療報酬の請求はほとんどがCL検査料と考えられるのに、指摘したCL診療所からはより高額な診療報酬が得られる眼科検査の請求ばかりだったとしている。
同会のある眼科医は「一般の眼科でもレセプトの5~10%はCL検査料なのに、指摘した診療所はCL検査料のレセプトがなく、近視やドライアイといった病名をつけて点数を高くしていた」と話す。一般の眼科診療所を装ってこれらの病名で検査をしたことにした場合、請求できる診療報酬は、CL検査料での請求より保険点数が最大で4倍程度高くなるという。
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