ただいま!(「クロノ・トリガー」より引用)
東京には6日の夜に、果敢にも短パンサンダルで降り立ちました。
ばっか。さみーの。そんなの聞いてないぜ。
しかし周りの冷たい視線は蹴散らすことができた。
今回はゼミの卒業旅行でバリに行き、その後解散してその他を回った。
ざっと書くとこういうルート。
バリ → ジョグジャカルタ → ジャカルタ → バンコク → ヴィエンチャン → バンビエン → ルアンパバーン → バンコク → カンチャナブリー → パタヤー → アユタヤ → バンコク
楽しかった。
それはそれはトラウマになりそうなくらい。
いま思い返すと白昼夢みたいにモワモワしてる。
今回は、これでバックパックを背負っての旅行は終わりでいいかなと思って旅立ったし、旅行してる最中もこれで終わりだなという清々しい気分でもあった。
一緒に回った奴もそう思ってたらしく、それくらい最後にふさわしい充実した旅行になった。
これからはサムソナイトのスーツケースを持ち、悪くないホテルに泊まり、ポーターにはチップを払うような旅行をするのかもしれない。
とか言ってたらサムソナイトってもう無いよって言われた。
やっぱ今はドイツのアレが強いんだって。
そんなー。聞いてないよ。
俺にとってスーツケースの王道はサムソナイトなのに。
そういえば、帰って来てネットサーフィンして、ネットの波から波へとリンクリンク、クリッククリック、モデムモデム、ISDN…ってやってたら、どうやら俺は大学卒業が正式に決まったみたい。
お世話になった方々、本当にありがとうございます。
あと、4月から住む寮の場所も決まりました。
まあ都内だし、交通の面からみてもまあ悪くはないんじゃない?って思います。
いやー。
ところでさ。
卒業したくなくない?
どう?
こう言うと、根性ひん曲った奴、あるいは勘の悪い奴が「留年しても周りは卒業だから寂しいぞー」とか「今年の就職はきびしいぞー」とか言ってくるんだ。
そういうことじゃない。
卒業旅行でバリに発ったのが2月16日。
俺は2月17日で時が止まらないかなーって思ってた。
今まさに楽しい中に身を置いていて、さらにこれから楽しいぞっていう17日。
でももう余裕で過ぎてる。
いや、いいんだよ別に。
だって十分僕は楽しんでる。すごく充実してる。
素晴らしい人たちと素晴らしい時間を過ごしてるんじゃないの。
バリの空港で、帰国するみんなと別れる場面。
みんなにはバレてないだろうけど、すげー泣きそうだった。
みんなと向き合ってじゃあまたねー頑張ってねーって言い合う感じ。
しかもさ、アホ幹事長が近くに寄って来て小声で言うんだよ。
「おまえほんま気をつけろよ」
もちろんエセ関西弁で。
そして彼はやっぱりキメ顔だった。
そんなこと言われたら素直に「分かった」って小さく言うしかできない。
ぜってー無事に帰って来てやるって誓ったし、俺はいろんなもん背負ってるんだって思った。
まあ実際にはラオスでは車がバンバン走ってる道路でチャリ大転倒を披露してみせたわけだから、全然気をつけてねーじゃんってことになるのだけれど、とにかく。
たぶんこの文章明日には消したくなってるんだろうし、なんか悔しいけどあの「気をつけろよ」はすげー嬉しくて、その後の旅行中にもちょくちょく思い出した。
そういう感動。
最近そういう感動が身の回りに増えてきてる。
みんなとの別れのシーンも時期が違えば全く感動しない場面だったかもしれない。
俺は焦っているのかもしれない。
もう卒業式まで20日無い。
物事にやたらと「最後の」っていう冠が付き出し、今まで当然のように付き合ってきた人たちとの日常の希少性をいやが上にも意識させられる。
社会人も楽しいかもよ?と誰かが言う。
いや、「卒業したくない」と「就職したくない」は同義ではない。
僕は卒業前の今の時期を愛でているだけで、決して将来を悲観してるわけじゃない。
そりゃ社会人楽しいだろうよ。
でも今の時期はもう戻ってこない。
そういう「今の時期はもう戻ってこない」的な切なさは22年生きてきた中で常に付きまとってきたはずなのに、なんだろうこの感じは。
これまで経験したことのないつらさ。
こっぱずかしいけど正直に言うと、めちゃくちゃつらい。
やっぱ人生は一度だけでいい。
二度生きたいなんて思っていたのは小学校までだったな。
不老不死の薬?いらないいらない。
俺は帰りの飛行機の中で舞城の「山ん中の獅見朋成雄」を読んでた。
主人公の成雄は肩から背中にかけてタテガミが生えているのだけれど、それを剃り落してもらう場面がある。
彼の悩みの種であり、同時にアイデンティティでもあるタテガミである。
そのタテガミが無くなった時の成雄の喪失感。
僕はこの小説にかなりのめりこんだのだけれど、その理由の一つは、成雄のこの圧倒的な喪失感に共感できたからだと思う。
僕もまた、学生としての日常の喪失の気配を強く感じてるから。
日本帰ってきた次の日はマドラウンジで踊った。
夜の東京はやっぱりすごくきれいだった。
みんなの顔見た時はホッとして、元気ロケッツのルミちゃん見た時は「かわいいは正義っすね-」って思ってはしゃいで、帰りの電車ではめっちゃ切なかった。
俺、寂しさには鈍感なはずなのに、何これ。
弱ったなー。
ちょっと勘弁してほしいですねー。
さっきHD内の写真の整理してた。
写真は思い出へのショートカット。
俺は写真好き。
それも、一眼レフいじったりとかの好きではなくて、ポチっとさりげなくデジカメ押すのが好き。
写真っていい絵日記機能。
毎日日記書くのは根気が要る人にとっては要るけど、写真なら簡単かもね。
って女子かよ。
俺は毎日写真撮ってなんか無いっす。
もし女の子だったらそういうのやってたかもな。
でも写真はよく撮るようになったね。
あー、こうやってブレイン・ストーミング的に文章書いてると着地点がわからなくなる。
着地ではなく、逆に社会に向けてテイク・オフ!ってキメればカッコイイんだけど、まだ卒業式まであるっつーの。
てかかっこよくねーしうまくもねーし。
まあいいや。
とりあえず社会に出るまでいろいろ話しましょう。たくさん笑いましょう。
それが今の僕の生きがいです。(←これは超カッコイイ)