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Mr.マトリョーシカの脱走

マトリョーシカ(Матрёшка)式世界からの大脱走。脱兎のごとく。

M1のバカヤロー

2008-12-28 01:26:39 | 芸能


21日はテレビを見れなかったので、ようやく録画していたDVDでM1を見た。

去年のM1に関してはガッツあふれる感想を記した。
http://blog.goo.ne.jp/dassou-net/e/55e160862f980e24c0f8877a3f680ed2


しかし今年に関しては既に一週間が経ち、もう語りつくされていることだと思うので、多くは言うまい。



個人的にはオードリー>NON STYLE≧ナイツ。

俺はNON STYLEが優勝したことには何ら異論はない。

正直面白さは拮抗していたし、サンドウィッチマンが抜きんでていた去年と比べると、誰が勝ってもおかしくはなかった。






ただ、今年のM1はちょっと気持ち悪かった。


それは、

特定の審査員の「好み」の「漫才」を選別するための試験に成り下がっているという現状。


そして、今後の大会で芸人達がその「好み」を先読みし、

あるいは、正しい≪漫才≫とそうではない≪マンザイ≫を区別し、

「≪マンザイ≫もおもしろいけど、M1では≪漫才≫をしなければ勝つことができない」という認識が広まるってのはどんなもんだろう。



芸人と審査員が演じる茶番劇に成り下がる可能性。



たぶんこのままでは視聴者はシラけ、M1はやばくなる。



銀杏BOYZ - 17才

美しすぎるPV。俺たちに明日はないッス。

(生)林檎博 ライブレポ

2008-12-01 01:29:17 | 全曲レビュー


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セットリスト

01 ハツコイ娼女
02 シドと白昼夢
03 ここでキスして。
04 本能
05 ギャンブル
 ※林檎の筋:十周年の軌跡(デビューからの流れを映像で振り返る)
  BGMネコさんのオーケストラによる宗教インスト  
06 ギブス
07 闇に降る雨
08 すべりだい
09 浴室
10 錯乱
11 罪と罰
12 歌舞伎町の女王
13 ブラックアウト
 ※林檎の芯:林檎の生い立ち(息子のナレーション)
  BGMネコさんのオーケストラによるやつつけ仕事インスト
14 STEM
15 この世の限り (+椎名純平)
16 オニオンソング (+椎名純平)
17 夢のあと
18 積木遊び
19 御祭騒ぎ
20 カリソメ乙女

~アンコール壱~
EN1 正しい街
EN2 幸福論 -悦楽編-
~アンコール弍~
EN3 みかんの皮
EN4 新曲

EN5 丸の内サディスティック(エンドロール)

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29日、(生)林檎博に行ってきた。

くほー。がるるるる。
いやーほんとよかったぜ。

今回は林檎さんのデビュー10周年ってことで、久々の、そして俺にとっては初めての「椎名林檎」ソロのライブになる。

しかも会場はさいたまスーパーアリーナというでかさ。

客席に入った時のスケールのでかさには不覚にも感動を覚えた。

いやーこんなでかいとこを3日連続で満席にできるんだから林檎さんはやっぱりすごい。


こんなでかいとね、不安なのは座席です。

俺の座席はS席。D5ブロック。

アリーナって規模感がよく分からなかったので、ステージ上の林檎さんは米粒に見えるのかなと最悪の場合も覚悟していた。

でもそんなことはなく、しかも通路側だったこともあってかなり良いアングルからステージを拝めた。




さて開演時間。

照明が落ちて、林檎不在のステージから「ハツコイ娼女」が流れる。

モニターに映し出される歌詞と相まって、期待は急上昇。

で、いよいよ林檎さん登場。


なんと奇抜な格好。

頭に鹿の角をあしらったその姿はまさにリアルせんとくん。

いやーしかしなんと神々しい登場なんだ。

去年の東京事変の「スパトリ」では林檎さんがとても近い存在に感じたんだけど、この林檎博では林檎さんが随分遠い存在に感じた。

もうほんとに「愚衆ですみません」って気分になった。



そうそう。

今回のライブでは、観客全員に「お土産」と称して小旗が配られた。

もちろんライブ中にそれ振れよっていうことなんだけど、その旗が旭日旗をモチーフにしたデザインなのね。

だから絵的には天皇謁見。




そんなせんとくん似の天皇の登場で会場全体に緊張感が満ちる。

で、そんな雰囲気を一気に溶かすように次の曲「シドの白昼夢」のラッパの音が。

まさにキターーーーーーって文字が観客の頭上にフォント50000くらいで現れた。

僕の顔も自然とほころぶ。

そびえ立つ鳥肌。緩む涙腺。

「10年…ずいぶん経ったんだなあ」って感慨深くなる。

どうせ俺はデビュー当時からのファンではないけど!



あーなるほどね。

今回のステージは、下にオーケストラ、上に林檎さんとバンドっていう二段構えなんだな。

ってこのあたり(かな?)でわかった。



「シドと白昼夢」からは、「ここキス」「本能」「ギャンブル」「ギブス」…という攻めのラインナップ。

いやー、客が何を求めてるかっていうのをすごく良く分かってるなって思った。

一つ一つの曲が涙腺を激しく刺激する。

特に「ギブス」は日本の宝だ。



どれも原曲に忠実で、しかしオーケストラが入ってるので明らかにゴージャスで壮大で。

このツボをグイグイ突いてくる感じがたまらない。




で、たぶんファンの間で話題沸騰であろう今回の「浴室」。

モノホンの包丁を片手に、りんご(果物)を切り刻んだり、首筋にあてたりしながら歌ってた。

モニターに皮膚スレスレを動く包丁が大きく映し出され、気が気でなかった。

恐怖の4分間クッキング。

洗って切った後はスタッフがおいしく頂いたわけはなく、もちろん水に流しました。

でもこのイタい演出、このナメた感じがとてもいい。

旭日旗といい、包丁といい、今日の林檎さんはほんとナメきってる。

大好きだよ林檎さん。



歌唱力もすばらしい。

年々迫力が増してる。

「罪と罰」なんか発表当時の歌声だって随分迫力あると思ったけど、これは20そこらの女子と三十路の女の力の差だろう。

ずっしり腰に来る感じだ。


一方、「歌舞伎町の女王」で顕著だった、ひばり声はあまり好きじゃない。

これはものまねの域を超えていない気がするからやめてほしい。


でもこの曲って面白いね。

20代の林檎さんが歌うと少女の戯言っぽいイメージの曲だけど、三十路林檎さんが歌うとニュアンスが変わってくる。

40代、50代と歌っていったらどんな変化が起きるのだろうか。



今回はサプライズ演出がいくつかあって、最大と言っていいのが、お兄さんである椎名純平さんの登場。

めちゃくちゃでかいインディアンのかぶり物を被っての登場。

僕は最初このかぶり物を髪だと勘違いして、兄貴半端ねえ!って声に出しそうになった。


「この世の限り」と「オニオンソング」をデュエット。

「この世の限り」はやると予想してたが、まさか純平さんが来るとは予想してなかった。

で、この2曲がとても良かった。

ほんとこの兄妹は揃って歌が上手い。

俺の鳥肌も終始スタンディング・オベーションでした。



「積木遊び」は当時はライブでの振り付けが定番ってことだったらしいので、もうその定番は知られてないから今回は敬遠するんじゃないかなーって予想してた。

でも、やった。

やっぱり、2番から振付を真似する人が多かったので、新しいファンがたくさんいるんだなって思った。

新しいファンが増えていくってことは単純に喜ばしいことだと思う、っていう上目線の感想を持った。

許して。


そして「御祭騒ぎ」「カリソメ乙女」と賑やかに幕を閉じる。


しかし照明は落ちたままで、お決まりのアンコール。

客に媚び過ぎだって?

ノンノン。

林檎さんとファンの信頼関係の証です。



そして印象的なドラムが鳴り響く。

アンコール一曲目は「正しい街」。

「うおー」って叫んだ。

このライブで一番気分が高まった瞬間。



「正しい街」はライブでは必ずやる曲。

もう椎名林檎はこの曲を自身の十字架ソングとして、一生歌い続けていく覚悟なんだろう。かっこいい。

僕は生の「正しい街」を20年後も30年後も聴いていたい。



2度目のアンコールがあり、締めはこのライブで初公開の新曲。

林檎の声が聞き取りづらく、この曲のタイトルについては諸説ある。


「墓標」「お経」「余興」「東京」「土俵」「玉露」「予兆」「初潮」「所長」

どれがほんとだろう。

ネット上では「余興」が一応の第一候補となっている。



新曲がラストっていうのはちょっとあっけに取られたけど、現在進行形の椎名林檎で幕が閉じるっていうのもなかなか粋だったなと思う。

林檎さんがいなくなって、モニターには「丸サディ」をバックにエンドロールが流れる。

浮かび上がる「RingoEXPO08」の文字。



うーん、最後まで良い演出でした。







今回のライブで印象的だったのが、MCが少なかったということ。

その少ないMCも、黒猫道の若旦那が声の出演をしたりと、林檎さんがしゃべることはほとんどなかった。

僕はこのやり方にとても好感をもった。


あくまで自分は音楽のプロだ。音楽で魅せるんだっていう意地すら感じた。

事実、音楽は素晴らしく、一級品のショウだった。

甘えのない、良い意味で緊張感の途切れないライブだった。

僕はこういう林檎さんのまじめで誠実な姿勢が大好きだ。


林檎さんがこういう性格でよかったって思う。

才能っていうのは真面目さの上に花開くんだなって思うから。(例えば僕はピート・ドハーティも好きだけど、彼がもっと真面目なら、今以上に良い曲を量産できて、ロック史に燦然と輝ける人物になれたんじゃないかと思い、真剣に惜しいと感じる)


これからもジャンジャン稼いで、素晴らしい音楽を届けてください(頻繁にオーケストラを引き連れることができるのは資金力があってこそ)。



ライブ後の安いワインの美味いこと!