
僕は街の音が好きだ
でも僕は、離れて一人で、
開いた窓のかたわらに
閉じたドアのうしろに。
* * *
俺たち何も言うことがないんだったら、とカミエが言った、何も言わないことにしようぜ。
言うことならいろいろあるさ、とメルシエが言った。
じゃあどうして言えないんだ?とカミエが言った。
言えないんだよ、とメルシエが言った。
じゃあ黙ってようぜ、とカミエが言った。
だからそうしてるじゃないか、とメルシエが言った。
* * *
僕はひとりでいる
そしてひとりでいて嬉しい、
僕は好きじゃない
こんなに遅くに歩き回る人々は
真夜中過ぎにのろのろ
舗道を歩いていく人々は。
僕は好きじゃない
閉店した店先の
スロットマシンの小さな鏡に映った
自分の顔が。
* * *
まだまだ続く。
こういうの書くと心配してくれる人がいるんですけど、あくまで詩なので平気です。
確かに僕の実感を表してる詩なんですけど、僕が孤独かというと、それとはまた別の問題です。