goo blog サービス終了のお知らせ 

Mr.マトリョーシカの脱走

マトリョーシカ(Матрёшка)式世界からの大脱走。脱兎のごとく。

尊敬する人は

2009-03-12 17:00:08 | Weblog
祖父母の家に2泊し、帰ってきた。

そして明日また旅行に行って来る。

引越しもあるので、今日は準備しなければならない。

あまり時間はない。


休憩中にエルサレム賞での村上春樹のスピーチとインタビューを読んだ。

相変わらず比喩とユーモアの感覚が鋭い。

読んでいてスーッと引き込まれた。

そしてなにより、イスラエルでこのスピーチをするという勇気に鳥肌が立った。

めちゃくちゃかっこいい。


常に正論を語る人の言葉っていうのは非力で空虚だ。そう思う。

例えばテレビのコメンテーター。

しかし彼のような虚構を作り出す小説家の語る言葉というのは、しばしば非常に力強く受け手の心を揺さぶる。

俺は尊敬する人っていないんだけど、場合によっては「村上春樹」って言ってもいいんじゃないかって思った。


文藝春秋の4月号に載ってるので時間と750円があれば読んでみてください。

750円くらいあるよ、って言うかもしれないけど俺は無いことが多いので。


とにかく、きっと何か感じるものがあるはず。

帰ってきて思うこと

2009-03-09 00:34:50 | Weblog


ただいま!(「クロノ・トリガー」より引用)

東京には6日の夜に、果敢にも短パンサンダルで降り立ちました。

ばっか。さみーの。そんなの聞いてないぜ。

しかし周りの冷たい視線は蹴散らすことができた。



今回はゼミの卒業旅行でバリに行き、その後解散してその他を回った。

ざっと書くとこういうルート。

バリ → ジョグジャカルタ → ジャカルタ → バンコク → ヴィエンチャン → バンビエン → ルアンパバーン → バンコク → カンチャナブリー → パタヤー → アユタヤ → バンコク



楽しかった。

それはそれはトラウマになりそうなくらい。

いま思い返すと白昼夢みたいにモワモワしてる。

今回は、これでバックパックを背負っての旅行は終わりでいいかなと思って旅立ったし、旅行してる最中もこれで終わりだなという清々しい気分でもあった。

一緒に回った奴もそう思ってたらしく、それくらい最後にふさわしい充実した旅行になった。


これからはサムソナイトのスーツケースを持ち、悪くないホテルに泊まり、ポーターにはチップを払うような旅行をするのかもしれない。

とか言ってたらサムソナイトってもう無いよって言われた。

やっぱ今はドイツのアレが強いんだって。

そんなー。聞いてないよ。

俺にとってスーツケースの王道はサムソナイトなのに。



そういえば、帰って来てネットサーフィンして、ネットの波から波へとリンクリンク、クリッククリック、モデムモデム、ISDN…ってやってたら、どうやら俺は大学卒業が正式に決まったみたい。

お世話になった方々、本当にありがとうございます。


あと、4月から住む寮の場所も決まりました。

まあ都内だし、交通の面からみてもまあ悪くはないんじゃない?って思います。



いやー。

ところでさ。



卒業したくなくない?

どう?


こう言うと、根性ひん曲った奴、あるいは勘の悪い奴が「留年しても周りは卒業だから寂しいぞー」とか「今年の就職はきびしいぞー」とか言ってくるんだ。

そういうことじゃない。



卒業旅行でバリに発ったのが2月16日。

俺は2月17日で時が止まらないかなーって思ってた。

今まさに楽しい中に身を置いていて、さらにこれから楽しいぞっていう17日。


でももう余裕で過ぎてる。


いや、いいんだよ別に。

だって十分僕は楽しんでる。すごく充実してる。

素晴らしい人たちと素晴らしい時間を過ごしてるんじゃないの。



バリの空港で、帰国するみんなと別れる場面。

みんなにはバレてないだろうけど、すげー泣きそうだった。

みんなと向き合ってじゃあまたねー頑張ってねーって言い合う感じ。

しかもさ、アホ幹事長が近くに寄って来て小声で言うんだよ。

「おまえほんま気をつけろよ」

もちろんエセ関西弁で。

そして彼はやっぱりキメ顔だった。

そんなこと言われたら素直に「分かった」って小さく言うしかできない。

ぜってー無事に帰って来てやるって誓ったし、俺はいろんなもん背負ってるんだって思った。

まあ実際にはラオスでは車がバンバン走ってる道路でチャリ大転倒を披露してみせたわけだから、全然気をつけてねーじゃんってことになるのだけれど、とにかく。

たぶんこの文章明日には消したくなってるんだろうし、なんか悔しいけどあの「気をつけろよ」はすげー嬉しくて、その後の旅行中にもちょくちょく思い出した。



そういう感動。

最近そういう感動が身の回りに増えてきてる。

みんなとの別れのシーンも時期が違えば全く感動しない場面だったかもしれない。



俺は焦っているのかもしれない。

もう卒業式まで20日無い。

物事にやたらと「最後の」っていう冠が付き出し、今まで当然のように付き合ってきた人たちとの日常の希少性をいやが上にも意識させられる。



社会人も楽しいかもよ?と誰かが言う。

いや、「卒業したくない」と「就職したくない」は同義ではない。

僕は卒業前の今の時期を愛でているだけで、決して将来を悲観してるわけじゃない。

そりゃ社会人楽しいだろうよ。

でも今の時期はもう戻ってこない。


そういう「今の時期はもう戻ってこない」的な切なさは22年生きてきた中で常に付きまとってきたはずなのに、なんだろうこの感じは。

これまで経験したことのないつらさ。

こっぱずかしいけど正直に言うと、めちゃくちゃつらい。


やっぱ人生は一度だけでいい。

二度生きたいなんて思っていたのは小学校までだったな。

不老不死の薬?いらないいらない。



俺は帰りの飛行機の中で舞城の「山ん中の獅見朋成雄」を読んでた。

主人公の成雄は肩から背中にかけてタテガミが生えているのだけれど、それを剃り落してもらう場面がある。

彼の悩みの種であり、同時にアイデンティティでもあるタテガミである。

そのタテガミが無くなった時の成雄の喪失感。

僕はこの小説にかなりのめりこんだのだけれど、その理由の一つは、成雄のこの圧倒的な喪失感に共感できたからだと思う。

僕もまた、学生としての日常の喪失の気配を強く感じてるから。



日本帰ってきた次の日はマドラウンジで踊った。

夜の東京はやっぱりすごくきれいだった。

みんなの顔見た時はホッとして、元気ロケッツのルミちゃん見た時は「かわいいは正義っすね-」って思ってはしゃいで、帰りの電車ではめっちゃ切なかった。

俺、寂しさには鈍感なはずなのに、何これ。

弱ったなー。

ちょっと勘弁してほしいですねー。




さっきHD内の写真の整理してた。

写真は思い出へのショートカット。

俺は写真好き。

それも、一眼レフいじったりとかの好きではなくて、ポチっとさりげなくデジカメ押すのが好き。

写真っていい絵日記機能。

毎日日記書くのは根気が要る人にとっては要るけど、写真なら簡単かもね。

って女子かよ。

俺は毎日写真撮ってなんか無いっす。

もし女の子だったらそういうのやってたかもな。


でも写真はよく撮るようになったね。



あー、こうやってブレイン・ストーミング的に文章書いてると着地点がわからなくなる。

着地ではなく、逆に社会に向けてテイク・オフ!ってキメればカッコイイんだけど、まだ卒業式まであるっつーの。

てかかっこよくねーしうまくもねーし。



まあいいや。

とりあえず社会に出るまでいろいろ話しましょう。たくさん笑いましょう。

それが今の僕の生きがいです。(←これは超カッコイイ)

電車内広告

2009-02-15 02:33:37 | Weblog


気になった2つの広告。

●FRaU 3月号

ベリーショートの美人が表紙。

「あの人誰?超美しいんですけどー」と話していて、帰って調べてみたら深田恭子だった。

深田恭子のウリは、フェミニンさと野暮ったさだったと思ってるんだけど、この写真にはどちらの要素もない。見事な変身っぷり。

ここまで覆されると気持ちいい。



●大川隆法『勇気の法』

「著者渾身の501冊目」とある。

501。これはちょっとした数字である。

ウィキペディアの大川氏の項目には、「1985年8月に初めての著書『日蓮の霊言』(善川三朗編、潮文社)を発刊」とある。

これが正しい情報ならば、彼は2009年に至るまで1年間に平均21冊も書いてきた計算になる。

月に1冊書いても追いつかない。

驚異的である。



--

16日から3週間ほど海外に行くので連絡とれません。
インドネシア、タイ、ラオスです。

--


中塚武-Your Voice(sings with 土岐麻子)

土岐麻子さん最近好きだ。
すごく優しい声。
英語詞の曲になると発音下手だけど、まあそれもアリかなって思ってしまえてそれさえ魅力的。

逆チョコ(爆)

2009-02-12 03:05:17 | Weblog
バレンタイン

【意義】
女から男へという希少性の高い機会の提供。
(女から男へ「告白」するというバードルの高い行為へのきっかけ作り・理由づけ)



逆チョコ

【意義】
女から男へというのが一般的なフィールドにおけるサプライズ。

【影響】
バレンタインの女から男へという希少性の崩壊。
それに伴うバレンタインの意義の希薄化。
またはホワイトデーの無価値化。



【結果】
お菓子業界あぼん

じゃない?

長い目で見れば得策じゃないように見えるけど、どうなんだろう。

昨夜の話

2009-02-12 00:01:13 | Weblog

こんにちワンツー☆

今夜はそういうテンションで大丈夫。

オーストラリア戦引き分けでも無問題。


しかし、昨夜はそういう気分ではなかった。

昨夜のこと。

いや、最後にどんでん返し的な文章は書きたくないので結果から言っちゃうと、何事もなかった。

何事もなかったけどやっぱね、大事でしょ、過程は。

過程が面白いよ人生は。

だから聞いて。




俺、来週卒業旅行に行くんだよね。

旅行は楽しさをしゃぶりつくしたいので、準備の段階から旅行は始まってるっていう考えをしてる。その方が長く楽しめてお得だ。

ピース。

で、旅行まで1週間切ったわけであるし、そろそろ具体的に準備をはじめるには丁度良い頃合いであるよなあなどと思い、先週から自室に飾ってあるバックパックを広げ、準備を始めた。

持ち物のチェックシートにチェックを入れてくのだ。


この時、夜の12時位。

家族が寝静まった家で、Tシャツは3枚でいいよねとか、冷房がきついという可能性があるので上着はいるでしょとか、まあ淡々と書いてるけど、気分はルンルン浮かれポンチ。




で、そこから俺が無いってことに気づくのにそんな時間はかからなかった。

何がってアレだよ。パスポート。

パスポートが無いなーって思ったんだよね。

まあ最近机周りを整理整頓したばかりだから、その辺に落ちたんでしょう。


でもご想像通り、その辺を探しても落ちてない。

あっれー、おかしいな。

まあ部屋にはあるはずだからちょっと探せば出てくるはず。


これもご想像の通り、出てこない。




このあたりから「あー、死にてーなー」と思い始める。

「てか死ぬの?」と。

マジで無いのである。



部屋にある全てのカバンを開け、ファイルを開き、本をめくり、引き出しの中身をひっくり返し、棚の裏を見て、底を見て、ベッドカバーを剥ぎ、冷蔵庫に行ってお茶を注ぎ、一言。

「やっぱり無い」


あーこれってまずい?

まずいんだよね?

イエス、高須クリニック。

そう思ってググる。

<パスポート 紛失>


そうしたら色々ヒット。

そこで俺は愉快な情報―うん、実に愉快だ―をゲットする。

<発給には12日程度>

パスポート紛失した際の再申請ってのは、普通の申請とは訳が違うらしい。

紛失の場合、再発行ではなく、新しいパスポートを発行するという処置がとられる。

なぜなら、再発行だと、同じパスポートが2冊存在することになり、悪用されるっしょ。

だから、紛失した方のパスポートナンバーは破棄され、公的な書類に記載される。

さらに、紛失した方のパスポートが悪用されてないかのチェックもしなければならない。

要は普通の発行に比べて、随分といろんな手間がかかるってことなのだ。

だから新しいパスポートの発行には12日間はみないとダメ。




やった、いよいよ卒業旅行行けないぞv(^-^)v




そういうのほんとに勘弁してほしいので必死になった。

こういう所(http://oshiete1.goo.ne.jp/qa801953.html)や、こういう所((http://www.d6.dion.ne.jp/~takahara/daujingu.htm)を見て「ニンニク~ニンニク~」と呟きながら探し続けた。手頃な針金も折って両手に持った。


でもやっぱりない。

あー俺どうすんだろ。

ここまで探しても見つからないってことは部屋には無いってことだよな。

ってことはどっかで落としたってこと。

ってことはもうパスポートが手元に戻ってくる可能性はほぼゼロ。


あー死なないかなー俺。

すっごい鬱になって就寝。この時朝の4時位。


8時半に目覚ましが鳴る。

今日はアルバイトなのだ。


なんつーか、母親に聞いた。

「僕は自らのパスポートを紛失したのである。まあ貴女が僕のパスポートの在り処など把握してるっていう期待は微塵もないながらも、藁をも何ちゃらって言うじゃないですか。だからあえて聞きますけど、僕のパスポート知らないですか」

「ああ、あそこの引き出し。床に落ちてたからしまっといたわよ」

v(^-^)v

いつもそういうことする母親じゃないのに、事実、結末はこうであった。


今回に限らず、一度絶望的状況を経験すると、そこを脱した時、人並みの日常というものがとても幸せに思える。

これは一般論である。

あと、同じような境遇の人を心から応援できるようになる。

案外こういう下らない出来事の積み重ねで人の人格ってものは作られるのかもしれない。

それに、危機的状況を乗り越えるために得た知識ってものは、実に切実で定着率も高そうだ。

はじめから何のトラブルもなかったのなら、無い無いの神様とかダウジングについて詳しく知る機会はなかっただろう。


そういった意味で、今回の出来事は俺を成長させた。

人の目には仰々しく映るであろうことは分かっているけど、それでも。


最後に、昨夜の俺には、日本で古くから使われてきた「ばーか」という言葉を送りたいと思う。

そして、人並みにゼミのみんなと卒業旅行に行ける今の僕はとても幸せです。

ピース。


YMCK-Magical 8bit Tour

縁と恩義

2009-02-04 00:26:46 | 解釈





何か品物をもらったときに、即座に同等の価値ないしは価格のものをお返しとして贈るのは、最悪だ。相手に対して、これで貸し借りはないというメッセージを伝えることにもなる。相手に恩義を感じるという状態を早く解消して、対等な立場に立とうとしている、と解釈されても仕方がない。(『話ができる男、バカになれる男、男が惚れる男』)


以前、就職したら今まで払ってもらっていた学費を返すと言ったら親にひどく怒られたことがある。

恩義を持ち続けながら生きていくというのも大人の生き方であり、覚悟なのだろう。

すごく学んだ。




話は変わるけれど、最近戸田恵梨香が正当に評価されてきて嬉しい。

夏ぐらいまでは「調子乗ってる感じがする」とか「大して可愛くない」とか散々な言われようだった。

特に女性からの評判が悪く、「戸田恵梨香超可愛い」なんていうと女の敵みたいな視線を送られることも一度や二度ではなかった。なぜ?

でももうそのような憂き目に遭うことも少ない。

時代が追いついたのだ。

戸田恵梨香超可愛い。

ダイシ・ダンス09

2009-02-03 03:31:48 | Weblog



アゲハでやったDAISHI DANCEのイベントに行ってきた。

ゼミの5人と。

まさかこんな人数で行けると思ってなかったから嬉しかった。




アゲハ行きのシャトルバスから見える夜景がロマンチック。

でも今回は1時過ぎだったからオフィスの明かりは消え気味だったかな。

とはいえ東京湾沿いのタワーマンションの光が健闘してたのできれいだった。

フジテレビはビル全面が煌々と光ってた。これはさすがとしか言えん。



余談。

タワーマンションってのは宣伝の時、いかに高層であるかをアピールしてるけどあれってどうなの。

タワーマンションには高層階だけじゃなくて、低層階があるわけだよな。

そういう宣伝されたら低層に住む人にはすっごく負け感漂わない?

タワーマンション・ヒエラルキー。


じゃあタワーマンションの低層階に住むメリットって何?

たとえば、タワーマンションって普通のマンションより敷地広く取らなきゃいけないから、そういう緑地に面してることとかかなあ。

そこ宣伝しないとタワーマンションってすごく歪んだ構造に見える。

予断終わり。


あー変換ミス。予断を許さない。




しかしDAISHI DANCEってすごいんだなと今更ながら思う。

昨日はエントランスに1時間異常並んだ。

異常ってまた変換ミスってるけども、間違いなく異常な並び具合だったからこれでいい。


アゲハに来るのは今回で2回目で、初めて来たのはハウス・ネイション。

ハウス・ネイションはDAISHI DANCE含めた有名DJ大集合のイベントだったんだけど、その時は全すんなり入れた。

そんな大イベントよりも並ぶなんて、すごいじゃんDAISHI DANCE。


しかーし、中入ってみたら、確かに混んでたけどハウス・ネイションの方がやや混みだった。

てか、ハウス・ネイションの混み方ってすごかったんだよね。

つまり今回並んだ原因は運営側の手際の悪さ?



かなり並んでぐったりだったけど入ったら一気にテンション上がった。

前も書いたけど、ダイシダンスはアジり方が上手い。

アジるっているのは00年代においても使う言葉なの?死語じゃない?

まあいいや。どう上手いかと言うと、それはタメの部分の使い方なのかな。

今か今かと焦らすストレスの部分をうまく入れてくるのが憎い。


それにスタミナ切れ知らずだし。

俺が彼の年齢になったときあれだけのスタミナを維持できてるのかな。

俺は徒歩を趣味として公言してるのだけれど、最近距離が短くなってきた。

今日はたぶん1時間以上は歩いたから、これは続けようと思う。

そしてダイシダンス並みのスタミナを維持してこうと思う。



次はテイトウワの。

できればそれより先にあるFPMのにも行きたいと思う。

FPM / don't you know

経験のイメージ

2009-01-30 01:06:45 | 解釈


現代ではあらゆる直接的経験は間接的な経験にとってかわられ、あらゆる出来事が、人工的に仕組まれた擬似イベントになる。フィルター付きの煙草が普通になったので、かつての煙草は「フィルターなし」煙草になり、フィクションがあたりまえになったので、事実は「ノン・フィクション」になる。親は子供の運動会でビデオカメラのモニターの中の我が子に声援を送り、記者はボイスレコーダーの中の声を書き起こす。つまり僕らは人工的な経験を作りだし、求め、最後には楽しんでいる。僕らの生活を経験ではなくて経験のイメージで満たしている。間接性と擬似イベントによってコラージュされた世の中。同様に人が発する言葉も人工的な経験であり、経験のイメージである。結局、人間同士が本当に言葉によって共有できるものなんてほんのわずかだ。言葉はそれだけでは本当のことを語れない。


さーて、ちょちょいと卒論でも終わらせるかな。
2万字とか余裕過ぎる。ソバージュ、ソバージュ。


Architecture in Helsinki - Do the Whirlwind

このPVがセンスあるとは思わない。でも曲はガチで良い。
キツネのコンピ盤で知ったんだけど、キツネ聴いとけば間違いないみたいな気分は俺の中にある。

最後の~ ほか

2009-01-16 23:07:35 | Weblog


●最後の~

たぶんそろそろ各方面のイベントに「最後の」という形容詞がつくのだろう。



●いつか見たアレ

クリスタル・ケイ→青山テルマ
はるな愛→椿姫彩菜



●仕事が趣味

仕事が趣味ってかっこ悪いんだろうか。

少なくとも何年か前は「仕事が趣味です」っていうフレーズはちょっと残念なニュアンスというか、ネガティブなイメージをまとっていたような気がする。「つまんねえ奴」みたいな。それか「奴隷乙wwww」的な。

今はどうなんだろうか。

むしろかっこいい、かどうかは個人の価値観によって違うだろうけど、幸せなこととして捉えられてる気がする。


それか、残念なニュアンスってのは単に世間知らずだった少年時代の偏見だったのか。

それとももしかしたら失われた15年が培った「自分探しブーム」や「ゆとりブーム」といったものが生み出した価値観だったのか。

ちょっと判断がつかない。


もし後者だったとしたら、また「仕事が趣味」なのがかっこ悪い時代が来るのだろうか。



Babyshambles / F**k Forever

僕が一番好きなバンドのうちのひとつです。

パソコンの調子

2009-01-09 11:25:06 | Weblog



ここ一か月くらいガラにもなくリア充な日々を送ってましてね。

で、年明けて(あ、あけましておめでとうございます^^)、久々に何もない日だーって時を迎えたら、ビンゴ!風邪ひいたよ☆

免疫力の高いこの俺様が風邪をひくなんて不覚だ。

病は気からってのは本当だ。ん、ちょっと用法違うけど気持の緩みから風邪ひいたのは本当だろうからね。げぼげぼっくぁwせdrftgyふじこl

「咳をしてもひとり」

まあもうほぼ治ったけど!



そういえば、今使ってるノートパソコン(修理してから一度もフリーズなどの不具合無し)が何の前触れもなく電源が切れた。

別に他にはどこも調子悪くないのだけど、何かの前兆だろうか。


で、今見つけたんだけど、昨日発表されたというVAIO Pはちょっと気になる。

「ポケットスタイルPC」なのでメイン用ではないが、これは使い勝手良さそう。

画面横長だしな。

従来の画面サイズだとウィンドウを2つ立ち上げた時すごくやりにくいじゃん。

横長だと楽々見れるから今後流行りそうだと俺様は踏んだね。


あとゲームでもさ、DS、所謂ダブルスクリーンって流行ってるじゃないっすか。

画面横長も言ってみればダブルスクリーンと同じ機能を果たしうるわけだからさ。


画面横長は流行るよ。きっと。




SEXY SYNTHESIZER / FLY

ゲームのピコピコサウンド(チップ・チューンって言うんだって!)的なアレ。
一億総エレクトロ化の昨今、流行って然るべき音楽。


PUFFY / マイストーリー

最近のパフィーの曲ってますます良いのな。
びっくりした。

M1のバカヤロー

2008-12-28 01:26:39 | 芸能


21日はテレビを見れなかったので、ようやく録画していたDVDでM1を見た。

去年のM1に関してはガッツあふれる感想を記した。
http://blog.goo.ne.jp/dassou-net/e/55e160862f980e24c0f8877a3f680ed2


しかし今年に関しては既に一週間が経ち、もう語りつくされていることだと思うので、多くは言うまい。



個人的にはオードリー>NON STYLE≧ナイツ。

俺はNON STYLEが優勝したことには何ら異論はない。

正直面白さは拮抗していたし、サンドウィッチマンが抜きんでていた去年と比べると、誰が勝ってもおかしくはなかった。






ただ、今年のM1はちょっと気持ち悪かった。


それは、

特定の審査員の「好み」の「漫才」を選別するための試験に成り下がっているという現状。


そして、今後の大会で芸人達がその「好み」を先読みし、

あるいは、正しい≪漫才≫とそうではない≪マンザイ≫を区別し、

「≪マンザイ≫もおもしろいけど、M1では≪漫才≫をしなければ勝つことができない」という認識が広まるってのはどんなもんだろう。



芸人と審査員が演じる茶番劇に成り下がる可能性。



たぶんこのままでは視聴者はシラけ、M1はやばくなる。



銀杏BOYZ - 17才

美しすぎるPV。俺たちに明日はないッス。

(生)林檎博 ライブレポ

2008-12-01 01:29:17 | 全曲レビュー


===================

セットリスト

01 ハツコイ娼女
02 シドと白昼夢
03 ここでキスして。
04 本能
05 ギャンブル
 ※林檎の筋:十周年の軌跡(デビューからの流れを映像で振り返る)
  BGMネコさんのオーケストラによる宗教インスト  
06 ギブス
07 闇に降る雨
08 すべりだい
09 浴室
10 錯乱
11 罪と罰
12 歌舞伎町の女王
13 ブラックアウト
 ※林檎の芯:林檎の生い立ち(息子のナレーション)
  BGMネコさんのオーケストラによるやつつけ仕事インスト
14 STEM
15 この世の限り (+椎名純平)
16 オニオンソング (+椎名純平)
17 夢のあと
18 積木遊び
19 御祭騒ぎ
20 カリソメ乙女

~アンコール壱~
EN1 正しい街
EN2 幸福論 -悦楽編-
~アンコール弍~
EN3 みかんの皮
EN4 新曲

EN5 丸の内サディスティック(エンドロール)

======================







29日、(生)林檎博に行ってきた。

くほー。がるるるる。
いやーほんとよかったぜ。

今回は林檎さんのデビュー10周年ってことで、久々の、そして俺にとっては初めての「椎名林檎」ソロのライブになる。

しかも会場はさいたまスーパーアリーナというでかさ。

客席に入った時のスケールのでかさには不覚にも感動を覚えた。

いやーこんなでかいとこを3日連続で満席にできるんだから林檎さんはやっぱりすごい。


こんなでかいとね、不安なのは座席です。

俺の座席はS席。D5ブロック。

アリーナって規模感がよく分からなかったので、ステージ上の林檎さんは米粒に見えるのかなと最悪の場合も覚悟していた。

でもそんなことはなく、しかも通路側だったこともあってかなり良いアングルからステージを拝めた。




さて開演時間。

照明が落ちて、林檎不在のステージから「ハツコイ娼女」が流れる。

モニターに映し出される歌詞と相まって、期待は急上昇。

で、いよいよ林檎さん登場。


なんと奇抜な格好。

頭に鹿の角をあしらったその姿はまさにリアルせんとくん。

いやーしかしなんと神々しい登場なんだ。

去年の東京事変の「スパトリ」では林檎さんがとても近い存在に感じたんだけど、この林檎博では林檎さんが随分遠い存在に感じた。

もうほんとに「愚衆ですみません」って気分になった。



そうそう。

今回のライブでは、観客全員に「お土産」と称して小旗が配られた。

もちろんライブ中にそれ振れよっていうことなんだけど、その旗が旭日旗をモチーフにしたデザインなのね。

だから絵的には天皇謁見。




そんなせんとくん似の天皇の登場で会場全体に緊張感が満ちる。

で、そんな雰囲気を一気に溶かすように次の曲「シドの白昼夢」のラッパの音が。

まさにキターーーーーーって文字が観客の頭上にフォント50000くらいで現れた。

僕の顔も自然とほころぶ。

そびえ立つ鳥肌。緩む涙腺。

「10年…ずいぶん経ったんだなあ」って感慨深くなる。

どうせ俺はデビュー当時からのファンではないけど!



あーなるほどね。

今回のステージは、下にオーケストラ、上に林檎さんとバンドっていう二段構えなんだな。

ってこのあたり(かな?)でわかった。



「シドと白昼夢」からは、「ここキス」「本能」「ギャンブル」「ギブス」…という攻めのラインナップ。

いやー、客が何を求めてるかっていうのをすごく良く分かってるなって思った。

一つ一つの曲が涙腺を激しく刺激する。

特に「ギブス」は日本の宝だ。



どれも原曲に忠実で、しかしオーケストラが入ってるので明らかにゴージャスで壮大で。

このツボをグイグイ突いてくる感じがたまらない。




で、たぶんファンの間で話題沸騰であろう今回の「浴室」。

モノホンの包丁を片手に、りんご(果物)を切り刻んだり、首筋にあてたりしながら歌ってた。

モニターに皮膚スレスレを動く包丁が大きく映し出され、気が気でなかった。

恐怖の4分間クッキング。

洗って切った後はスタッフがおいしく頂いたわけはなく、もちろん水に流しました。

でもこのイタい演出、このナメた感じがとてもいい。

旭日旗といい、包丁といい、今日の林檎さんはほんとナメきってる。

大好きだよ林檎さん。



歌唱力もすばらしい。

年々迫力が増してる。

「罪と罰」なんか発表当時の歌声だって随分迫力あると思ったけど、これは20そこらの女子と三十路の女の力の差だろう。

ずっしり腰に来る感じだ。


一方、「歌舞伎町の女王」で顕著だった、ひばり声はあまり好きじゃない。

これはものまねの域を超えていない気がするからやめてほしい。


でもこの曲って面白いね。

20代の林檎さんが歌うと少女の戯言っぽいイメージの曲だけど、三十路林檎さんが歌うとニュアンスが変わってくる。

40代、50代と歌っていったらどんな変化が起きるのだろうか。



今回はサプライズ演出がいくつかあって、最大と言っていいのが、お兄さんである椎名純平さんの登場。

めちゃくちゃでかいインディアンのかぶり物を被っての登場。

僕は最初このかぶり物を髪だと勘違いして、兄貴半端ねえ!って声に出しそうになった。


「この世の限り」と「オニオンソング」をデュエット。

「この世の限り」はやると予想してたが、まさか純平さんが来るとは予想してなかった。

で、この2曲がとても良かった。

ほんとこの兄妹は揃って歌が上手い。

俺の鳥肌も終始スタンディング・オベーションでした。



「積木遊び」は当時はライブでの振り付けが定番ってことだったらしいので、もうその定番は知られてないから今回は敬遠するんじゃないかなーって予想してた。

でも、やった。

やっぱり、2番から振付を真似する人が多かったので、新しいファンがたくさんいるんだなって思った。

新しいファンが増えていくってことは単純に喜ばしいことだと思う、っていう上目線の感想を持った。

許して。


そして「御祭騒ぎ」「カリソメ乙女」と賑やかに幕を閉じる。


しかし照明は落ちたままで、お決まりのアンコール。

客に媚び過ぎだって?

ノンノン。

林檎さんとファンの信頼関係の証です。



そして印象的なドラムが鳴り響く。

アンコール一曲目は「正しい街」。

「うおー」って叫んだ。

このライブで一番気分が高まった瞬間。



「正しい街」はライブでは必ずやる曲。

もう椎名林檎はこの曲を自身の十字架ソングとして、一生歌い続けていく覚悟なんだろう。かっこいい。

僕は生の「正しい街」を20年後も30年後も聴いていたい。



2度目のアンコールがあり、締めはこのライブで初公開の新曲。

林檎の声が聞き取りづらく、この曲のタイトルについては諸説ある。


「墓標」「お経」「余興」「東京」「土俵」「玉露」「予兆」「初潮」「所長」

どれがほんとだろう。

ネット上では「余興」が一応の第一候補となっている。



新曲がラストっていうのはちょっとあっけに取られたけど、現在進行形の椎名林檎で幕が閉じるっていうのもなかなか粋だったなと思う。

林檎さんがいなくなって、モニターには「丸サディ」をバックにエンドロールが流れる。

浮かび上がる「RingoEXPO08」の文字。



うーん、最後まで良い演出でした。







今回のライブで印象的だったのが、MCが少なかったということ。

その少ないMCも、黒猫道の若旦那が声の出演をしたりと、林檎さんがしゃべることはほとんどなかった。

僕はこのやり方にとても好感をもった。


あくまで自分は音楽のプロだ。音楽で魅せるんだっていう意地すら感じた。

事実、音楽は素晴らしく、一級品のショウだった。

甘えのない、良い意味で緊張感の途切れないライブだった。

僕はこういう林檎さんのまじめで誠実な姿勢が大好きだ。


林檎さんがこういう性格でよかったって思う。

才能っていうのは真面目さの上に花開くんだなって思うから。(例えば僕はピート・ドハーティも好きだけど、彼がもっと真面目なら、今以上に良い曲を量産できて、ロック史に燦然と輝ける人物になれたんじゃないかと思い、真剣に惜しいと感じる)


これからもジャンジャン稼いで、素晴らしい音楽を届けてください(頻繁にオーケストラを引き連れることができるのは資金力があってこそ)。



ライブ後の安いワインの美味いこと!

椎名林檎全曲レビュー その2

2008-11-26 02:39:18 | 全曲レビュー
レビュー書いてみたら、どうも音の面にばかり着目してしまう傾向がありますね。
歌詞に着目してもいいんですが、そうすると僕の個人的な体験などを引き合いに出さなきゃなりそうだと気づいたので、自重します。イタいわ長いわで悲惨なことになりそうなのでね。
てか、誰も興味持てない話だろう。


そもそも俺の林檎さんとの歩みは、「勝訴ストリップ」を発売日に買った時から始まる。
当時は「椎名林檎」っていうのは一時代を築いたわけだけれど、ある種キワモノだった。
地域差はあるかもしれないけど、男子中学生が椎名林檎を聴くなんて頭がおかしいと思われそうだった。
ラルクとかドラゴンアッシュとかを聴くのが男子中学生としての在るべき姿だったのだ(どっちも聴いてたけど)。
椎名林檎が好きなんて、ましてや発売日にCD屋に走ったなんて恥ずかしくて誰にも言えず、気分はもう隠れキリシタン。


ってことで、つまり、こっからがリアルタイムで接してきた曲になります。
そのせいか自然と「その1」より長めになった。



●ギブス(00.1.26)

①ギブス
これは言うまでもなく、とんでもない名曲。

まず。
イントロが無くてボーカルの息を吸う音で突然曲が始まるのがかっこいい。
この息を吸う音によって、独特の緊張感が生み出されてる様な気がする。
あと、アルバム「勝訴ストリップ」の中の一曲として聴くとき、この曲の始まりはより衝撃的。

サビまではピアノが静かに美しく曲を進めていくんだけど、この時バックで流れる打ち込みの音が、単なるバラード調ではなく、より鋭さのある楽曲にしてる。


で、サビについて書く前に歌詞について。

歌詞。
字面だけ読むと、女の子のキュートな恋心。超可愛い。
しかーしメロディにのると、何だこの貫禄は。
なかなかこういう可愛い歌詞にこういう迫力を持たせて歌える歌手というのはいないだろう。
きゃー、かわいい!で終わりでしょ、普通。

サビ。
サビでは迫力ある歌唱が一気に高まり、悲痛とも言える熱唱に変わる。
ギターも
熱唱と熱演が一気に爆発する様は心に響く。



前も書いたけど、歌詞に実在の人名入れるのは嫌いだし、「i 罠~」っていう当て字もイタいと思う。
でもそんなのこの曲においては瑣末なことに過ぎない。
細かいことばっか言ってんじゃないよ、この唐変木、或いは馬鹿。
本当に素晴らしい曲。


②東京の女
カバー。
「歌舞伎町の女王2」みたいな位置づけでしょうか。


③Σ
これは最強にかっこいい曲。
ライブで聴きたい。

あ、このサビって「積木遊び」と同じメロディね。
このレベルまで来ると、手抜きだなんて言うのは下らない。



●罪と罰(00.1.26)

①罪と罰
こういうスローな重いロックを歌い上げることができるんだからかっこいい。

不協和音っぽいオルガンから始まるイントロがいいね。
掠れ声で悲痛な熱唱をするボーカルもとても良い。

ちなみにギターはベンジーが弾いてるんだけど、あまりフィーチャーされてないし意義を感じられない。
もうちょっとベンジーらしさのある演奏はできなかったのだろうか。


②君ノ瞳ニ恋シテル
スタンダードナンバーのカバー。
聴いていて楽しく気持ちいい。

ただ、「アンコンディショナル・ラブ」などの様な、椎名林檎的世界観は作れていない。
もっと言ってしまえばカラオケっぽい。

ベースが単調だなあ。亀田さんっぽさが全くない。


③17
美しいメロディ。
周囲に馴染めない高校生の鬱屈した心情を感動的に熱唱する曲。
郊外の退屈だが美しい風景が思い浮かぶ。

聴くと一日だけ中高生に戻りたくなる。



●勝訴ストリップ(00.3.31)


①虚言症
さーて、椎名林檎のアルバムはどれも一曲目が凄いぞ。
「無罪モラトリアム」はドラムで幕を開けたが、この「勝訴ストリップ」はでかいベースの音で幕を開ける。

俺は椎名林檎の曲の評価をつけることはできない。
なぜなら、どれも素晴らしくて差をつけられないから。
でも「椎名林檎のベストソングを選ぶか、若しくは死か」と恐怖の大魔王みたいな奴に問われれば、苦し紛れにこの曲を選ぶかもしれない。
そのくらいこの曲は素晴らしい。

この曲の魅力のひとつは、メロディのドラマチックさだと思う。

イントロでドラム、フルート、ドラムと続いて投入されるが、これがもう心をつかんで離さない。
イントロで最高潮まで高まる期待。

Aメロで「ズズ、ズズ」と刻むベースが、Bメロでは解放され水を得たようにグワングワンと走り回る。それと並走するストリングスも実に美しい。


歌詞も実にいいと思うね。
「新聞で見た電車に投身自殺した女の子に向けて書いた」みたいなことをどこかで言っていた。
適度なイタさ。若い時にしか書けない詞だろうな。
そういうシンパシーが明るいメロディと迫力のある演奏に溶け込んでる様に心を揺さぶられる。

ボーカルも適度な巻き舌。高音での掠れるような声。
この歌い方が一番好きだ。


素人の俺が何言ってもどうってことないだろうが、それでも「完璧」と言わせてほしい。

しかもこの曲、16歳とかそのあたりで作った曲らしいぜ。
なにそれ。
もう訳が分からん。HAHAHA。すげーですよ。


②浴室
AメロBメロの詰まったような感じから、サビに移るところでスーッと抜ける。
これがとても気持ちいい。

FPMのおっさんが自身のCDで取り上げてた。
たしかにダンス・ミュージックっぽいね。
いわば「新宿系」と「渋谷系」の融合みたいな曲。


③弁解ドビュッシー
なんかこのAメロって「積木遊び」じゃね?分かりづらいけど。いや、分かりやすいかな。僕、耳腐ってるので(爆)
「Σ」でもつかってたし、このメロディ好きなのかな。

これはかっこいい曲。
ベースが主役だね。
全体的にやすりがかったみたいなザラザラしたところに歪んだベース音が絡んでるのがイケてる。


④ギブス


⑤闇に降る雨
ストリングスの音質がやばい。不吉だー。

「勝訴ストリップ」は前作に比べて高湿度な曲が多いと感じるが、この曲は典型的。タイトルに雨ってあるだけに、じめじめした曲。

声も「無罪モラトリアム」や「虚言症」のものとは違いますね。
全域にわたってハスキーで、曲の雰囲気に合っている。
この曲の巻き舌は若干やり過ぎかな。

俺はこの曲に、次のアルバムである「加爾基 精液 栗ノ花」の気配を感じる。


⑥アイデンティティ
激しい。
悲痛なボーカルや、バカスカやるギターやドラム。かっこいい。

あと、ちょっとこのベース、明らかにすごいんじゃない?
ずっとベースやってる友達もこりゃすごいって言ってた。


⑦罪と罰


⑧ストイシズム
お遊び曲。アルバム内の区切り。
ちょっと油断すると耳に残る(笑)

ちなみにこの歌詞は「罪と罰」の歌詞を逆から歌ったもの。


⑨月に負け犬
個人的に凄く思い入れのある曲。

まず出だしが秀逸。
ボーカルの息を吸う音から始まる。
そして、ゆるーいギターのみをバックにワンフレーズ歌い、「…しまいそうだああああ~」で盛り上がる。
なんてドラマチックなんでしょう。


この曲はこのアルバムでは唯一ギター、ベース、ドラム以外の楽器を使っていない。
それだけに、聴いていてボーカルの微かな鼓動のようなものを感じる。
「吐く息が熱くなっていく」という歌詞があるが、まさにその様子を感じる。


⑩サカナ
歌詞がヒドい。正直、萎える。

あと、「へばりつける」の部分のメロディがあまり好きではない。
サビの出だしはすごく好きなんだけど。

ベースとギャンギャンいってるギターはとてもかっこいい。


⑪病床パブリック
ヤケクソ感のあるぶっつぶれた音質。これがすごくいい。

かなりキャッチーなメロディだと思うんだけど、意外とファンの間で言及されることの少ない曲だったりする。
なぜだろう。

てか、椎名林檎って音域広いなー。
Aメロをはじめて聴いた時、男が歌ってるのかと思った。



⑫本能
椎名林檎のアルバムがすごいなーって思う理由の一つは、大ヒットしたシングル曲が全く浮いてないということだ。
アルバムのバランスと世界観のブレなさ、すばらしい。

この曲はシックな曲調がグッド。
サビのあとで落ち着いたAメロが来るのもグッときます。

あと、「だいきらぁぁぁいなのぉぉぉ」の「らぁぁぁい」の発音が好きです。


⑬依存症
泡の音やエレピが演出する浮遊感が気持ちいい曲。
歌詞も、人名が出てくるのと、「病気なんでしょう」って部分以外は大好き。

そしてなんといっても、ギターソロにピアノやいろんな音が混ざり合うカオスで感動的なアウトロ。
そしてこのアウトロは徐々に小さくなり、最後はプツっと切れてしまう。
この切れた後に聴き手が噛みしめる余韻がいいね。

ほんと、ヒリヒリするくらい良いアルバムです。







ちょっと長くなったので「その2」はこの辺で終わり。

椎名林檎全曲レビュー その1

2008-11-22 01:45:52 | 全曲レビュー
そろそろ林檎さん誕生日だし、ライブもそろそろだし。ってわけではない。
このタイミングは偶然。
全曲レビュー。
椎名林檎を薦めるっていう意味合いではなく、読んで「あー、そうだよねえ」と思いながら見てくれると嬉しいです。
褒めるばっかりも気持ち悪いので、健全なファンとして文句言うところは言おうと思います。



●幸福論(98.5.27)

①幸福論
デビュー曲。
十代(!!)の新人歌手、椎名林檎の「フレッシュさ」、「可愛らしさ」を前面に出したアレンジ。
万人受けのアレンジをされたこの曲には、後にJPOP界を席巻する「椎名林檎」たる在り方や方向性を見ることはほとんどできない。

この曲、実はサビの音程が難しいんだよね。カラオケではみんな大抵外してる。
作曲能力と歌唱力の素晴らしさを密かに発揮した曲だと思う。


②すべりだい
ニコニコ可愛い「幸福論」のカップリングに「すべりだい」を持ってくるところが椎名林檎のセンスであり、戦略。
まあ本人的には「すべりだい」を表題作にしたかったらしいけど。

ベースとエレピの変わったメロディから始まるイントロは、この後にどんなメロディが展開していくのかを全然予想させない。
だから聴いててゾクゾクしたのを覚えてる。

そしてこの曲のギターソロ。これはいかにも椎名林檎的。
ニコニコ「幸福論」の裏側に自己主張の「すべりだい」。





●歌舞伎町の女王(98.9.9)

①歌舞伎町の女王
「新宿系」の看板も手伝って、おそらく椎名林檎の曲で最も有名な曲のひとつがこの「歌舞伎町の女王」。

でもこの曲は椎名林檎のなかでもかなり特殊。
歌詞が物語調で、メロディはこってりした歌謡曲調。
まあこの世界観によって表現しようとしたテーマは、今も一貫してるよね。


②アンコンディショナル・ラブ
シンディ・ローパーのカバー。
原曲はいかにも80年代なポップソングだけど、このカバーはストリングスの美しい、静寂なアレンジに仕上がっている。
そして「歌舞伎町の女王」のカップリングということもあり、歌詞に本来は無いおどろおどろしさを感じる。
きちんと椎名林檎の曲になっている。

英語が下手なのがもったいない。


③実録 -新宿にて- 丸の内サディスティック~歌舞伎町の女王
こんな路上ライブがあったら、たとえ椎名林檎を知らなかったとしても、聴き入って2000円払うね。





●ここでキスして。(99.1.20)

①ここでキスして。
福岡のバンド時代からあった曲。
この曲は売れないはずがなかっただろう。
女子高生の健気なラブソングの皮をかぶっているけど、「あたしの思想を見抜いて」ってのはなんとも椎名林檎的。



②眩暈
隠れ名曲。もはや隠れてないけど。
椎名林檎の非凡さを煮詰めたらこうなりましたって感じの曲だね、これは。

サビの重ね録りされたボーカルが幻想的でグッド。


③リモートコントローラー
イントロのハープシコードが印象的な聖飢魔Ⅱ的ノリ。
その実は「コンポのリモコンがねーよ」っていうだけの曲。





●無罪モラトリアム(99.2.24)


①正しい街
イントロのドラムがあまりに印象的で今でも鳥肌が立つ。
この曲は1曲目しかあり得ない。

「正しい街」とは即ち椎名林檎の出身地福岡のこと。
要は上京ソングですね。



②歌舞伎町の女王
③幸福論(悦楽編)
可愛らしいデビュー曲はこのアルバムで破壊されてしまう。
この自己否定によって椎名林檎の方向性は完全に固まった。

悦楽編のメロディに乗ると、歌詞の意味も変わって聞こえる。
あまのじゃくな印象になる。

しかしまあ、歌は崩さずにきちっと歌うあたり自覚的な自演家。
本当は真面目で礼儀正しいってのがこのあたりから分かる。


④茜さす 帰路照らされど…
16、7の時に作った曲。
ストリングスとピアノの美しさが土台にあり、乱暴なアコギと自由なベースが生きている。


⑤シドと白昼夢
特にベースのフレーズがかっこいい。
よって俺はベースを買った直後、この曲を練習しまくった。
カラオケで誰かがこの曲歌うと、このベースを口ずさみウザがられる。

あとね、えーと、シドとか歌詞に出てくるジャニスとか、要らない。
歌詞に実在の人名入れるのってイタいよ。


⑥積木遊び
アルバムのお遊び的位置の曲。
「勝訴ストリップ」で言えば「ストイシズム」的位置。まあもうちょっとまじめにやってるけど。

これもイントロのベースがかっこいい。
実際弾こうとすると、半拍子(って言うのか?)の部分があったりでとても難しかった。
ライブではサビの部分で振りがつく。

お遊びっぽいのにかっこいい。
蝶のように舞い、蜂のように刺す。
そんな感じの曲。


⑦ここでキスして。

⑧同じ夜
うーん。個人的には惜しいと感じる曲。
楽器がイントロのバイオリンと、アコギだけっていうシンプルな構成なだけに、歌詞の背伸び感が浮き出ちゃってる。
歌詞中の「自己実現」とか「根源」とかの単語がメロディーにスーッと溶けていかないで、そのまま頭の中に引っかかる感じがする。

でも歌詞が歌っている内容は涙するに十分。
心を打つ曲であることには間違いない。


⑨警告
これぞロック・バンドって感じのサウンド。
曲の最後の息を吸う音がアルバム全体にメリハリをつけてる。


⑪モルヒネ
名曲が詰まったこの怒涛のようなアルバムは、「モルヒネ」という不穏な題のほのぼのソングで静かに幕を閉じる。





●本能(99.10.27)

①本能
これは流れ的に「勝訴ストリップ」のとこで書こうと思う。

とりあえず、曲がウケたのか。看護婦がウケたのか。
誤ったイメージの流布。
村上春樹でいえば「ノルウェイの森」ベストセラーの不幸。


②あおぞら
「本能」の後に「あおぞら」。
これは「幸福論」でも使われたギャップ戦略。

とても歌詞、メロディ共に可愛い曲。

個人的にはワワワワンっていうギター(何奏法って言うんだっけ?)は邪魔。
このワワワワンには「椎名林檎は一筋縄ではいかないぜ」っていうメッセージを感じるわけだけど、他にやり方があったのでは?

この可愛い曲も、後のライブで「悦楽編」として破壊されてしまう。


③輪廻ハイライト
20歳そこそこの子がジャズを歌って様になるんだからすさまじい才能だ。
歌詞カードの「空耳歌詞」の発想も面白い。

「カクテル・バー」のCMに使われてたなー。





●幸福論(マキシ・シングル)

①幸福論
「本能」に便乗して、マキシにしてみたら売れた「幸福論」。
うーん。売れる売れないってそういうことだよなあ。

②すべりだい

③時が暴走する
17頃の曲。
割れたピアノの音が不穏。





---------------

最近納得できないこと。

新垣結衣もでかい。

運命の本質

2008-11-21 02:53:27 | 解釈


「人は自分の力で人生を切り開くことができる」というのは幻想である。

これは俺が22年間の人生の中で得た、リアルでクールな実感だ。


そこで、俺は人生にはしなやかさが必要だと考えた。


そしてある逆説的なアプローチを採用することにした。




説明しよう。




世の中には、とても才能があって努力を積み重ねているのに、結実しないと嘆いてる人がいる。

うん、実に多い。


その一方で、なんとなくポンポンと物事がうまくいって成功している人もいる。


両者の差はなんだろうか。




それは、「可能性としての自分の将来をどれだけ想定できているか」だろう。


つまり、「こうなったらいいな」を100種類持っている人の方が、「こうなったらいいな」を1種類だけしか持っていない人よりも願望を達成する可能性が100倍高い。


とても簡単な数学だ。







屁理屈いうんじゃねーよって?


これは屁理屈ではない。

俺は至って真面目だ。




たとえば俺は大学の附属高校に通っていたのだが、大学の学部選びの際、政治経済学部を第一志望にしていた。

一方で社会科学部や第一文学部の勉強も面白そうだと思っていたし、商学部の勉強も将来役に立ちそうだと思っていた。

結果的に俺は政治経済学部に決まったのだけれど、もし俺が社会科学部に決まっていたら、「社会科学部を願望していた自分」のたどってきたストーリーを思い起こしていただろう。


つまり、人間は数多くの潜在的な願望の内、実現したものについてのみ、選択的に「それを願望していた自分」をおもい起こすということだ。




このことから導かれる結論は以下のようなものだ。

<願望達成の可能性というものは、自分の未来への開放度の関数である>


もっと簡単に言うと、「自分の人生の可能性にもっと広く目を向けていいんじゃね」ってことだ。


これは「運命」の本質でもあると思う。(視野狭窄に陥っている人が「運命」に出会う可能性はやっぱり低いだろうから)



まーもっともっと簡単に言うと、「3年生、就活がんばれー」ってことだ。



ザ・ピロウズ - Another Morning

ポップなメロディと、ノスダルジックな気分にさよならしようとする決意に満ちた歌詞がいいですな。
なんでこの人たちもっと売れないんだろう。
確実にピロウズを受け入れるマーケットは大きいと思うのに。