Uさん、こんばんは。
だれも見向きもしそうにないMonitor 200を何故手元に置くことになったのかについて、少しひも解いておきます。
そうでないと、不人気商品に手を出した所以が永遠の謎になってしまいそうです。
記憶が曖昧なのですが、恐らく4年以上前の事だと思います。
ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba店のオーディオフロアの一角に、モニターオーディオブランドコーナーがありました。
通常のスピーカーコーナーとは別の、割かし目立ちやすい場所にです。
その後、ここはKEFブランドコーナーになってしまいましたが、当時は、モニターオーディオの製品が置かれていました。
今でもKEFコーナーはあるのかな。
これまた記憶が定かではないのですが、ヨドバシアキバへは、オーディオ関係のことで立ち寄ったのでしょう。
いつものように、自宅のシステムの音に満足できず、買い替え・入れ替えのため、商品探索の行脚をしていたのだと思います。
そして、これまた記憶が曖昧ですが、モニオ・スピーカーは傘下のブランドであるROKSANの、多分、BLAKか何かに繋げられていた思います。
別の機会にそのアンプの音をまじまじと聴きましたが、何だか妙に音が乾いて荒っぽく、力強いだけで繊細さに欠け、あまり魅力的ではありませんでした。
これなら、MUSICAL FIDELITYのMシリーズの方がずっと良い、と思ったことは覚えています。
サウンド傾向から言うと、ロックやジャズのような熱い音楽などが似合っているように思います。
”ROKSAN(ロクサン)”という、江戸時代の魚屋の出前持ちのような名前のブランド、古代ペルシャの王女になぞらえたモノらしいですけれど、”ROCK・SOUND”から来たのかと邪推の一つもしてみたくなります。
さて。
話をスピーカーに戻しますと、ROKSANのアンプに繋がれていたのは、Monitor 200、BRONZE 5、6、SILVER 200(6G)、GOLD 300だったでしょうか。
順番に切り替えて音を聴いてみましたところ、一番気に入ったのが、何故か一番安いMonitor 200でした。
それまでの個人的な印象では、モニターオーディオは、音が明瞭かつ実在感があり、また精細さと艶やかさが感じられるもの、どちらかというと音像型というのでしょうか、音の響きよりも、ボーカルや主軸となる楽器を浮かび上がらせてくれるようなスッキリさがあったように思います。
Monitor 200は音の明瞭さや明るさは上位機種に劣りますが、AV向きなのでしょうか、多少平面的な鳴りですが、適度な音の響きもあり、高音から低音までの出音がバランスよく感じられ、なかなか良いものだとの印象を強く持ちました。
14㎝のウーハーですけれど、ほどほどの低音も出ています。
これがbronze 6辺りだと、低音が出過ぎて自宅では難しい。
兄弟機のMonitor 300でもウーハーが大きくなるので、大画面のTVなどに合わせた、さらに低音重視のセッティングでしょう。
だから、Monitor 200ぐらいのサイズが丁度良いのです。
好みの出音に近いですし、ローグレード(最下級)の製品ですから価格も高くはありません。
用件を済ませて店を出ましたが、それからこのスピーカーのことが頭の片隅に居座るようになりました。
良くも悪くも脳裏に焼き付いたとでもいうのでしょうか。
時折、このスピーカーの事が気になります。
正直言いますと、これが欲しくなりました。
幾度か、廉価でMonitor 200を手に入れる機会がありました。
そのたび、やせ我慢です。
既にお気に入りスピーカーを複数持っているのですから、これ以上は不要なのです。
自分の中に、オーディオ製品の選考に当たっての判断基準が幾つかあります。
スピーカーにおいては、設置位置の制約からバフレフポートはフロントポートであること、キャビネット(エンクロージャー)のフロントバッフルは、隅切り(ラウンド処理)が施されていることなどです。
Monitor 200はこのいずれをも満たしていないのです。
忌避すべき製品、手を出してはいけない製品として自分の中で位置付けて、発注への衝動は抑えていました。
こうして、絡みつくような小さな物欲を忘れるようにしてはいましたが、それでも何となく悶々としたものを長い間引きずって来ました。
大して高くはないのだから、そんなに悩まずササっと手に入れて、気に入らなければ、これまたさっさと売っぱらってしまえばよい、という割り切りもありますね。
そうは言っても、気が小さくて締まり屋ですからね。
ただ手放すにしても、全く人気が無い商品ですから、売値が相当安くなることは見えています。
わずかな所有期間で買値の3分の1とかになるのは出来れば避けたい。
得るものも得られず、ひと月たらずで数万円のお金が無くなることは誠に嘆かわしきことです。
お金をどぶに捨てるようなものですから。
これは散々通ってきた道・繰り返ししてきたことで、何としても避けなければいけません。
失敗から学ばなくてはなりません。
ですが、結論から言うと何にも学んではいませんでした。
結局のところ、こうして手に入れてしまったのですから。
ある時、新品の最終在庫がかなり安く売られていることを知りまして。
もう何度となくやって来る誘惑についに観念したというのでしょうか。
このチャンスが最後かなと思いつつ、別の思惑もあって発注したのです。
丁度その時、DALI・IKON5mk2を手放す算段をしておりました。
当初オークションでの売却を予定していましたが、取引上でトラブルがあり放出に失敗したこともあって、専門店で引き取ってもらう段取りに変更した折、monitor200を販売する業者が、新品購入時の下取り製品の査定価格を高めにしていたのです。
それでDALI・IKON5mk2を下取りに入れ、このスピーカーを手に入れることにしたのです。
だから、どちらかというと、IKON5mk2を出来るだけ高い値段で手放す名目でMonitor 200を手に入れた、ということも出来ます。
これは実に本末転倒なことで、お金の出入りだけを見れば、多少安くても旧機を手放すだけの方が良いのです。
ですけれど、IKON5mk2も短期間で放出することになり、これだと売却損が無視できず、表向きの回収額はどうしてもある程度のものが欲しかったのです。
心安んずるにはそうするしかなかったですね。
先立つものに余裕も無いのに、頻繁な機器の入れ替えをするという罪悪感は拭い去れませんが、軟弱者ゆえ仕方がありません。
こうして換わりに白いMonitor 200が家にやって来たということです。
釈明めいた事ばかり、長々とどうにもくどくて自分でも嫌になりますが、このスピーカー、幸いなことに失敗ではありませんでした。
手に入れてからもう4月になりますが、不思議なことに、デザインを除き、まるで不満が出てきません。
満足、ということも無いのですが、この不満が無い、というのは何だか少し可笑しな感じもします。
そんな経験、余りしてきていないからですけれど、”足るを知る者は富む”というのでしょうか。
現状システムをいじることなく、当面このままで良いと感じているところです。
ですからオーディオ機器の更新は、現状、小休止となっています。
お金の面でも、気持ちの面でも、一息つけるというのはいよいよ助かりますね。
次回は肝心な音質などについて投稿してこのスピーカーについて締めたいと思います。
幾分今回も長くなりました。
ではこれで失礼します。
ごきげんよう。
おやすみなさい。