
<管理人より>
日本国憲法の公布から71年目の11月3日。
「未来のための公共」がfacebookに【1103ステートメント】をアップされています。こちらでも情報提供ということでご紹介させていただきますm(_ _)m
【情報】「未来のための公共」【1103ステートメント】
先日2017年10月22日に、衆議院選挙が行われました。大枠では、自民党・公明党が議席の2/3を確保し、改憲発議の条件を改めて獲得しました。対する立憲野党は、まず立憲民主党が大きく躍進し、野党第一党の座を占めることとなりました。議席数は伸び悩んだものの、この間、市民と野党の共闘をつらぬき、結果として立憲民主党の躍進を下支えした共産党と社民党も、今回の選挙で存在感を示しました。
こうした結果は、市民と野党の共闘をあきらめなかったリベラルな市民の努力によって、初めて可能になったものです。わたしたちは、「決して引かず、この一線を守る」立憲野党と市民の共闘が改めて可能になったこと、そのパワーがさらに増したことを、今回の選挙から見えた希望であると考えています。今後の政党政治は、改憲をメインイシューとしつつ、数に物をいわせて改憲=壊憲を主張する与党勢力と、立憲主義と個人の尊厳を擁護する立憲野党の勢力との間で線が引かれ、対抗しあっていくでしょう。
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選挙の結果をうけ、いよいよ改憲論議が始まっていくことと思われます。しかし与党勢力による「改憲」、とくに自民党の抱く改憲草案は、立憲主義や平和主義といった、日本国憲法の根幹を著しく脅かす内容のものです。なにより、改憲草案のなかの「緊急事態条項」は、文字どおり、「緊急事態」の大号令のもと、日本に生きる人びとの権利を停止することのできる内容の条項となっており、とても許容できるものではありません。 すでに安倍首相は先の選挙を「国難突破」のためと位置づけ、また選挙期間中は北朝鮮の危機をおおいに煽っていました。このように簡単に「危機」が持ち出される現状を思えば、「緊急事態」までの距離はあまりに近いと言わざるを得ません。緊急事態条項の恣意的な発動にはリアリティがあります。
わたしたちの立場は、明確です。日本国憲法に明記された不戦の誓いを、わたしたちは支持します。わたしたちは、日本国憲法によって保障された自由と権利を擁護します。わたしたちは、日本国憲法に定められた健康で文化的な最低限度の生活を守るべく、与えられた権利の上に決して眠ることなく、行動し、共に勝ち取り、そして制度を常に改良していく道を選びます。わたしたちは、国家権力を抑制することによって日本国内の人びとの権利を保障する立憲主義の理念と実践、そして歴史を守ります。
わたしたちは、市民の一人として、また日本国憲法の上に生きる個人として、政治家に対し監視の目を怠らず、政治に参加し、ときにはわたしたち自身が声を発していきます。今後、わたしたちは、立憲主義と平和主義を破壊する勢力に対抗すべく、議会に確かに座し、しかし路上に脚を運ぶことを決して厭わない立憲野党と手を取り合っていきます。
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もちろん、日本国憲法の歴史は、決して、進歩と発展に裏付けられた一直線の道のりを歩んではいません。移民やセクシュアル・マイノリティ、障害者といった人たちの権利を守り切れていたのか。世界でいまだ終わらぬ戦争の惨禍に対抗できているのか。「核の傘」の下、被爆者の思いを踏みにじってはいないか。日米安保の負担をあまりに多く沖縄に押し付けているのではないか。また、つい先日発表された「ジェンダーギャップ指数」では日本は過去最低を更新、114位となりました。わたしたちは、こうした日本国憲法の困難と葛藤を実直に受け止めます。そして、日本国憲法の理念をより具現化するための必須の課題として理解し、解決を可能にするための努力を、決して惜しみません。
そう、わたしたちは、もっと憲法について語ることができます。わたしたちは、もっと憲法について議論し、いまの時代に求められている憲法のあり方とはどのようなもので、守るべき価値や理念は何であるかを確認しあい、そのためにどのような政治が可能なのかを熟慮していくことができます。もっともっと、わたしたちは、憲法をわたしたちのものにしていくことができます。
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今日は11月3日、文化の日であり、そして、日本国憲法の公布から71年目の日でもあります。「未来のための公共」は、安直な「壊憲」論議を振りはらいつつ、より自由でひらかれた、民主主義的と立憲主義を重んじ、平和主義を軸とする外交・安全保障戦略にもとづく未来の日本社会へ向けて、日本国憲法への敬意を表しつつ、そのあり方を思索していきます。
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2017年11月3日
未来のための公共
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