「生協だれでも9条ネットワーク」

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【参加報告】4/20市民連合「あたりまえの社会を考えるシンポジウム―貧困・格差の現場から―」(寄稿)

2018-04-29 21:56:35 | 参加報告

<管理人より>
 こちらでも情報提供していた4/20市民連合主催のシンポジウムの参加報告を、K.Mさんからご寄稿いただきました。以下にご紹介いたします。
【参加報告】市民連合「あたりまえの社会を考えるシンポジウム―貧困・格差の現場から―」
 4/20(金)の仕事帰りに北とぴあ さくらホールに向かったが18:30の開会には間に合わず、シンポジウムの途中からの参加となった。(シンポジウムの全体については、市民連合のHPに開催報告の記事があるのでそちらを参照してください。→こちら
 その開催報告にあるように「あたりまえの社会を考える」このシンポジウムは、「安倍政権以降の政治を具体的に構想する上で、貧困・格差の問題を継続して考えていくことの重要性を確認」するものだった。安保法制の強行採決以降、「安倍政権打倒」ということに力を入れて国会前行動や街頭宣伝が積み上げられているが、やはり市民連合はその先を考えているんだなぁと感心。
 前川さんの発言の途中からの参加となったが、私がメモした内容から少しご紹介する。
●元文部事務次官の前川喜平さん:学ぶことに確信がもてない問題がある。高校の数学は必修からはずしたらどうかと言ってきた。現場では小中学校段階の数学を高校で教えていたりする。その人その人にふさわしい内容が必要。希望をもてなければ学ぶ意欲を継続させることは難しい。学ぶことの意味付けや意欲がもてないとドロップアウトしていってしまう。

●NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長の赤石千衣子さん:非正規の働き方は年収100~150万円。一家を支えている正社員は400~600万円で、この間は日本では崖のように道がない。ラッキーな人はいるがルートがない。デパートの売り場のチームリーダーも非正規で正規になるには年齢制限があってダメで転職したいということがあり、会社側ももったいない。ルートをどうつくるか?一方では労働者が不足している。夫の配偶者控除の100万円を超す女性の働かせ方を起業に用意させる必要がある。生協も100万円以下でパートを働かせている(うわっ、言及されてしまった!)EQUITASで最低賃金1500円要求を掲げているが、どういうことになるのか?企業はレジ打ちなど安くて使える仕事、無駄なサービスは期待できなくなるだろう。そういう社会も含めて、ジェンダー平等の社会のイメージをつくっていく必要がある。
●活動家・作家の雨宮処凛さん:時給が1500円、年収240万円になったら何をしたいと聞くと、病院や歯医者に行きたい、処方通りの薬を手に入れたいという声が多い。貧困者は保険証ももっていない人が多い。医療へのアクセス保障がまず必要。家賃負担も重いが賃貸物件契約の際は保証会社に7000円も毎月払わなければいけない。高齢者もはじかれる。一人あたりの介護は4年10か月で5461000円かかるというデータがあるが、なしくずし的に介護突入し介護離職する女性が多く、「利根川心中」などの悲劇も起きている。貧困対策をパッチワーク的につなぎ合わせていく必要がある。

●下野新聞真岡総局長・山崎一洋さん:子どもの貧困について取材するプロジェクトの中で取材すると「うちの子なんにもワガママ言わないいい子なのよ」と言うお母さん。それが異常で子どもに意欲がない。世知辛いことも多く、生保問題を書くと何もせいないでお金もらってずるいとクレームがくる。その人自身も非正規でつらいのに金持ちには批判が行かない。社会全体のもみほぐし、つなぎ直しが必要。国会前でコールをしてもスカッとできない。貧困問題はどこまでシンパシーをもって助けてあげなければいけないの?という人が多い。「能力に応じて教育を受ける権利」があると言われるが能力がないなら仕方がないねという社会で、戦前からの意識がそのまま残っている。広く重く苦しいテーマ。隣人に対して引き受けていかなければならないが、どう引き受けていけばいいのか?これができなければ未来がない。多くの人に四方八方から取り組んで欲しいし、政策にしろと突き上げてほしい。連載を「希望って何ですか」にしたが、そういう問いがなくなるといい。

 コーディネーターの東京大教授の本田由紀さんも熱弁をふるい(メモの紙がなくなって・・・m(_ _)m)、最後に一巡して終了。全体の司会は市民連合の諏訪原健さん(元SEALDs)で、締め括りに参加者は約1000名だったと報告してくれた。聞き応えがあるシンポジウムだった。
 抗議行動への参加が続くが、このように考える場への参加もしながら息長く続けられるようにしたい。写真はデジカメを忘れて遠くからガラケーで撮影したものを1枚送ります。

※冒頭の写真は、協賛の総がかり行動実行委員会のHPより→こちら
※生協労連が動画をアップしています。→youtube版はこちら


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