「生協だれでも9条ネットワーク」

日本国憲法と平和主義、民主主義を守る活動を進める生協関係者のネットワークのブログです

【参加報告】4.15小澤隆一さん講演会の報告(その3)質疑応答・交流・まとめ

2017-05-12 23:59:00 | 参加報告
(その1)3人からの話題提供は、こちら、(その2)講演は、こちら


【参加報告】4.15小澤隆一さん講演会の報告(その3)質疑応答・交流・まとめ
Ⅲ、質疑応答
 5名の参加者から質問や意見がだされました。その一つ一つに小澤先生から丁寧な回答がありました。大要は以下です。

●現実に集会に参加出来ていない市民に対して、例えば「共謀罪が成立しても、自分はいかなる組織にも関わっていないので、自分とは関係がない」と思っている一般市民も、場合によっては警察に捕まえられる身近な問題だと気付いていただくことがポイントです。生協や主婦連など消費者団体はこれまでも手広く会員を広げてきた実績があります。今後も地域での地道な積み重ねが必要です。

●公務員の政治的中立性に関連して、これは憲法で保障された権利であり、「中立」とは「えこひいきをなくすこと」と捉え、憲法に縛られたという気持ちではなく、労働者の立場からの奉仕であり、不断に「憲法を暮らしに生かす」という視点が重要になります。

●兵器による抑止力に関連して、「それがあるから日本で現実に戦争が起こらないではないか」とのずるい論法があるが、憲法のもとで経済の発展や平和への希求を掲げて努力してきた成果であり、日米安保も国民の意志で変えることが出来ると思っている。

●総がかり行動共闘に関連して、全員参加型学生自治会や労働組合の力が萎えてきている中で、どうすると皆が参加できるのか、「総がかりを超える総がかり行動」に何が必要かを模索する時代に入った。お隣の韓国では市民が集まる広場があり、100万人以上の規模で市民が参加し、大統領などへの抗議の声をあげ、歴史的に市民が政治を動かしている。

Ⅳ、主催者まとめ
 コープネットグループ労働組合九条の会の占部修吾さんから閉会の挨拶があった。(冒頭の写真)
 小澤先生のお話が現状の理解にとても参考になったとして感謝の言葉を述べた。安倍政治は北朝鮮の拉致問題や失言、森友問題などを起しながら、政権支持率が下がらないのは、第一次安倍政権の轍は踏まないとマスコミコントロールに励んでいるからからかも知れない。しかし、権力が腐敗することを歴史に学ぶことは可能だろう。無党派層とともに安倍政権を選挙で交代させなければならない。そのために多くの市民に憲法前文や九条を浸透させる努力を惜しまないようにしたいと決意を表明した。

 なお、この学習会に参加した東京カズちゃんさんがFacebook上で以下の感想とまとめを発表した。要を得た文章なので敢えて掲載させていただく。さらにその記事へのコメントもとても参考になるのでそのまま掲載した。(名前は頭文字に留めた)

<東京カズちゃんさん>
 今日の午後は「生協だれでも9条ネットワーク」など主催の学習会が主婦会館プラザエフにて開かれ、小澤隆一さん(東京慈恵医大教授・憲法学)が「安倍政権と憲法をめぐる情勢」のテーマで講演されました。30人超が参加しました。小澤先生は2015年7月13日の衆院安保法制特別委員会の公聴会にて公述人として発言しています。以下はその概要です。
 国民が安保法制と憲法の関係に注目し始めたのは、2015年6月4日の憲法審査会で3人の憲法学者が安保法制は違憲と発言したことによる。その後、形骸化した議会的民主主義に対抗する形で、議会を取り囲むカウンターデモクラシーが活発となった。その象徴が「民主主義って何だ」とSEALDsがコールしたあのスローガンである。
 安保法制の矛盾点はいくつかある。1つは集団的自衛権を限定して行使するというものだが、そもそも存立危機事態になる武力攻撃などの概念が曖昧で範囲が不明確なので、「限定」できない。また、自衛隊は武力行使とならない後方支援などをするという規定ぶりとなり、自衛隊員は国際法上戦闘員ではないとされるので、軍人としての捕虜扱いもされないという不安定な法的地位に置かれることになった。
 現在国会に提出された共謀罪法案はテロ対策と政府は標榜しているが、実際は当局が国民の計画や準備行為で処罰できることになり、市民を監視することにより、憲法で保障された表現の自由への萎縮効果が懸念されている。本来は表現の自由への規制は適正ないし最小限のものであるべきである。
 安倍内閣への支持率が高止まりしているなど憂鬱ではあるが、受け皿としての野党共闘を推し進め、「あきらめない」で希望を持ち続けよう。

<上記の記事へのコメント>
M1さん
最後の「あきらめない」がとても大事だと読みながら思いました。諦めない、これが今一番大切だと改めて思った次第です。自衛隊の地位の矛盾について、伊勢崎賢治先生も繰り返し述べられていました。日本がこれから国際貢献の中で何が出来るのか出来ないのかを明確にしないままで、海外派遣に赴く自衛隊の方々が翻弄させられるだけではと思っています。まだまだ勉強しなくちゃと。
東京カズちゃんさん
なかなか打ち出の小槌にあたるものが市民運動側にもないということで、やっていることを継続するということかと思います。しんどいですが、したがって、楽しくやっていくことが重要ですよね♪
M1さん
はい、私も全く同じ思いです。個人的にはSEALDsの時は楽しかったです。
M2さん
シェアさせていただきました。私も参加しました。講師の小澤隆一さんは私と同じ年の生まれということで一気に親近感アップ(^^ゞまた、一ツ橋大学生協の総代会の議長もしたことがあるとのことで、「生協だれでも9条ネットワーク」にふさわしい方だったなぁと思いました。約40人の参加がありましたが、若い世代の参加が嬉しかったです。こういう場をいろいろなところで設けていきたいですね。いろいろと工夫をしていきましょう。
東京カズちゃんさん
シェアをありがとうございます。
Kさん
小澤先生のお話は良かったですね。あっという間の1:30でした。
私は質疑応答で語られた「憲法を使うセンス」という言葉が心に残りました。そう、使わなければ!
東京カズちゃんさん
かつて埼玉県の畑和知事時代に県庁の垂れ幕として「憲法を暮らしに生かす」と掲げていました。まさにこれと同じ精神と実践だと思います。


報告記事(その1~3)文責 藤原一也


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