今日は左官屋さんのお仕事にスポットを当ててみました。
最近はクロス地が主流になってきているので、左官屋さんのお仕事を見る
機会が少なくなってきました。
でも、左官屋さんが生み出す職人技ともいえる呼吸する壁は、いつ見ても
素敵だなと思います。
いつもお願いしている左官屋さんは、しんちゃん棟梁と同世代の親方さんで
しんちゃん棟梁と同じく 若くからその道一筋で頑張ってこられた親方さんです。
まずは 子舞竹を編んで荒壁の下地を作ります。

全て手作業の為 おうちの大きさにもよりますが 大体 4日~1週間ほど
この子舞竹編みの工程に要します。
次に荒壁塗りの工程に入ります。
竹子舞の下地にうえに スイスイと荒壁が塗られていきます。
荒壁は表だけ塗られた状態で、いったん 乾燥させます。
写真は片側だけ塗った荒壁を裏側から撮ったものです。
片側の荒壁が乾いたら、次に荒壁の裏返し塗りの工程に入ります。
荒壁が乾燥したのち、現場は内部造作が本格的に始まります。
内部造作の大工仕事を進めながら、次は荒壁の大直しです。
大直しの壁に付けられる松の葉の形は、「待つ」の意味があるそうです。
写真は、押入れを漆喰塗りをしている左官屋さんの親方です。
漆喰は防湿性や防火性に大変優れている為、昔の蔵によく使われていたそうです。
そして、中塗りの工程です。
柱などが汚れないように、保護シートをかけながらの作業です。
そして、この後 中塗りから約1年ほど乾燥させたのち、やっと仕上げ塗り
になります。
仕上げ塗りまでの工程は、去年施工させていただいたK様邸の写真です。
上の仕上げ塗り後の写真は、数ヶ月前 仕上げ塗りをしたばかりの
しんちゃん棟梁家の和室です。
若い世代の方は特に、左官屋さんのこういった工程を見られる機会はあまりない
と思います。
土壁は、こうやって何回も塗りの工程を繰り返し、手間と時間を掛けて
作られていくのです。
昔から受継がれてきた工法には、それなりの意味があるものと信じています。
新しいものも取り入れつつも、昔から伝わるこういった工法を次の世代に
渡していくことも 又 しんちゃん棟梁世代の大切な役目の一つだと思います。
西井建築工務店ホームページ
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