式年遷宮を4年後に控え、伊勢神宮の新しくなった宇治橋を
子供達と渡ってきました。
こちらが新しくなった宇治橋。
そしてこちらは架け替えられる前の今年1月の宇治橋。
(この宇治橋は平成元年に架け替えられたものですね)
こうして写真を並べてみると、よく分かりますね。
なぜ二十年に一度 このように架け替えられるかというと
式年遷宮の建て替えに携わる職人さん達の技を
継承していくためでもあるのだそうです。
例えば 子供達が間から覗き込んでいるこの木曽檜の高欄(こうらん)(欄干のこと)は
350もの材を釘一つ使わず、仕口、継ぎ手で組み上げ
最後に敷板(普段私達が歩いている所の板が敷板です)に空けられた穴にいっきに落とし込むのだそうです。
そしてその高欄が落とし込まれた敷板は
船大工の伝統技法である【すりあわせ】という技法によって
雨水が橋脚に漏れないようにしているのだそうです。
【すりあわせ】は、昔から船大工が船底に施した技法です。
ただ今現在は、木造の船を作る船大工は殆どいなくなってきています。
だからこそ、このように一つ一つの技法が遷宮によって受け継がれていくことは
本当に意味があるものなのですね。
今回 こちらの宇治橋を任された棟梁さんは60代。
実に3度目の宇治橋架け替えなのだそうです。
この棟梁さん世代の技と心意気が又次の世代へと繋がれていきます。
次回 20年後の宇治橋架け替えの時には、今回の架け替えに携わっていた
若い世代の職人さんが指揮をとってくださることでしょう。
宇治橋を渡ると、伊勢神宮の中は まさに只今紅葉真っ盛りでした。
神宮のなかでは 4年後の式年遷宮に向けて【遷宮の匠】達が
仕事に打ち込んでいる姿を拝見することもできました。
次回20年後の宇治橋架け替えの時には三人の子供達は
それぞれが30歳前後の歳になっています。
もうその頃には、こうやって三人が仲良く並んで宇治橋を歩いている光景は
見れないでしょう。
もしかしたら
彼女や彼氏と腕を組んで歩いているかもしれません。
いえいえ
もう新しい家族を持って赤ちゃんを抱いている子もいるかもしれません。
もちろん親である私達とは多分 一緒には歩いていないと思います。
でも不思議と寂しいとか、そんな風には思いません。
むしろ逆に
出来れば それぞれがそれぞれに
大切な友人や、パートナーや、新しい家族と 共に
こうやって新しい宇治橋を渡ってくれていてほしいと願っています。
そして
自分自身はというと
新しくなった宇治橋を
共に60代になった棟梁とゆっくりと渡ってみたいなぁ。
と思います。
20年後も変わらず付き合い続けているであろう大好きな友人達と
おしゃべりをしながら楽しく渡るのもいいなぁ。とも思います。
20年後も又 こんな風に
遷宮の建て替えに携わる沢山の職人さん達の技と心意気を見せていただけることを
楽しみに待っていたいと思ってます。
西井建築工務店ホームページ