備忘録

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『エリザベート』宝塚花組・宝塚大劇場千秋楽公演

2014-09-28 00:22:33 | 国内ミュージカル
花組公演 宝塚大劇場千秋楽公演

今更、アラスジでも思ったら、
予想外にツッコミ処満載だったので、羅列。

”我ら生き絶えし者ども”
ルキーニの台詞が東宝版と違うのは知っていたが、
亡霊達の衣装もその後に登場する衣装。
この時点で、人数が多く、人海戦術エリザ認識に。

”私を燃やす愛”
そして、トートがクレーンに乗って登場。
といっても、エスカレーター仕様で、
少しだけ下ったあと、普通に降りる。
ポイントは何故か左手に剣を持ち、
右手には羽を付けている点。

エリザベートという歌詞に合わせ、
丸い額縁と等身大、二つの肖像画
が出てきて、等身大の方から少女シシィ登場。

"パパみたいに"
フランス語の家庭教師が登場するものの、
マックスとの絡みはなく、マックスは一人で登場。
それほど、老けメイクは無し。
親戚付き合いはペストほど嫌いではないらしいマックス。

”ようこそ、みなさま”
親戚にヘレネのお見合い報告。
親戚ソロパートの台詞が良く聞こえる。

上手から男の子がロープを持って登場。
実はシシィの弟らしい。
で、そのロープを張って、
シシィが一歩、踏み出すと落下。

まさか実際に、エリザが落ちるとは。
映像に慣れていると、本人が落ちるとは思わなかった。

"愛と死のロンド"
もちろん、シシィをお姫様抱っこしない。
普通にトートは一人で登場。
この時の黒天使のフォーメーションが格好良い。

”皇帝の義務”
フランツ登場。かなり若作りな台詞回し。
ただ、それ以上に若くみえるゾフィ。
死刑囚の母親への判決に、
かなり悩みぬく、フランツ。

"計画通り…"
一応、マックスもバートイシュルまでは行く。
が、途中で居なくなり、幕が開く。

すると、後ろに鹿の剥製が二体も登場。
下手の鹿の角を打ち落とすと、マックス再登場。

お見合いが始まり、落ち着かないシシィ。
きっちりマックスもお見合いに参加し、
シシィが持っていたオレンジを
ルキーニが転がし、それを取ろうとして、
フランツとぶつかるシシィ。

"嵐も怖くない"
フランツのプロポーズシーン。
って、既にプロポーズは成立しているけど、
室内でこの曲が繰り広げられるとは思わなかった。

で、トートがストーカーよろしく、ガン見。

”不幸の始まり”
神父をトートが演じる。
また、観客に黒天使が混じっているが
明らかに分かるだろう、それ。

”結婚の失敗”
ゾフィとマックス以上に、
アンサンブルのコーラスが聞き取りやすい。
そして、観客に翻弄されるシシィ。

"最後のダンス"。
踊(れ)るトートで、黒天使を従え、華麗に踊る。
というか、歌詞通り、最後のダンスはオレのもの。

"私だけに"
東宝版と同じ位置にあるのに、
ゾフィとの諍い、フランツとの温度差等、
シシィの置かれている大変な状況をリアルに感じる事に。
この流れで、この歌詞がスゴい納得いく。

なお、初めは地声だったのに、
段々と裏声になっていき、文字通り、絶唱。

"美貌の皇后"
そうやって、”私だけに”と自由に生きていく事を
誓っても、娘の養育権はゾフィにある。
しかし、自分の美貌が武器になる事に気づき、
それを使い、権力を気づきあげていくシシィ。

ここも東宝版と同じ流れだが、
その”美貌”に裏付けのあるシシィ。

”デブレツィンBGM”
エルマー達が登場。
この三人がオーストリアとハンガリーの関係について、
話しているのだが、大変にわかりやすいというか、
説明くさいというか。で、反乱を起こすが、
シシィが三色旗のドレスを着て、
民衆を宥める過程が、これまた分かりやすい。
この作戦に悔しがる三人。

"闇が広がる"
そんな三人に向かって、
普通に話しかけるトート。
見えるんかい、ハンガリー勢。

この段階で何故、この曲が入るのかと思ってたが、
ハンガリー勢の中に生まれる闇、という
解釈は考えてもみなかった。

”退屈しのぎ”
ハンガリーは交戦モードなのに、
ウィーンの市民は暇つぶし。
この構図も今回、初めて気づいた。

でも、そんなカフェにハンガリー勢が忍び込み、
情報を交わしあう。そこに、トートがお忍びで登場。
そして、エルマーと意気投合してしまう、トート。

"エリザベート"
まず、フランツのシシィ訪問。
シシィがドアから出てきて、
最後通牒を渡す。一応、顔は出すらしい。

”エリザベート(泣かないで)”
次はトート訪問。
死へ誘うが見事に拒絶。
この時の"ショックばーん"なトートが衝撃。
実際、この後、出番があるため、
しばらくは舞台に居るのだが、
セット転換のため、結構、長くいるため、
なんかショックから立ち直れないトートみたいで新鮮。

”ミルク”
なんで、トートが居続けるのかと思ったら、
ルキーニの代わりに唄うためだったのね。
決して、ショックから立ち直れないわけでなく。

”私だけに(リプライズ)”
再び、フランツ訪問。
勝負ドレスのシシィに照準を合わせていたら、
いつの間にか銀橋にトートが。
どうやって、登場したのか見逃した。

勿論、裏声で歌うシシィ。

"キッチュ"
ルキーニ客席降り。
日替わりネタは、
千秋楽なので、皆と一緒に写真を撮る。
という台詞に。

美女の写真を集めるシシィに、
各国の民族衣装に身を包んだ人が登場。
この辺は完全にヅカ版のみ。
そして、三番がある男役の見せ場。

”私が踊るとき”
ハンガリー政権は認められたが、
国王はフランツである。しかし、
エリザベートに夢中の国民はそれに気づかない。
こういうハンガリー勢の憤りが、
ここで示されているとは思わなかった。

シシィのソロからはカットで、
トートのソロから始まるこの曲。
操り人形のような、激しい振りはない。

”ママ何処にいるの?”
ベッドも机も何もない処で、
歌い上げる子ルド。なので、
大変に孤独な雰囲気は伝わる。

"皇后の勝利"
家臣団のフォーメーションと振り付けが独特。
ラウシャーが娼婦を宅配する事を提案。
それに対して『使ったことがあるのか?』と聞くゾフィ。
それに押し黙るという流れで東宝版と異なる。

”マダムヴォルフのコレクション”
これでもかってくらい派手なコレクション。
マーメイドと羽の付いた娼婦が登場し、
『魚か肉か』といったジョークも。

ラスト娼婦にキスをする瞬間を
カメラに撮るルキーニ。そして、感染。

"マラディ"
変装はかなり上手いが、声がそのまんま。
とにかく『死ねばいい』が格好良い。

”いつになったら”
ここでゾフィ退場。
でも、親子喧嘩曲は無し。

"闇が広がる(リプライズ)"
フランツの拒絶、父子で広がる溝。という、
何故、ここでこの曲を唄うのかが、分かりやすい。

”死の舞”
シシィにも拒絶され、死に向かうルドルフ。
黒天使にされるがままのルドルフ。
最後のキスはアッサリ。

”夜のボート”
歌詞通りすれ違う。
それを念押しするルキーニ。

"最終答弁"
フランツの悪夢ではなく、
あくまでもフランツの主張。

最後に、ヤスリを受け取るルキーニ。
そして、暗殺。

”愛のテーマ”
フランツともすれ違い、
ようやくトートの存在を認める。
かと思ったら、一気に好意を持つって。
あんだけ拒絶してたのに、最後では受け入れる。
この心境の変化は何故か、語られない。

明日海@トート
ただの少女に恋した死神。
これを具現化したトート。
ただ、ここまでシシィに恋するトートは初めてみた。

歌は普通。
マイクバランスが良いのか、通る声だし。
ただ、周りが上手いので、どうしても、
歌声による、主役の圧倒的オーラが薄い。

蘭乃@シシィ
貫禄のシシィ。
なのに、裏声。

普通に地声で唄ってみては?
と思うことがシバシバある。

北翔@フランツ
ここは専科から。
でも、若フランツが結構、若々しい。
ただ、一番は夜のボートの老けっぷり。
一体、幾つだ、この人。

望海@ルキーニ
ギャグがスベらないルキーニ。
こう、コメディリリーフというか。
ナニゲにトートよりも上手いような…。

柚香@ルドルフ
大変に素直な歌い方。
棒演技とは違い、普通に新人なのか、と。


ヅカ版初見。
東宝版では、ひとつひとつのシーンに、
ぶつ切り感を感じたが、今回、ヅカ版を観て、
シーンひとつひとつに意味がある事が分かる。

それがシツコいくらい続き、
観客へ想像させる事を放棄させている。
分かりやすい演劇というのが前提なのかも。

しかし、同じ演出家なのに、
何故、ここまで違く感じるのだろうか?

もう一点が、トートとシシィの壮大な恋物語。
と言っても、トートの一方通行な愛で、
ひたすら拒絶され続ける、トート。

なのに、最後はあまり説明されず、
くっつく二人というのが、ちょっと納得いかず。
それまでの説明過多は何処にいったのか。

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