備忘録

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『スカーレットピンパーネル』梅芸版・再演

2017-11-27 23:37:31 | 国内ミュージカル
初演、ヅカ版、韓国版の感想はコチラ

石丸@パーシー
ファッションにしか興味のない貴族、
年寄り風なグラパンの変装、
イケメン風スカピンとしての素顔、
(主にベランダシーン)
この演じ分けが初演より際だった気がする。

特に、バカっぽい貴族。
この部分の力の入れよう。
前よりも凝った演技になったような。

歌は更に低音に。
逆に高音、鼻に掛かる歌声が、
以前に比べると無くなったような気がする。

歌い上げの曲も、高音でなく、
地声で引っ張って歌うように。
ちょっと、意外。


安蘭@マルグリット
ソロも含めて、中低音志向に。
デュエットや重唱は高音。

地声(ベルト)第一主義のワイルドホーン
なので、アリスやミツコのような、
ソロの多い役に比べると、コッチの方が無理がない。


マルグリットの不安がメインに。
ま、確かに知らない人から見れば、
結婚式の日から、ダンナが遊び人に
なってる感が強い話だけど。

なので、事情を知ってる
マリーやアルマンに聞いても、
はぐらかされて、フランスに
乗り込むという流れが自然に。



石井@ショーブラン
コミカル度は減り、普通のツメの甘い軍人路線。
初演はもっとコメディ要素が強かったような。

歌も低音。
リュークみたいな歌い方でなく、
正統派なイケメン軍人なシブい歌い方。

ただ、石井氏の一番の声の
魅力は高音の印象が強いので、
ちょっと勿体無かったかも。


上原@ロベスピエール、ウェールズ
二役の演じ分けがイマイチ。

ウェールズのバカ殿風の
高音なしゃべり方と、
几帳面な役人風のロベピ。

両方とも、上擦った喋り方で、
あまり違いが感じられない。

それでもバカ殿風な話し方は分かるけど、
ロベスピエールはもっと落ち着いたイメージが。
それとも、この時期は統制に焦って、
不安定な頃なのだろうか?

二幕の”新たな時代は今”。
もっと、歌い上げるのかと思ったら、
そこまでは歌い上げない。ちょっと意外。


泉見@デュハースト
スカピン団に居ても、
声で判別出来る特徴的な声。

パーシーの親友感は出ていた。(年齢的に)
再演で、ここの年齢設定が上がった気がする。

”炎のなかへ リプライズ”の
歌い出しの安定感がハンパ無い。


松下@アルマン
二幕の捕ってからの痛々しい様子や、
パーシーの事を誤魔化そうとする
コメディっぽさ、この辺が妙にハマっている。

歌派のイメージだけど、
ソロがほとんどなく、
二幕のヘタレ感だけが印象に残る。


久保@オジー
一番、キャラ立ちしている。
もう存在そのものがコミカル。

ただ、ちびソロが無くなったような。

久保田@ベン
スカピン団で、一人、
パーシーに敬語キャラ。


多和田@エルトン
スカピン団でボケキャラ。
イソギンチャクの立案者。

一応、ダンサーらしく、
本役意外のモブシーンでは、
踊っているらしい。


東@ハル
デカい。来年、『マタハリ』
のアルマンで観るけど、
ラドゥよりもデカいような。

歌声は判別つかず。


藤田@ファーレイ
寡黙。
でも、レミゼで観てるし、
歌も歌っていたような。


川口@ジェサップ
執事として登場。
そこまで作ったキャラではないけど、
アンサンブルに入れば、探すし、
”炎のなかで”の特訓シーンでは、一番強い。

”男のつとめ”の前での、
吹き出す感は抑えめ。

ロベピからプリンスの
着替え時に幕を持っている人。


田村@サンシール
本役は冒頭のワンコーラスのみ。
あとは、ほとんどバイト出演。
だけど、一番目につくアンサンブル。

牢獄シーンでは、また貴族に。



一年を待たずに再演。
ただ、メイン3人は変わらず、
他のプリンシパル、スカピン団は総とっかえ。

やはり、この3人有りきの座組なのか。
ダブルでも良いから、入れて欲しかった。
もちろん、続投三人の安定感は有るけど。

何はともあれ、”炎のなかへ リプライズ”
これが安心して聞ける座組に。


初演と再演での演出の違いは分からず。
ただ、メイン3人の印象は微妙に変わった。
ともかく、来年の『マタハリ』を国際フォーラムで、
どう演出するのか、それだけが懸念材料なので、
今回の再演の追加演出を注意していたのだが。

前回同様、結構、セット展開が多い割に、
一幕最後は、小手先な演出を使わず、
歌い手に照明を当てるだけというシンプルな演出。

それに、ワイルドホーンでお馴染み
妄想デュエットが一曲有るけど、
それも照明のみのシンプル演出だし。

歌で聞かせる曲はシンプル路線?
『マタハリ』はソロ曲が多いので、
それならそれで有りかな。

一幕最後の飛行機と二幕の裁判シーン
の処理の仕方がポイントになるかも。


後は歌詞の問題。

ヅカ版に慣れていると、
文字数が足りないと思ってしまう。
妙な節回しを感じた。特に、ショーブラン。

この辺は日本語で始めて観るので、
その辺の違和感はないだろうけど。

ともかく、石丸さんがどこまで、今回の
再演に手を加えているのか、それが気になる。
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