備忘録

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『bare』(再演)

2016-07-05 18:38:42 | 国内ミュージカル
ざっくりなアラスジ。

全寮制の共学高校に通うピーター。
彼は同級生のジェイソンにひかれていた。
ジェイソンはジェイソンでピーターを受け入れていた。
(念のため、二人とも男子”生徒”役)

ある時、学内で『ロミオとジュリエット』を上演することに。
オーディションの結果、ロミオはジェイソンに、
ピーターはマキューシオに決定。

ジェイソンには双子の妹・ナディアが居て、
彼女は太っている事にコンプレックスを持ち、
ルームメイトのアイヴィはそんなナディアを
若干、軽んじてもいた。

そのアイヴィはジュリエット役に。
アイヴィはジェイソンに気があり、
何かと二人きりになろうとする。

しかし、ルーカス主催のドラッグパーティでも、
いつの間にか、アイヴィの気づかないところで、
ジェイソンとピーターは抜け出し、
抱き合っていたが、そこをマットに観られてしまう。

そんな二人だが、普段は
素っ気ないジェイソンにピーターは不満気。
アイヴィの誕生日のパーティでも、
皆の前で素っ気ない態度を取るジェイソンに、
ピーターは誤って、酒を飲んでしまう。

一方、ジェイソンの事しか
興味のないアイヴィに、
アイヴィに気のあるマットはやけ酒を。

そんなピーターとマットは意気投合で飲み、
つい、ピーターはジェイソンとの事を話してしまう。

マットにジェイソンの事を話したピーターは、
謎の黒人シンガー(ダイアナ・ロス似)から、
母親にも話すように、という幻覚をみる。

その事をジェイソンに話すと、
とんでもないと、激怒。
二人が距離を取り始めたとき、
ジェイソンの前にアイヴィが現れ、
一晩だけ関係をもってしまう。


二幕。
春休み終了後、ピーターとジェイソンの
関係は以前のようでは無くなっていた。

アイヴィとの仲を疑うピーターは
以前の様に、ジェイソンに固執せず、
逆にジェイソンがピーターを求めるように。

『ロミオとジュリエット』の稽古は進むが、
肝心のジュリエット役のアイヴィが練習に現れない。
代役にピーターが対応するが、
それを観たマットが、二人の仲を指摘。
その場に居た皆が知ることに。

一方、稽古に現れないアイヴィに、
ナディアは稽古に出るように言うが、
アイヴィは妊娠した事を告白。

アイヴィはジェイソンにも話すが、
ジェイソンは皆の前でバラされた事との
ダブルショックで練習すらおぼつかない。

『ロミオとジュリエット』の本番当日。
マットやルーカスから、
全てを知っても変わらないと言われるが、
ルーカスから貰ったドラッグを
出番直前にキメてしまうジェイソン。

そのまま、本番が始まり上手く踊れない
ジェイソンはそのまま倒れる。

卒業式。
皆が卒業するなか、ジェイソンの姿だけは無かった。
ジェイソンの代わりにスピーチをするナディア。
そして、ピーターの番になった時、
後ろから白い衣装のジェイソンが
ピーターをバックハグして、暗転。


岡田@ジェイソン
普段は、役付きなアンサンブル扱いで、
四季でも、役付きなベテラン枠。
それゆえ、全くストレスの無い歌唱力。
長身で埋もれない、とポイントは外さない。

ただ、実は、この作品では主役だった。
(結局、華が無いということか)


橋本@ピーター
ともかく、演技派。
主役はジェイソンでも、
話の中心はピーターだし、
時系列で揺れ動く心情を表現。

ただ、如何せん、歌が…。
演技では埋もれないけど、
歌では埋もれる残念感。


増田@アイヴィ
元AKB48というアイドル枠だけどソロは普通に聞ける。
ただ、デュエットやアンサンブル曲になると…。

むしろ、初演キャストの布陣を考えると、
何故にここに、アイドル枠を投入したのか。


染谷@マット
ここに、安定ウタウマなキャスト。
ともかく、目立つ歌声で、
岡田氏とともに、印象に残る。

岡田氏に比べると、
まだ、アンサンブル枠だけど、
大作や大型作品のアンサンブルを
やっているだけに、ソロでも目立つ。


谷口@ナディア
1stキャストでは、
唯一の初演からの続投キャスト。
(あくまで表記順として)

もう、この手の役は得意分野なので、
確実な笑いと魅せる歌声を披露。

プリンシパルはテナ妻だけのイメージだけど、
モリクミのポストを引き継いでいきそうな。


松永@ルーカス
完全にダンサー枠。
そのダンスパフォーマンスから、
独特の存在感を発揮していが、
歌のソロパートになると、ちょっと。

歌も少ないので、特に問題はないけど。


宮垣@ザック
ともかく、長身。
その上、安定した歌声。

アンサンブルの中では、一番、目立っていた。


川崎@神父
役柄的に、もっと重厚なハーモニーに
なると思いきや、キーは若干、高め。

そして、埋もれる。
(声量が無い)

ただ、一曲、山口氏を彷彿する曲が。
声質が似ているのか、上擦った声が似ている。


入絵@シスター
踊るシスターは演目違いで
見慣れているけど、ゴスペル風な歌い上げ。
(正確にはシスターでなく、ダイアナロス)


全編、歌によるミュージカル。
ほとんど、台詞は無い。
なので、役者によっては、
それが有利になったり、不利になったり。

楽曲はノリの良い曲が多いが、
耳に残るのは、以前にも聞いていた、
ナディアのソロくらい。

そして、男性二人で歌う曲が
意外と多く、ジェイソンとピーター
の内面をダラダラと綴っていく曲が多い。

聞き込めば、耳に残りそうだけど、
初演キャストが地味に豪華だったので、
そっちで観たかったというキャストもチラホラ。


で、結局、アイヴィは子供を産んだのか?
というか、(ほぼ)自殺したジェイソン以外、
誰も何の問題も解決していないような…。
(マットの恋心とか、ナディアのコンプレックスとか)

結局、一方的にbareした(さらけ出したのは)、
(ほぼ)自殺という手段のジェイソンだけ。
この辺の、登場人物が微妙に、
成長しないのが『春の目覚め』と違う点か。
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