備忘録

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『The Beauty Queen of Leenane』

2017-12-11 03:35:16 | 国内ストプレ
テキトーなあらすじ。

老女マグが一人、居間でテレビを観ている。
そこに、娘のモーリーンが帰宅。

モーリーンはマグを気遣うが、
マイペースなマグはモーリーンを
怒らせるようなワガママばかり。

それでも、なんとか均衡を保って、
二人だけの生活を続けてきた。

ある日、レイが現れる。
モーリーンをパーティーに
誘いに来たがマグは行かせまいと画策する。
が、検討空しく、モーリーンはパーティーへ。

パーティー当日の夜。
モーリーンはレイの兄パトと共に帰宅。
そのまま、一夜を過ごす二人。

翌朝。
マグは何時も通り、ワガママを言うと、
モーリーンの代わりにパトが対応。

モーリーンも起きてきて、
マグの前で昨日の夜のことを話し出す。

焦ったマグはパトに、モーリーンが精神病院に
居たことをモーリーンの前で話し出す。
その証拠を突き付けるために、マグは部屋に戻るが、
パトはそれでも気にしないとモーリーンに告げる。

二幕。
パトはモーリーンに手紙を書く。
その内容はパトがアメリカに戻ること、
パーティーの夜に何もなかったこと、
(モーリーンの話はマグをジラすためで、
あの夜、二人の間には何も起きなかった)
そして、手紙の中でプロポーズをし、
返事を待っていると締める。

居間。
マグが一人、居間にいると、
レイが手紙を持ってやってくる。
マグはレイを上手くだまし、
手紙をモーリーンに渡すと告げ、レイを帰らせる。

そして、パトからの手紙を焼き捨てる。


数日後。
機嫌の良いモーリーンに、
マグはパトしか知り得ない話をし、
モーリーンに怪しまれる。

そこで何かあると、踏んだモーリーンは、
マグの手に、熱した油を垂らし、
パトから手紙を来ていた事を聞き出す。

マグに手紙の内容を思い出させ、
パトがアメリカに行く前に会いに行く。

数日後。
モーリーンはマグに対し、
あの日の夜の話について話す。

何とか間に合い、モーリーンは
アメリカに行くための荷造りを始める。
そんなモーリーンに対し黙っているマグ。
既にマグはモーリーンによって殺されていた。

マグの葬儀の日、レイがやってくる。
パトが結婚すること、アメリカに発つ日、
なぜ追いかけなかったのか、と聞くレイ。

実は、あの日、モーリーン
は間に合っていなかった。
勝手に、間に合った事にしていただけ。

そして、モーリーンはレイも
殺そうとするも、帰り際に、
子供のころ隠されたボールを発見。

それをモーリーンに
責めることで、レイは生き延びる。

一人残った、モーリーンは途方にくれ、暗転。


那須@モーリーン
主人公、らしい。
観ていて、伊藤蘭さんを彷彿。

親の介護と田舎暮らしの閉塞感が、
異様にリアルで、それでいて、誇張。

精神病院に入院、というのが、
この話のオチに繋がるので、
実は妄想キャラとしての存在感も。


吉原@パト
モーリーンを救う、救世主。
二幕冒頭で、モーリーンの事が、
本気で有ることは分かるが、
そこまでの積極性はなく、
振られたと思うと、直ぐに、別な女に。


終始、囁く吉原氏。
劇場に合わせた演技なんだろうけど、
声を張らない、感情を出さない、
静かな男、という役回りは珍しすぎる。


内藤@レイ
実はマグ以上に、元凶の一人。
こいつが、パトの指示通り、モーリーンに
渡していれば、ガラッと話は代わり、悲劇は起こらなかった。


若干、幼さが残るけど、
何歳設定だ、これ。


鷲尾@マグ
ワガママな老女。

実は自由に歩けるし、
身の回りの事は一通り出来る。
火傷を負ったというリアルな
爛れている特殊効果を手に付けている。


小川演出。
『ピローマン』
『スポーケンの左手』
に続く、小劇場でマクドナー作品シリーズ。

初期の作品なので、過去二作に比べると、
派手さやグロさは少ない。それでも、
お湯を掛ける拷問を中年女性が、
サディステックに行うと、怖さは有る。

それと、ラストのレイとモーリーンの
会話のズレが、オチに繋がるのだけれど、
『ピローマン』と違い、救いがない方へ。


消えモノが本物。
食べながら話すのはかなり大変そう。
特に、キンバリーは口の水分を奪いそうで。
こういう処で地味にリアルな小道具。


長塚演出のパルコ版は未見。
だけど、大竹@モーリーンの静かな狂気や、
大声を出す白石@マグ、
優柔不断な田中@パト、
ちょっとオツムの足らない長塚@レイとか、
結構、容易に想像はつくし、観たかった。


よく考えると、マクドナー作品で
女性が主役というのは珍しいのかも。

なので、この母と娘の確執の話を、
女性が演出すると、会話に妙な
リアル感が出てくる気がするし、
鈴木裕美さん辺りの別な女性での演出も観てみたい。
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