備忘録

舞台の感想を書いています。(ネタばれ有り)Twitterはdacho115。

『タイタニック』トム・サザーランド版

2015-03-21 22:02:31 | 国内ミュージカル
グレン版初演の感想はコチラ
グレン版再演の感想はコチラ


加藤@アンドリュース
開演前から舞台に居るのに、一幕の出番の無さ。
開演直後の歌をイズメイに取られたため、
舞台上でウロウロし、ソロもあるが、目立たず。

二幕では設計者の責任から、劇中も
ボチボチ登場し、結構、低音で歌いきる設計士。

二幕の責任擦り付け合いソング"The Blame"は、
低音担当で、光枝氏よりも低いパートを歌ってるような。


鈴木@イスメイ
オープニングから登場。
聴衆から非難されているが、
決して裁判シーンには見えない。

その後、タイタニックの評判を上げるため、
速さに拘り、船長に無理難題を押しつけるオーナーに。

沈没が確定すると、
あの何処を観ているのだろう、
という視線で、ずっと客席を見続ける。

そして、コッソリ、でも颯爽と、
救命ボートに飛び乗り、生き残る。

最後、生存者側として、一人舞台に残り、
水死した船員が次々と再登場するも、一人、
笑顔でなく、その何処を観ている?な視線で歌い上げる。


オープニングから歌う。
ソロは相変わらずだが、
注目は設計士と船長との三重唱"The Blame"。

一人、マイナー調なため、
とにかく声が目立つ。そして、高音担当。


藤岡@バレット
バレットが三番手に(船員よりも上)。

ポップスな歌唱で、汚れ役だけど爽やか。
ま、相変わらず、体型は太いような気がするけど。

最初の炭入れソング"Barrett's Song"では、
他にもボイラー係が現れ、後ろで踊る中、歌う。
普通に地上と変わらない現状を訴えるのでなく、
ちょっとコミカルな訴えソングに変更。

ボイラー係以外にも、
客として登場するが、ボチボチ目立つ体型。


戸井@エッジズ
イマイチ、声を覚えていないが、安定の美声路線な給仕。

主人公の友達役で、良く観ているためか、
こういうバイプレーヤー役が恐ろしくハマる。
観ている間、前任者を全く思い出せなかったので、
すでに、役として確率している可能性も。


佐藤@チャールズ
歌えば美声だし、低音だし、ソロパートで
本気を出した時の、声の存在感がさすが。

ただ、その分、台詞が…。
特に、違和感は無いのだが、
吹き替えチックで、そこの居るのに、
別の人が話しているよう。


フランツに台詞がなければ、”悪夢”の迫力はスゴそう。


津田@マードック
台詞廻しも違和感なく、歌も普通に美声なのだが、
それ以上がなく、演技が一本調子というのか、
あまり苦悩とか、焦燥とかが感じられない。

エリート路線で挫折を知らない
キャラなイメージなのだが、これは前任者ゆえ?


古川@ジム
あの身長なので、アンサンブル
でも、本役でもひたすら目立つ。

なのに、残念な発声と歌声なので、
歌うとソロでも、それほど目立たない。


上野@フリート
フリート=高音域で、歌うだけでも
存在感が強烈だった前任者と比べると、
ちょっと弱め。でも、あの個性が無いだけで、
普通に歌う分には、声は目立つ。

ただ、演技的に存在が埋もれていく。


矢崎@ベルボーイ
14才役(笑)

多分、『ドラキュラ』の
結婚相手候補の一人だと思う。

もう一つのジャズシンガー役では、
歌い踊るのだが、それは歌・ダンスともに、
かなりキレキレで印象に残る。


上口@プライド
初演役者の自閉症に近い
演技はなく、普通に内向的な青年。
でも、再演役者比べると、かなり普通か。
それほどの強烈な個性は無く、
普通にバレッドの良きお友達。


小野田@ライトーラー
マードックが使い物にならなくなったために、登場。
だが、折角の歌はなく、ひたすら報告の台詞のみ。
うーん、残念。


栗原@エドガー
ミーハーな奥さんに振り回される。
それでいて、現状を良く理解し、
奥さんの暴走を押さえている。

その一方で、エッジズに苦労を話したり、
船に残った連中を酒に誘ったりと、
かなり社交的でジェントルマンな一面も。

前任者が若干、紳士というよりは、
妻に振り回されるだけだったので、
こういう微妙な振る舞いがジェントル。


シルビア@アリス
そんなミーハーな奥さん。
あわよくば、上流階級と交流を持ちたがる。

ただそれがエスカレートをしすぎて、
エッジズに追われる羽目に。
ほどほどのミーハー感を醸し出す。


未来@キャロライン
こちらは元お嬢様。
二等の境遇を若干、恥じているものの、
チャールズを大事にしている。

その歌い上げる存在感足るや、姉さん女房。


菊地@ケイト
古川@ジムの相手役で、
ともかく声では負けていない。


安寿@アイダ
今回は地味な役なのに、あの存在感。


佐山@ストラウス
この年代の役者が他に出ていないため、
アンサンブルだと、逆に目立つ結果に。

光枝@ストラウスで聞いていると、
かなり苦しくなるような歌い方だが、
美声で”スティル”を難なく歌いこなす。


光枝@スミス
前任者に比べると優しさがにじみ出る、
職務に忠実な船長。それゆえ、イズメイの
無理難題に応えようとする、その仕草が、
観ていて、若干、不憫に思えてくる。船長なのに。

その一方で、一カ所、
船員に怒鳴り散らすのだが、
それがちょっと不自然。

思わず、当たり散らしちゃった感。




群像劇で、常に大人数が居た前回に比べ、
カップルにやたらと焦点が当たる今回の演出。

そのため、二等客のジェームスとキャロラインの
カップルに前回の印象がなく、そんなカップルいたっけ状態。
二等客はともかく、アリスとエドガーの記憶が。

また、狭いながらに、
ボイラー室で謎のダンスが繰り広げられる。
特に、岡氏の美声系でないので、
なんかヒップホップな謎なノリに。
他のダンスシーンは普通なのに、
あのシーンだけちょっと浮く。


そういったカップル単位の演出のなか、
一幕ラストの、すべての階級が混ざり合う、
あのシーンがこれから起こる、
階級崩壊への悲劇につながるようで。


”スティル”でグラスを割るマイムが無い。
名前からユダヤ人という事は分かるが、
それを象徴する台詞は無い。


セットは動く階段が一基あるだけで、
その分、階層に応じた人が多めに登場。
といっても、アンサンブルでなく、
プリンシパルがメイン以外、数役をこなす。


ラストの船崩壊は、桟橋の半分が上がる仕掛け。
グレン版の船尾が上がるというような派手さは無い。


最初、マイクが籠もると感じる。
鈴木氏の明瞭な歌声なのに、
それを感じたので、劇場のせいか。
というか、正当派ミュージカルを
シアターコクーンで初めて見たかも。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« KAKAI スピンオフ | トップ | 『田茂神家の一族』 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

国内ミュージカル」カテゴリの最新記事