備忘録

舞台の感想を書いています。(ネタばれ有り)Twitterはdacho115。

『リア王』NTライブ2019

2019-04-28 15:31:28 | ライブビューイング(舞台関係)
Ian Mckellen@リア
頑固爺というよりは呆け老人。
それが演技でなく、本当に地っぽくて。
こういうお爺ちゃん、居そうという雰囲気。

でも、衣服がしっかりすると
それだけで見栄えが良いし、着こなす。
国王の衣装、軍服が恐ろしく似合う。
特に、縦襟とか、鼻の高さだろうか。

なんだけど、草の冠を被り、
草木を銃に見立てる辺りで、
呆けを通り越して、可愛さが。

結構、ナカの人、感がでてくる。

収容後の点滴をしているシーンで、
かなり緊迫した認知症問題に。
もう、リア=認知症という設定が
定番化してるのかもしれないが、
やはりココのシーンは見ていて切ない。
(むしろ、通常だと、どうなるのか)

ラスト、コーディーリアを背負い、
現れ、縄を一緒に首に掛け、佇む姿は、
シェイクスピアの悲劇を観ているな、と。


ただ、今回、映像だから、台詞は聞こえたけど、
実際には生声なのか、それともマイクなのか。

Sinead Cusack@ケント
何故か女優が演じるケント。
それに意味が有るのかは不明。
更に、男装設定もあるので、
女性という設定にはなってるハズ。

リアと旧知の仲、
そこに意味があるのだろうか。


Danny Webb@グロスター
登場時は長男至上主義を展開。
それゆえに兄弟での差別が発生し、
弟が反旗を翻す結果に。

この話の悲劇の発端。

からの、両目くり貫き。
刑執行後はメガネを掛けるが、
それでも結構、生々しい。


Lloyd Hutchinson@道化
若くない、冴えない中年のオッサンが演じる。
なのに、鶏冠帽子とか被っていて、ちょっと可愛さが。

道化だけど、モノの本質を付くキャラ。
それに説得力を持たせるための配役?

一幕で居なくなるが、
そこにエドガーによる暗殺感は無い。


Anita joy Uwajeh@コーデリア
しっかり者の末娘。
姉たちと違い、軍隊に所属。
上層階級あるいはキャリアなのかと、
思いきや、現場っぽさもある。

本人に落ち度は無いのに、
エドモンドの罠により、死亡。

何故か、黒人設定。
それゆえ、娘に見えないという評価もありそうだが、
それ以前に、イアンだと孫にしか見えない。


Claire price@ゴネリル
長女。
しっかりモノに見えて、
エドモンドと不倫。

リーガンの飲み物に
毒を入れるとか計算高いのに、
エドガーの存在を知らず、失敗。

生き残る旦那を選んでいるので、
やはり、しっかり者の長女。

Kirsty Busherll@リーガン
次女。
言動や行動がちょっと、イっちゃってる。
グロスターの両目くり貫きを提案する役
なので、それくらいの非情さは必要なんだろうけど。

軽率さゆえに、失敗。


Luke Thompson@エドガー
無駄に脱ぐ、肉体美。一人、正気。
それ故に、モノローグが多いのだが、
若干、観客に話しかけそうなメタ的な要素も。

James Corrigan@エドモンド
この作品で唯一の悪役。
独白もあるが、メタ的な要素はなく、
作中の人物として存在。


家臣が皆、イケ爺。なので、
どこまでが、役を兼ねてるのか、
ちょっと、判別不可。


ジョナサンマンビィ演出。
現代演出で衣装を初めてとして、現代設定。

それゆえ、軍隊は迷彩服にベレー帽と
何処の軍隊を意識しているのか。

ただ、その現代設定にあまり意味は感じない。
イアンの洋装が見えるという点では意味が有るけど。

途中、リアが捕まるシーンで、
コロスの様に軍隊が登場。
そこにマンビィさはある。

あと、音楽をバックにした独白。
これは、コクーンでの演出作品でも、
見受けられた演出で、
堤氏の独白では、パターン化。
それで、あぁ、この人の演出作品を観てるな、と。
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