博士取得後、既卒での就職活動の中で高専の助教に10件応募し、そのうち面接に3回出席し、1校は内定をいただいたため辞退した。高専は全国のあちこちにあるため、いざ面接に呼ばれると交通費がとてもかかる。回数を重ねると交通費もばかにならないため早めに決着をつけたい。さて、この手の受験記というものは少ないので、これまでの活動を簡単にまとめたいと思う。大学・高専の助教に関する大まかな受験記録は、この記事を参照してもらいたい。
(1) 中国地方の高専Aの助教
募集は電気回路・電気磁気学関係だったが、電子工学科出身だったため思い切って応募した。久しぶりの電気回路に頭を唸らせつつ、模擬授業の準備を進めた。しかし、電気回路の講義の中で電気磁気学と関連がある審査員からの質問に答えられなかった。また、面接の最後で今後のアドバイスをもらうあたりは、採用の可能性はかなり低いと感じた。
模擬授業の内容
- 事前に範囲と資料の提示あり
- 電気回路の基礎事項
- 時間は20分
- 授業を想定し、導入部分を講義する
面接の内容
- 模擬授業に関する質問事項
- 志望動機
- 高専での教育の抱負
- 研究内容
- 着任後の研究内容
- 他に担当可能な科目
- 高専時代の部活動
- 外部資金獲得の意欲
- 今後のアドバイス(面接の最後でもらう)
(2) 九州の高専Cの助教
募集は計算機工学関係だったが、応募書類で自分の研究分野との関連を述べて応募した。内容的には、高専でも大学でも学んだ事項だったので、なんとかなるだろうと考えた。とはいえ、高専Aと同様に久しぶりの計算機工学に頭を唸らせつつ、模擬授業の準備を進めた。しかし、またしても準備不足で模擬授業の中で答えられない質問があり、撃沈した。今回は、事前に用意された資料のページ数に対して、何倍も関連する内容の読み込みが必要で、消化不良を起こした。もっと早めに事前準備をするべきだったかもしれない。
模擬授業の内容
- 事前に範囲と資料の提示あり
- コンピュータアーキテクチャの基礎事項
- 時間は30分
- 授業を行い、課題を出し、そして解答例を示す
面接の内容
- 志望動機
- 部活動の経験
- 担当科目に関する研究経験
- 着任したとして担当科目を授業できる根拠
- 外部資金の獲得意欲
- 就職活動(高専、学部、修士時代に)はあるか
模擬授業の内容
- 事前に授業のテーマの提示あり
- 資料は各自の判断で用意する
- コンピュータアーキテクチャに必要な回路理論
- 時間は15分
- 授業を行い、課題を出す
面接の内容
- 模擬授業に関する質問
- 模擬授業のコメントへの応対
- 志望動機
- 高専での学生指導の抱負
- 部活動の経験
- 担当科目に関する研究経験と抱負
- 外部資金の獲得意欲
- 共同研究の計画
- 地域への貢献の抱負
- 趣味
- 今関心がある技術
- 5ヶ年という教育課程における担当講義の位置付け
- 自分だったらどのように1コマの授業を展開するか
- 授業で学生に基礎力を身につけてもらうために意識すること(授業中の復習、レポート、演習等)
- 例や要点を押さえ、他の科目の進行状況を加味したわかりやすい説明
- やはり練習は必要。準備が大変かもしれないが2回くらい練習すると話す内容がまとまる
- 資料の読み込みは重要。準備開始が遅いと、内容によっては消化不良を起こす
- 授業の準備にあたっては、回路計算、設計等は実際に手を動かし、確認して理論を思い出す
- 模擬授業の時間は限られているため、何を伝え、板書し、口頭で話すかの取捨選択