最近地元フランスでも若者のツール・ド・フランス離れが進んでいると云われています。
日本ではサイクル・ロードレースはマイナーですが、ヨーロッパではサッカーと並ぶ人気スポーツです。
日本で云えばプロ野球にも匹敵する人気のあるスポーツなのです。
感動の裏にこれだけドーピング・スキャンダルが取りざたされれば、若者ならずとも感動的な走りや勝利を素直に受け取りにくくなるのは当然かもしれません。
私の中ではまだランス・アームストロングの感動的な走りが鮮明に残っていますし、昨年のアルベルト・コンタドールの走りも本物だと信じたい。
しかしその半面、またドーピングによって期待を裏切られるかもしれないという不安も同居し始めていることは否定できないのです。
ランス・アームストロングの引退後はツール・ド・フランス開幕前のオペラシオン・プエルト問題で優勝候補のイヴァン・バッソやヤン・ウルリッヒが開幕直前に参加を拒否されるという異例の事態になりました。
その年(2006年)にマイヨジョーヌを手に入れたフロイド・ランディスも1年以上にも渡る聴聞会の結果、ドーピングで有罪と判定され、結局マイヨジョーヌの剥奪が決まりました。
とはいえ、自転車競技におけるドーピングにはかなり行き過ぎと思わせる部分もあることは否定できないのです。
ドーピングに指定された薬物が他の競技に比べ異常に多いため、レース中に風邪を引いても、風邪薬も飲めない状況にあるのですから・・・
その好例が今回のペタッキのドーピング疑惑です。
昨年のジロデイタリアの第11ステージ優勝後の検査で気管支拡張薬サルブタモール(Salbutamol)の数値が異常に高いレベルで検出されたとされるもので、ペタッキはイタリア五輪委員会(Comitato Olimpico Nazionale Italiano:CONI)から一度は1年間の出場停止処分を言い渡されていたのです。
主に喘息の治療などに用いられるサルブタモールは、気管支炎や喘息を患っている選手に限っては診断書を提出すれば使用することができ、ペタッキは何年も喘息を煩っているため診断書を持っていた。にも関わらずこのドーピング騒ぎです。
その結果を受けてペタッキは昨年のツール・ド・フランス参加を見送らざるを得なくなっってしまいました。
しかし、ツール・ド・フランス開催中の7月25日にイタリア自転車競技連盟(Federazione Ciclistica Italiana:FCI)は公聴会を行い、CONIが提言した1年間の出場停止処分を覆し、ペタッキに処分を下さない決定をしたのです。
病気の人間が治療薬を摂取することをまでを拒む権利がいったいどこにあるのでしょうか?
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