『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』

□作品オフィシャルサイト　「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」
□監督　スティーヴン・スピルバーグ
□製作　フランク・マーシャル
□製作総指揮　ジョージ・ルーカス、キャスリーン・ケネディ
□原案　ジョージ・ルーカス
□脚本　デヴィッド・コープ
□キャスト　ハリソン・フォード、シャイア・ラブーフ、レイ・ウィンストン、カレン・アレン、
　　　　　　ケイト・ブランシェット、ジョン・ハート、ジム・ブロードベント

■鑑賞日　６月２１日（土）
■劇場　チネチッタ
■cyazの満足度　★★★☆（５★満点、☆は０．５）

＜感想＞

　総制作費は約１９２億円、全世界の宣伝費が１５６億円、興行収入目標が５２０億円という
　文字通りケタ外れのスケールの大作。　前作から１９年、果たしてその結果はいかに・・・。

　出た出た、いきなりイントロからルーカスの『アメリカン・グラフィティ』（笑）
そして、何だか今までのルーカスとスピルバーグのフィルモグラフィーの、しかもいいシーンの切り抜きを
観せられているような感じ（笑）　でもそれは決して嫌味ではなく、むしろ１９年のギャップを感じさせない
冒険アドベンチャーになっている。　しかも彼らの作品をミックスジュースにして飲んだ感じ（笑）　

　派手なストーリー展開は、ハリソン・フォードの経年変化（笑）からさうると期待できないけど、
従来のシリーズの会話の楽しさ（特に前作のオヤジさんであるショーン・コネリーとの会話）は、
フォードがそのあいだに役者として蓄えた会話の妙を増幅させているように感じた。

　地上波でオンエアされていたのは観なかったが、やはり時間が少し空いていた分、復習はしておくべきだと
感じた部分もあったが、なにやらマット・ウィリアムズ(シャイア・ラブーフ)というジョーンズ・ジュニアの
登場で、まだまだこの先続くのかと思わせぶり（笑）　ビデオでヤング・インディ・ジョーンズなるものも
あったように記憶する（全然関係ないけど、先日ＴＶでやっていた古畑任三郎の子供時代も面白かった）。

　悪役にケイト・ブランシェットを選んだのは、かなり色が濃くなったようにも思えたが、やや
アクションにキレがなかったような（笑）　ロシア軍というのは違和感なかったが（笑） 、
実際には彼女、オーストラリア人なんですね～

　いままでの流れを知っている人は十分楽しめる作品なのだろうが、前作のオヤジ（ション・コネリー）との
やり取りがあまりに面白すぎて、年月の空いた分、それを超えるものはなかった。　やはり脚本の面白さで
魅せないと、アクションシーンなどはどこかで観たものばかりで斬新さに欠ける。

　日本においては公開スクリーン数も７７０以上、宣伝費も１７億円という特大スケールの展開で、
６/１４、１５と二日間先行上映が開始された。　しかしながらその先行上映は６億円弱の興収に
終わってしまった。　実にこれは昨年の『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』の
先行上映の半分に過ぎない結果だった。

　１９年空いたということは、その間に生まれた子供は２０歳以下、『インディ・ジョーンズ』シリーズには
最も遠いところにいる世代であり、このあたりの取り込みが出来ない部分、これから非常に興行も難しい
のではないだろうか。　事実、チケット予約したときも思うがままの席を予約でき、１９年前に苦労して
並んだ記憶はどこへやら、なんとも時間の経過は恐ろしい。　それはスピルバーグやジョージ・ルーカスを
しても大きな山を当てることは大変なことだとつくづく思う。