四万十川レコード 公式ブログ

四万十と言う小さな町に生まれ、思春期に音楽に目覚めそして今も、長い長い音楽の旅をしています。

その昔

2014-01-27 02:14:50 | コラム
その昔、エレファントカシマシの
初ツアーのスケジュールを、僕が切った事があります。
僕にとってもツアースケジュールのブッキングは初めての経験でした。
その時、彼等はもうEpic/Sonyからのデビューは決まっていました。
メジャーデビュー前の肩慣らしの経験をさせたかったのかな?
古い話で、動機も詳細も殆ど覚えていません。

僕とカシマシの連中は彼らが10代の頃に出会って
何故かウマがあっていました。
一緒に小さなワゴン車で旅をした僕達は
ライブツアーである事も忘れて大はしゃぎして
VOの宮次は声をつぶしてしまった程でした。
それから数年経っても、大宮フリークでライブがあると
カシマシは何時も僕のマンションで、朝まで騒いでいました。




飲むと何時も、カシマシのメンバー達は
「あんなに楽しかったツアーはなかった」と言って、
僕もそう思いました。
何故なんだろう?とずっと考えていて、ある日気が付きました。
あの頃の僕達は、まだ何者でもありませんでした。
そう言う時間に出会って経験した事は忘れないんですね。

あれから僕も彼等も沢山のツアーを経験しています。
でも多分一番気楽で楽しかったツアーは、あのツアーだけです。
仕事になってからのツアーはそう言う気分では望めませんから。




狭い土佐の国で、龍馬や瑞山や天誅組に参加した連中は
「まだ何者でもない頃」に出会っています。
そして世の中に出て、お互いに色んな立場で世の中と向き合い
この世界から、いなくなってゆきました。
最後に生き残った龍馬でさえ維新の前に消えてしまいます。



「まだ何者でもない頃」に出会った友はかけがえのないものです。
そして仲間の訃報を聞く度に龍馬は、人知れず泣いていたと思います。
高知県立龍馬記念館で「天誅組の変」と言う催しがあります。
それで、なんとなく色んな事を考えていました。

今日は人の出会いと別れを、ぼんやりと思い返した1日でした。
そして、僕とホンヤミカコさんが出会った時は彼女が
「まだ何者でもない頃」であった事も、思い出していました…