新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

負の遺産が多すぎた石原慎太郎

2022年02月02日 11時58分07秒 | お好みの時間

日本だけではないかもしれないが、わが国ではどのような人間でも、どんな悪辣な者でも「死んだら仏になる」ということから、「死者に鞭打つな」と言われてきた。
 
そしてそんな輩が亡くなれば、多くのメディアが使う表現に、「功罪相半ばする」という無難な言葉がある。
 
これは、功績と罪過が同じ程度にあるため、善悪どちらとも決めかねるという意味なのだが、「功」に光を当てるのか、それとも「罪」に焦点を絞るのかといえば、そのメディアの姿勢に大きく左右される。
 
元有名なスクリーンスター(映画俳優)の単なる「兄」というキャッチフレーズだけで、駆け出しの三流作家もどきが、政界に進出し、それも衆参両議員やいくつかの閣僚も経験した人間を、正面から批判できるメディアはもはや数少なくなっている。
 
したがって石原慎太郎の死去に伴う今日の朝の情報番組はまさに「罪」を覆い隠すような提灯報道に占拠されていた。
 
排ガス規制、尖閣諸島問題、新銀行失敗…大胆な行動、副作用も大きく 石原都政の功罪
 

◆黒いすすをまき散らして…
 「ディーゼル車NO作戦」。初当選直後の1999年8月、公約の排ガス規制にさっそく手を付けた。「こんなのが1日12万本もばらまかれている」と黒いすすが入ったペットボトルを振り回して訴え、2000年12月には国に先行して独自のディーゼル車排ガス規制を盛り込んだ条例を制定した。
 排ガス中の粒子状物質(PM)の排出基準を満たさない車は03年10月から都内の走行が禁じられ、首都圏3県にも広がった。国も01年に法改正で規制を強化し、都が大気環境改善をリードした。
◆世論味方に銀行やり玉
 00年に条例施行した大手金融機関に対する外形標準課税(銀行税)も世間を驚かせた。公的資金を受けながら、赤字を理由に法人事業税を納めない銀行をやり玉に挙げ、世論を味方につけた。
 銀行側と訴訟になり、最終的な和解では銀行側に計2344億円を返還した。事実上の敗訴だったが、都の動きによって国は地方税法を改正し、04年度から都道府県税の外形標準課税を導入。結果として、都道府県の貴重な財源となった。
 待機児童の増加に対応するため、都独自で認証保育所制度を01年に導入。07年に始まった東京マラソンは、世界有数の大会に育った。
 広大な空域が米側の管理下にあることなどの問題を訴え続け、在日米軍横田基地(福生市など)の「軍民共用化」も目指した。だが、実現には至らなかった。
◆甘い審査で不良債権拡大、「おわび」も
 石原都政の後半では、批判される政策も目立った。
 「貸し渋りに悩む中小零細企業の救済」を掲げ、都が1000億円を出資して05年に設立した新銀行東京。無担保無保証で融資を伸ばしたが、甘い審査で不良債権が拡大し経営が悪化の一途をたどった。
 批判が高まる中で08年に都が400億円を追加出資した際には、石原氏が都議会予算委員会で「深くおわび申し上げる」と謝罪に追い込まれた。最後は東京都民銀行などと合併し都は完全撤退。都幹部は「都が乗り出す必要があったのか。明らかに失敗。『敗戦処理』の職員は気の毒だった」と漏らした。
 中国が領有権を主張する尖閣諸島の都による購入構想も、日中関係に影を落とした。12年4月、石原氏は「東京が尖閣諸島を守る」と表明し、購入資金の寄付募集を始めた。
 これをきっかけに国が同年9月に所有者から20億5000万円で購入し、国有化した。中国国内で大規模な反日デモが続発するなど、副作用も軽くなかった。尖閣周辺では近年も、中国公船が頻繁に確認されている。


 
ハッキリと石原慎太郎の「罪」を断罪した記事は決して少なくはなかったが、5年前にようやく反骨のジャーナリストの青木理がこんな記事を書いていた。
 
長いので、タイトルだけを紹介しておく。
 
石原慎太郎都政「問題だらけの8年」を再検証する<「モノ言う知事」の品性と功罪>(前編)
 
石原慎太郎元都知事は、一体何を間違えたのか?<「モノ言う知事」の品性と功罪>(後編)
 
オジサンと同じような思いをしていた日記の一部を引用する。
 
石原慎太郎死亡」(kojitakenの日記
 

1974年当時の石原は衆院議員で、「青嵐会」なる結成当時に血判状が話題になった物騒な右翼議連を結成するなどしていたが、1975年に東京都知事選に立候補して美濃部亮吉に完敗した。
 本質的に小心者であって、特に印象深いのは2005年の郵政解散直後、テレビに出て小林興起を擁護しようとしたところ、小泉純一郎びいきの他の出演者の冷たい視線を受けると「うっ、ぐっ」と呻いて黙ってしまった。その程度の人間だった。
 晩年に出した田中角栄をモデルにした本は、あまりにも内容が空疎だったからあっという間に全篇を立ち読みできたが、なんでこんな本が評判をとっているのか信じられなかった。
 石原が発した数々の暴言は、思い出すだけで不愉快になるから取り上げない。
 石原は十分すぎるくらい長生きしたから、死んだからと言って別に祝杯を挙げる気にもならない。もちろん冥福など祈らない。


オジサンの昨日のツイッターには多くの人が読んでいたらしい。


 
さて、この石原慎太郎と一時は徒党を組んでいたのが橋下徹なのだが、その橋下徹を「チャーター」と崇めている日本維新の会の馬場伸幸共同代表が、菅直人の「ヒットラー」発言に抗議すべく菅直人の議員事務所に大勢のメディアを引き連れて押しかけたという。
 
そもそも、菅直人と橋下徹との問題なのだが、維新の会とは関係ないと言っている馬場伸幸が強引に「維新に対する誹謗中傷」という無理筋の抗議であり、まるで相手にされなかったらしい。
 


 
菅直人の反論に対してまともに答えずはぐらかすように他の話にすり替えるのは、まさに橋下徹譲りなのかもしれない。
 

“ヒトラー投稿”めぐり・・・ 菅直人元総理に維新・馬場共同代表が抗議(2022年2月1日) 
 
この録画を見た多くの人の感想が興味深い。
 
「橋下さんに言ったのになぜ維新の党が出てくるのかの一点張りですが、Twitterの文面見たら"橋下氏をはじめ"やら"維新"という政党が とか書いてるやん。」
 
「チャーターって意味はどういう事なんだろう(笑)自分が、関係ないって発言したんだから、どうのこうのしているのは、維新の会さんの方だと自分にはみえますよ?」
 
「馬場は歪んだ体制、間違った認識で来てるから無意味なことしか喋ってなくて聞くのがしんどい」
 
「今回の件は維新の党としては関係ないですね、あまり大きくすることはない。
 
まあ、菅直人のツイートの内容をみてみtると、
 
「橋下氏をはじめ弁舌は極めて歯切れが良く、直接話を聞くと非常に魅力的。しかし、『維新』という政党が新自由主義的政党なのか、それとも福祉国家的政党なのか、基本的政治スタンスは曖昧。主張は別として弁舌の巧みさでは第一次大戦後の混乱するドイツで政権を取った当時のヒットラーを思い起こす。」

これを橋下氏だけに言ったものとするのは無理があるだろうが、維新の曖昧なスタンスを突いたことだけは確かであろう。
 
最後に、再び石原慎太郎に話を戻すと、死者に対しては今更とやかく言うべきではないが、今朝のテレビでは、遺族である4人の息子たちが雁首並べて亡父についてそれぞれコメントを出していた。
 
おそらく亡父からみれば一番心配していた息子たちであり、長男と三男は政治家失格の烙印を押され、次男はなんとかテレビタレントもどきで糊口をしのいでいる。
 
しかし世間からも遠ざけられていた四男が初めてテレビに向かって何かつぶやいていたが、どう見てもまともではなかった。
 
詳細は、以下の過去の記事を読めば明らかなのだが、いまさらこんなことが公になれば、石原慎太郎も草葉の陰でヤキモキすることだろう、とオジサンは思う。 
  
・「元オウム四男坊こそ、石原慎太郎の”アキレス腱”   ”ゴロツキ右翼”石原慎太郎 ~核武装・徴兵制・尖閣とバカ息子に賭けた総理の夢~
   
石原都知事の親バカ いいかげんにしろ」     
    

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 今やるの?「改憲論議」救い... | トップ | 死んだ慎太郎ではなく生きて... »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2022-02-03 12:03:23
ええーとー。最後部の3リンク中、上2つ中身ダブってませんでしょうか!?
敢えて保険的にされておられる様でしたら、済みません。
返信する
ありがとうございます (定年オジサン)
2022-02-03 13:26:44
的確なご指摘感謝します。
単なる確認ミスでした。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

お好みの時間」カテゴリの最新記事