秋木涼風居士の学びの旅

学ぶことや日常気がついた事について、そこはかとなく書きます。

ウミガメのスープはおいしいか?

2008年09月30日 23時04分48秒 | ハテナ?の疑問


ポール・スローンのウミガメのスープ(Challenging Lateral Thinking Puzzles)を読みました。いわゆる水平思考(Lateral Thinking)パズルと言われているやつです。水平思考は、エドワード・デ・ボノ(Edward de Bono)氏によって提唱された思考で、要は、枠にとらわれず物事を複数の角度で見てみる思考方法の事(枠内での思考は垂直思考vertical thinking)。


問題としては、納得する答えもあれば、屁理屈みたいな答えも混じっています。おそらくは、意図的に屁理屈な答を書いているのでしょう。答が常に論理的では、水平思考になりませんから。特に題名となっているウミガメのスープの問題なんかは、微妙な問題です。


まあ、この手の本は、考える事を楽しむ過程に醍醐味があるかと。問題は81問あります。数人でワイワイゴワゴワ楽しむのがもっとも面白いと思います。


この本のシリーズを底本にレイトン教授シリーズで有名なレベルファイブがニンテンドーDSでアタマニアシリーズ スローンとマクヘールの謎の物語が2009年度に発売予定です。


又、中の1問、「マンホールはなぜ丸いのか?」という問題がありましたが、ビル・ゲイツのマイクロソフトの面接問題(How Would You Move Mount Fuji?:Microsoft's Cult of the Puzzle--How the World's Smartest Companies Select the Most Creative Thinkers )でも書かれていました。こちらもパズル好きの興味を引く本です。



外資系コンピュータ会社の面接試験では、しばしば、フェルミ推定・ひっかけ問題・論理パズル・水平思考の問題等が使用されているようです。中でも面接官も答を知らない問題を、「解けない問題」といっており、枠に縛られない思考を見るそうです。仕事に役立つのかは不明ですが、アドヴェンチャーゲームのようで遊びとしては面白いところです。


例えば


M&Mチョコレートはどうやって作るか?


鏡が上下などでなく左右を逆転させるのはどうしてでしょう?


などなど。


その他「解けない問題」というと、禅の公案を思い出してしまいます。水平思考でもの足りない方は、禅の公案に挑戦してみるのもいいかもしれません。論理では解けないので、難問中の難問です。



最近では、禅の公案の中で、中国宋代に無門慧開氏によって編集された公案集「無門関」を読みました。どの公案も難問ですが、第十四則 「南泉斬猫」などとても印象的です。


又、無門関ではありませんが、白隠和尚の「白隠隻手」という公案が数年前から気になっていますが、今だ良く分かりません。こんな公案です。


「両方の掌を打つと音声がする。隻手(かたて)にどんな音声があるか」


うーん???自分の頭が悪いという事だけはとりあえず悟りました。


日本人は、ロジカルシンキングが苦手なので、まずは、ロジカルな思考方法を学ぶ必要があるかと思いますが、それだけではなく、複眼的な視点というのも水平的に学びたいものです。


ところで、ウミガメってのスープはうまいのでしょうか?食べたいのですが、どこか食べれるとこありませんかね。


まったく世の中謎ばかりです。


関連:


フェルミ推定:ノーベル物理学者エンリコ・フェルミ(Enrico Fermi)氏の名前にちなんだ推定。「シカゴにいるピアノの調律師の数を数えよ」等の問題を出して学生や知人相手に遊んでおられた問題にちなんで、フェルミ推定という名が広まりました。


フェルミ推定については、ビジネスのための雑学しったかぶりさんがとても面白く纏めておられます。


Situation Puzzles:水平思考は、Situation Puzzlesと呼ばれることもあります。


エドワード・デ・ボノ氏のHP:シックス・ハットと言われるの水平思考の手法などがあり、こちらも興味深いところです。