秋木涼風居士の学びの旅

学ぶことや日常気がついた事について、そこはかとなく書きます。

読書術の読書術2 ダース・ベイダー式読書術

2008年07月27日 15時04分10秒 | 読書


光あれば影あり。意味不明ですが、「悪の読書術」は存在するのでしょうか。


不良のための読書術


「本を読んで不良になろう!」という読書術。といっても「ドラックをやりながら本を読め!!」とか、「本屋さんで喝上げをしろ!!」、「ナイフで本のページをめくれ!!」と言っている訳ではありません(それはそれでドキドキするが)。


筆者は世の中の不幸の大半はマジメな良い子がおこすと言っています。純粋培養な良い子は何も考えません。大多数に付和雷同した方が安易な道だからです。そんな安易な道へ到らない為に良い子の反対「不良」になれと主張しています。


本には毒があり、いろんな本を読んでいるといままで、真理だと思っていたものが、嘘・偽りと分かります。我々は毒まみれになる必要があるのではないかとの事です。


その為、本をたくさん読む必要がありますが、今や出版の大洪水。読んでおくべきを見つける前に溺れそうです。そのために筆者がお勧めしているのが、「ゴダール式読書法」なる読書術。本はテキトーなところを20~30ページ読めば良いそうです。


人は貧乏性でつい本を買ったら、全部読んでしまいますが、そうすると他の本が読めなくなってしまいます。フランスの映画監督ゴダールは毎日映画館をはしごしており、1本の映画を20分程度しか見て、次の映画館に行き、さらに20分たったらその次の映画館に行ったそうです。これにならって読書するという訳です。


これまでのマジメな読書法ではその本の1部を読んだだけでは、読書というのか?という疑問がありますが、筆者は「読んだことにならなくてもいいもんね」というもんね的な不良の答えをしています。


目の前にラーメンと寿司とカツ丼があったら、すべて3分の1ずつ食べて後は捨ててしまうという贅沢な読書法。といっても真面目に3分の1ずつ読む必要もなく、不良らしくタマには最後まで読んでしまう事もいいそうです。その他、「擬似速読術」や「ゴダール式減感療法」などで、ゴダール式読書法をマスターする方法を説いています。


ここまでで、2章までの話で、本の探し方・本の流通・書店・図書館・古本屋等の話や「みんなが読んでいる本は死んでもよむもんか!」「必殺!本の時間差攻撃」等の話がありますが、ゴダール式にここまでにします。


ある程度の読書した方はほど良く毒に染まって、ベストセラーについて馬鹿にする傾向があると思います。しかし、あえてベストセラーに毒毒な書評を書いている方もいます。それが、斎藤美奈子女史の「趣味は読書」(略してシュミドク)。


斎藤女史は「ベストセラーなど読みたくない」、「読まなくてもわかる」とうそぶく読者を「邪悪な読者」、読書初心者を「善良な読者」と定義しています。邪悪な読者は嫌見たらしい美食家みたいな同類という自覚を持つこと、善良な読書家はメディア・リテラシーを養った方がいいと言っています。そして、お互いの文化を知ることこと平和的共存だと。


読書族はさらに細かくすると「偏食型」・「読書原理主義者」・「過食型(読書依存症)」・「善良な読者」に分類し、世の読書族のほとんどは「善良な読者」だと仮定しています。善良な読者は感動しろといわれれば「感動し」、泣けといわれれば「泣く」といったように素朴すぎるのが欠点との事。


自ら「邪悪な読者」と名乗るように、話題となったベストセラーについて、邪悪というか愉快な感想と分析を語っています。毒書家がどのようにベストセラー本を見ているか考察するのにちょうどいい1冊と思います。


悪といえば、その名もずばり「悪の読書術」。社交としての読書論及び作家ガイドといったところでしょうか。ここで言う悪とは自分の無垢さ、善良さを前提とする甘えを抜け、より意識的・戦略的に振舞うためのモラルとの事です。若い女性向けの雑誌に掲載された原稿を元にしているため、若い女性受けしそうな作家を例に論じられています。


どんな本を愛読書として人に示すかというのは、どんな人間に見られたいか、どんな人間になりたいかをという問いに直結しており、自分はこの本が好きだから読むではなく、自分をつくり向上させるために何を読むべきかを戦略的にすべきと言っています。ようするにTPOをわきまえよと。


もう少し過激な話を期待していましたが、どうも悪というほどの話ではないような気がします。ちなみに斎藤女史の本は、文芸における男性社会的な権威主義に対して、きわめて犀利な振るっており、「この頃の若い子は歯ごたえがない」というオジさんをたばかるのに、かなり有効なアイテムとの事です。


読書術ではありませんが、人生を狂わせる読んではいけない本として、東大教授(仏文化)石井洋二郎氏の「毒書案内」なんていう本もあります。そんな事いわれると読みたくなりのですが。読書経験が少なく、精神的にまいっているときに読んだら影響があるかもいれません。7章あり5冊ずつ紹介しています。


1章 死の誘惑・2章 異界の迷宮・3章 揺らぐ自我・4章 迷走する狂気・5章 性と暴力・6章 官能の深淵・7章 背徳と倒錯


石井氏は「星の王子さま」の訳者でもあります。あら。


フランス系の本が多いです。秋木はこのリストの本は20冊くらいは読んでいます。すでに耐性がついてしまったのか、秋木にとってはあんまり毒とも思えません。むしろ楽しく読むくらいで。ちょいと読んでみたい作品もいくつかありました。


すでに毒に染まりすぎ、アナキン・スカイウォーカー(Anakin Skywalker)並にダークサイトに堕ちているようです。コーホ。こんなに裏表がない男はいないと思うのですが(裏だけですが)


コーホー、コーホ


コーホー、コーホー


コーホー、コーホー


コーホー、コーホー


コーホー、コーホー


コーホー、コーホー


・・・・・・


・・・



読書術の読書術1  M.J.アドラー とthe Great Books

2008年07月21日 04時30分05秒 | 読書


最近本をM.J.アドラー氏&C.V.ドーレン氏の「本を読む本」が売れています。評論家の勝間女史がお勧め本の中で紹介したのがきっかけだと記憶していますが、読書術ってそもそもどんなもんなんでしょうか?


「読書術」の本はたくさん出されておりずいぶん奥の深そうな世界ですが、今回は目についた読書術の本を10冊程度購入しさらりと読んでみました。何回かに分けてご紹介します。


まず「読む本という本」ですが、1940年に米国で出版された古典的と言われる読書術の本です。米国では読書方法についての様々な方法論が研究されており、論理的な読書法を知るにはもっとも適した本であると思います。


内容は、「初級読書」・「点検読書」・「分析読書」・「シントピカル読書」に分けた読書方法を語っています。


秋木は非合理的な我流の読み方が好きなのですが、こんな読み方もタマには役に立ちそうです。読書の技術論を学ぶならばこれ1冊を精読すれば良いと思います。


初級読書:読み書きのできない子供が読み書きの技術を習得するためのもの。


点検読書:与えられた時間の中で内容をしっつかり把握する。現在、多くの速読の術の本があるが、ほとんどは、このレベル止まりです。


分析読書:本を徹底的に読み込む。このレベルでは、情報や娯楽のための読書ではなく、「理解」を深めるための高度な読書です。


シントピカル読書:比較読書法。複数の本を読んで「それらの本にははっきりとは書かれていない」主題を自分で発見し、分析する読書法です。


1部の章が翻訳されていないところがあるようなので、英語のわかる方・勉強したい方は原著(How to read a book)も見てみるといいかもしれません。


なお、アドラー氏が生涯において関わった「グレート・ブックス・プロジェクト」の背景を知っていると、なぜこのような読書術の本が書いているのか分かります(このあたりの記述は本に情報がありません)。アドラー氏は「Mr.Great Books」などと呼ばれることもあったようです。


アドラー氏とその盟友C.V.ドーレン氏の活動については、かながわ国際交流財団のHPに活動が詳細に論じられており、その活動「グレート・ブックス・プロジェクト」とその思想背景が分かります。


グレート・ブックスとの対話(ダイアローグ)


Great Books - Wikipedia, the free encyclopedia(ウィキペディア英語版)


Great Books Index


Access the Great Books


From the ancient classics to the masterpieces of the 20th century, the Great Books are all the introduction you’ll ever need to the ideas, stories, and discoveries that have shaped modern civilization.


神奈川県立図書館内電子図書館:入門グレート・ブックス 


森永エンゼルカレッジ:グレートブックスへの誘い(動画あり)


グレートブックスの定義は


1.討論に値する本であること


2.繰り返し、何度も読むに値する本であること


3.教養書として素人に分かる本であること


4.あらゆる学問領域をカバーしていること


5.1~4をすべて満たしていること


と条件が高いです。


最近は短絡的な実務本ばかりが売れていますが、長い目でみればグレートブックと呼ばれるに値する古典を読むも必要かと思います。まあ、古典だけ読んでも偏屈な人間になりそうですが。又、その教養主義に対しての異論が米国でもあるようです。


ここ数年、日本でもグレートブックスのサークルなどの活動もありセミナーも開かれています(中にはとんでもなく高額なセミナーが)。セミナーはソクラテスの問答法をモデルにして直接テキストをあたりつつ、テキストについて対話していく方法がとられています。


そう言えば、谷岡一郎氏の「SFはこれを読め!」という本の中に大阪商業大学でグレートブックスという授業をやっていると記述がありますが、この流れかもしれませんね。


しかし、こういった動きが盛んになると怪しい高額な金を取るセミナーみたいがきっと増えると思います。「あなたも読書法を学んで1億儲ける!!」「頭が10倍よくなるグレートブックス!!!」みたいな頭が10倍悪そうなセミナーが。


油断できない世の中ですから、読書だけでなく実生活もシントピカル的に情報を比較・分析の上で行動したいものですね。


ハウツーに関する動画サイト 

2008年07月14日 01時37分46秒 | 無料のeラーニング

ハウツーの動画は、Youtubeなど検索ができ便利なのですが、「ハウツー専門」の動画サイトも数多くあります。





Howcast



例えば、Howcastは、2008年2月に米Howcast Mediaが創立。元Google Video・Youtube関わっていたJason Liebman氏・Daniel Blackman氏、Sanjay Raman氏等が設立しています。



「How To Have a summer Romannce」や「How To Make Sushi Rice」など様々なユニークな動画があり、カテゴリは、現時点で以下のように分かれています。



Arts & MediaBusiness & FinanceCareers & EducationCars & Transportation・Cafts & HobbiesEnvironmentFirst Aid & SafetyFood & DrinkGamesHealth & NutritionHolidays & CelebrationsHouse & GardenKidsLanguage & Reference・Mind & BodyParenting & FamilyPerforming ArtsPersonal Care & StylePetsReligion & SpiritualitySex & RelationshipsSports & FitnessTechnologyTeensTravel



拡大やスローモーションなどの機能があるので、ちょっとしたハウツーを調べるのに便利です(iTunesなども利用可)。又、英語のリスニングの勉強などにもいいかもしれません。wikiで編集できるのも面白いです。YouTubeにHowcast's Channelを設けています。



キャッチフレーズは、「 Cool how-to videos and guides from cutting-edge filmmakers, savvy experts - and you!」



日本ではこのようなサイトというと謎の消失をしたunselfが一番近かったのですが。TIMEの50 Best Websites 2008の中でもHowcastは紹介されています。



その他有名どころのハウツー動画サイトをご紹介。




Expert Village



専門の製作者がビデオの制作をしています。こちらもYoutubeにチャンネルを作っています。コンテンツ数がとても充実したサイトです。?





5Min



イスラエルの動画サイト。videopediaを名乗っています。名前の通り5分以内の動画です。



「howto how to 5min videopedia learn guide」





monkeysee



2008年1月にGreg Letourneau氏・Will Jerro氏・David Bock氏が設立したサイト。お猿さんのロゴがいい味出しています。





eHow



1999年3月に設立。キャッチフレーズは「?How To Do Just About Everything」



関連情報を学ばせ商品に興味を持たせ販売をするという「コミュニティ&コマース」の先駆的なサイトとして知られています。





WonderHowTo.com



あーら、ワンダー。世界最大のハウツー動画インデックスサイト。





Sclipo



スペイン語と英語で対応。キャッチフレーズは「Broadcast your skills」とYoutubeのパクリです。





VideoJug



こちらも専門家が動画を作成している。なかなかのハイクオリティサイトです。Youtubeにもチャンネルを作成しています。



似た感じのサイトにその他に



ViewDo があります。



「Do that ViewDo you do so well!」





SuTree



検索もしやすく、ビデオの数も凄いです。





HowStuffWorks



キャッチフレーズが「Search HowStuffWorks and the web」



「How coukd a cat scuba dive?」などが印象的です。物事の仕組みをビデオ・文章で説明しています。2007年に米Discovery Communicationsに買収されています。



その他のハウツーサイト



Vidipediaなどハウツーに利用するのもいいと思います。その他ビデオではありませんが、wikihowAbout.comInstructblesど興味深いサイトも多くあります。




大人騙しの映画を見たい!!

2008年07月06日 02時41分23秒 | 映画

「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」を見ました。あまり期待しないで行ったので、がっかり感もないだろうと思いましたが、予想を上回るトンデモ展開で、物凄くがっかりしました。前作、「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」は楽しめたので、残念な結果です。100点中38点。

前半のストーリー・展開・俳優の演技はそうは悪くありません。ユーモアもあります。ご都合的な展開もいつもの事。しかし脚本がちょっと。特撮がいいので、余計に気になったかもしれません。

後半○○が出てきた時点で、完全に醒めてしまいました。

もっとも、終わった後に、「あー、面白かった」と喋っている女の子がいたので、人によっては良かったのかもしれません。秋木的には、「インデペンデンス・デイ」以来のガッカリ感でした。インディ・ジョーンズというビックネームがなければあるいは、普通に楽しめていたのかもしれません。

 

ケチがついたので、もう1本映画を見ました。三谷幸喜氏の「ザ・マジックアワー」。これもありえない物語ではあるけれど、面白く、笑えました。点数も88点というところです。久々の上質のコメディ作品です。

三谷幸喜氏の映画で良いのは、脚本の良さにある思います。三谷幸喜氏は、ビリー・ワイルダー監督をお手本にしているそうです。秋木もビリー・ワイルダー監督の映画が好きで繰り返し見ています。そのストーリはありえないと思いつつも、いつも騙されます。「ザ・マジックアワー」もうまく騙されました。

子供騙しという言葉がありますが、今時の子供も騙すことは難しいです。ましてや、大人ともなると。三谷幸喜氏にはもっと大人騙しの映画を撮ってほしいものです。

インディもリベンジしてほしいものです。「インディ・ジョーンズ/帝国の逆襲」みたいな感じで。世界は騙されたがっているのです(ある意味期待をしていて騙されたとも言えるのですが)。

話は変わりますが、騙されるといえば、秋木の先輩は、息子に「お父さんは、実は仮面ライダーなんだ。でも正体は秘密だから、二人だけの秘密だぞ!!」と指切りをして数年間、息子を騙していたそうです。

これは騙しすぎですね。