もうすぐ年が明ける。
せっかく帰ってきた息子は食事を
済ませてしばらく休んで、出かけ
て行った。
初日の出を友達たちと拝むそうで
元旦の朝はいない。
ご馳走用意して待っていたお母さ
んはもちろん寂しい。
しかし私は、そうではない。
出来ればそういうことに参加して
もらいたい。思い起こせば32年前
にさかのぼるが、息子と同年代の
ころ、カメラマンなり立てで、
お金もないし行くところもない。
父の還暦と重なってはいたが、この
写真を撮るため、金なしはバイクで
深夜、一般道で都内から忍野村へと
向かった。
ま~~、今じゃ車でも行かない。
酷寒の中、バイクで行けばどうな
るか?手もヘルメットも凍り付き
激しい頭痛に襲われる。
カメラもうまく動作しない。
まずモータードライブは使えない。
使ってもいけない。フィルムが破損
する恐れもある。この時はメカニカ
ルシャッター電池要らずのFM2を使用
し、富士フィルムベルビアで撮影して
いる。こればかりは2度とないだろうと
思っている。この写真のおかげもあって
私は仕事を続けてこられた。
見るたびいろいろと思い出す。
そして父の還暦には出なかったんで姉から
酷く叱られ、それ以来、仲は良くない。
ただし私自身のポリシーとして
還暦などどうでもよくて、このほうが
大切と昔も今も思いは同じ。
そんなつまらんどーでもええ行事に
時間と金と体力使うんやったら、友達と
有意義な時間を過ごしてほしい。
私自身は来年、還暦を迎えるが祝い事
は一切やらないよう妻に伝え済み。
息子にも何も言う気はない。
くだらん行事に付き合わせたくない。
この写真を見るとよけいに思うのだ。