マリア様がみてる ウァレンティーヌスの贈り物

作者：今野緒雪　コバルト文庫

前後編の2冊構成です。2冊で計5編の物語収録。
タイトルの通りヴァレンタイン関係のお話。

前編：「びっくりチョコレート」と「黄薔薇交錯」の2編収録
「びっくりチョコレート」…新聞部の持ち込み企画により
つぼみ3人とのデート権つきのカードを学園内で探し出す、
というイベントを行うことになったお話。
カード云々のお話よりも、シリーズ初の祐巳と祥子さまの
痴話ゲンカが主題かな。
お互いが微妙に一歩を踏み出せないゆえに起きたすれ違い、
後から見返せば、バカみたいな理由なんですけどね。
当事者同士はそうもいかないわけで…
この作者さんはストーリーテリングはうまくないとは思うんですが、
こういう感情の揺れ動く様を描くことはうまいなあと、認識できた1話。

「黄薔薇交錯」…ヘタ令さんの失敗に悩まされる姉妹。以上w

後編：「ファースト・デート・トライアングル」「紅いカード」
「紅薔薇さま、人生最良の日」の3編収録
「ファースト・デート・トライアングル」…前編の「びっくり～」で
デート権をゲットした白・黄のつぼみ組と、祐巳と祥子さまの
デート模様を描いた作品。
基本的にこの話からマリみてはシリアスの中に若干ギャグから、
ギャグの中に若干シリアス、に変わってしまったと思うわけですがどうでしょうw。
紅薔薇姉妹に関しては、アマイアマイな感じで、ファンなら納得。
黄薔薇は…印象薄いです、相変わらずw。
白薔薇は…能登か(ry　志摩子さんに堕ちる人は多分この巻から
が多いんじゃないかなあという感じです。

「紅いカード」…前編で何故かその存在が不思議な力に左右された
紅薔薇のつぼみのカードを巡るお話。
「びっくり～」のお話を別視点から見たお話ですが、
キーキャラの感情の動きがすごくいいと思います。

「紅薔薇さま、人生最良の日」…紅薔薇さまの視点からのヴァレンタインの日の話。
「びっくり～」で自ら張った伏線を回収できてよかったね、というお話。

評価：前後編合わせて☆8