吉永さん家のガーゴイル(12)

作者：田口仙年堂　ファミ通文庫

こういうドタバタ町内ハートフルストーリー
というものにしては珍しく
作品内のキャラが年をとっていく作品であり
それゆえに今回は、
吉永家の長女和巳の受験と
べたべたな青春恋愛の一つの区切りというものを軸に
作品が展開していきます。

今回はやはりなんと言っても
痴話喧嘩と誤解から始まった
なんともいえない気まずい空気と
そしてそれが解けていき、最後には…という
青春恋愛小説のお手本のような流れが
ここで描かれているわけで
その手法そのものはベタの域は出ないですし
かかわってくる今回のゲスト？というか
重要サブキャラのバックボーンが
それにsyncするというのも予想範疇でした。
ですが、それをしっかりと
この作品風に描き、そして解決していけば
それは暖かなストーリーとなるわけで。

今まで作り上げてきている数々の空気が
あってこそ成り立つかなあという作品ともいえますし
目新しさはないですが
やはり安心して読める仕上がりにはなっているかと。
このシリーズは最後まで追い続けますよ

評価：☆8

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