ガーゴイル おるたなてぃぶ

作者：田口仙年堂　ファミ通文庫

アニメ化までされた、氏のデビュー作にして
出世作である「吉永さん家のガーゴイル」の
世界観を受け継ぎつつ、別の場所での
お話を描いた外伝的作品。
旗を揚げたばかりの新米錬金術師ひかると、
彼女が作った鳥形自動人形ガー助が織り成す、
ドタバタハートフルアクション（意味不明

見るべきところは本家ガーゴイルの場合、
ガーゴイルそのものが圧倒的に強く、
それをいかに表すかと、
その強さに対抗するもの、
そんな強いものの弱いところを描くところに
実に妙味があるわけですが、
この作品は全く逆。
半人前同士の凸凹コンビであり、
いわゆる「強さ」というものでは一歩劣る…
だからこそ、その弱さのなかにある
「強さ」が際立つわけです。
多分、作者が描きたかったのはそこなのかなあと。
そういう意味では意欲的な作品ですね。

ただ、氏にしては珍しく
状況説明がイマイチかな。
若干わかりづらい描写とか、ピンとこない
描写があったりで、そのあたりは
意欲作ゆえのマイナス面として出た感じですね。

とはいえ、やはり安定した面白さはあるし、
本家にとっても、こちらにとっても
気になる展開にまとめあげているのはさすが。
本編を読んでからじゃないとわからない部分が
若干あるので、読者範囲は狭まりますが、
とりあえず、本編をチェックされてる方には
オススメいたします。

評価：☆8

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