狂乱家族日記 壱さつめ

作者：日日日　ファミ通文庫

これで「あきら」と読むそうです、作者さん。「晶」からきてるのでしょう。
若干18歳にして4つのラノベ関連の賞を取って話題になってますね。
で、とりあえず手始めにこれを読んでみました。

…面白いけど若いなあ、という感じです。
とりあえず僕が「家族計画」という名作ADVゲームをやっていたために、
それとテーマ設定的に似てる（見知らぬ男女が事情により家庭を作ることになる）
ために、どうしても比較してしまうわけですが、
どちらかというと、アクション部分を強く取る為に、
日常部分をバッサリ斬ってしまったために、
何でこんなあっさりと家族の結束があるのか、という部分についての
説明がなきに等しく、そこに納得がいかないんですよね。
「家族計画」の場合、基本的にはバラバラであるけれども、
徐々に結束がなされ、それが崩れる様が、長い分非常に秀逸に描かれ、
そこに妙味があるのですけどね…。

ただ、それを補うだけのパワーがある作品です。
描いているテーマ設定は非常によくあるものですが、
筆致がとにかく高校生のレベルじゃなく面白い。
これだけの文章遊びの才があって、現状はまだまだな
ストーリーテリングに磨きがかかったら空恐ろしいかもしれません。
そういう期待に満ちた作品ですね。とにもかくにも若いｗ。
とりあえず他の作品もまた近いうちに見たいと思います。

評価：☆7