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Cozy小路

B級グルメとB級生活を愉しむB級ビジネスパーソンの日常

2日目はお約束の おでん屋 かつや 札幌駅前

2010-02-12 15:56:19 | 地方グルメ 北の方角
前日分の続き
面接授業の終了が5時45分で、急いで店に向かおうと北大病院の裏側にショートカットする。しかし、あいにくの雨で水たまりが出来ていて、とっぷり暗かったものだから、工事通行止めになっているのに気がつかず、水溜りの中を走り、結局遠回りして北大の外に出てタクシーを拾う羽目に。
着いたのは6時20分くらいで二日目も彼を先に店で待たすこととなり申し訳ない。申し訳ない。
この店は以前もこのホテルの地下にあったのだが、前回来たのはホテル改築でJAL札幌支店の筋向かいのビルの地下で仮営業していた時である。1年程前に改築終了したホテルに戻り、今度は同じ地下の通路を挟んで斜め前に位置変更となっている。移転する前も、仮営業中も、そして今回も店のつくりが変わっていない。気になったので聞いてみる。「カウンター周り、全く変わらないね~」


「どこも変えてないわよ、でも大変だったわよ。カウンターの板、これも、これも一枚板で鉤の手に繋がっていて業者が一旦外したら元通りに組み立てる自信がないって言うから結局、この形のまま全体を持ち上げてそのままトラックに載せて運んだのよ」「私が若い時はクルミの殻でこの板を磨かされるのが日課だったの」ーそうか、気にしたことがなかったが彼女は初代ではなく、2代目なのだー
奥で下ごしらえをしている彼女より年配の女性は漠然とお母さんかと思っていたのだが、二人の会話を聞いてみると「おばちゃん」と呼んでいる、ということは年配の女性は初代の兄妹であるとかいう事情と推察するがさすがに聞きそびれる。
彼女は「引っ越しは5回もやったわよ」そうですか、店に歴史あり。そして彼女は店の佇まいを寸分変えずに何十年守ってきたわけだ。京風のおでんの味も、付かず離れずの客あしらいも。
彼との話は昨日の続きで相変わらずハイテンションで続いているのだが、今日は彼の話を聞こうと決めていた。

一番聞きたかったのは千葉から札幌に連れ帰った猫の話である。猫の名前は「武蔵」人形町時代一緒に仕事していた仲間内でも「武蔵どうしてる?」よく話題に出た。当時既に老猫であったが、「また、近所で喧嘩して怪我して帰ってきてさ」と話していたヒーローであった。私は人形町の勤務3年間の後、函館に転勤したがその後彼は会社のリストラもあり、親の面倒をみることもあり、故郷の北海道に「武蔵」を連れて2000年頃に戻ったのである。そして武蔵は23歳となった。獣医が「こんな長生きの猫、私は見たことない」といったそうである。そこまでは以前電話で聞いていた。
札幌で生まれ落ちた武藏は処分猫になりそうだったのを彼と同棲していた女性が「可哀想だから」と引き取ってくれたのが縁である。その後カップルは東京に出てきて彼は物流関係の仕事に就き、彼女は生来の仕事である看護師として働き武藏は愛猫として四街道で暮らした。そして10数年を経て二人は武蔵を連れてまた札幌に戻った。彼女は仕事の関係で今は川崎の病院勤めをしており別居状態になったが武蔵は彼が面倒を見続けた。
「武蔵どうした?」「今年の春に死んだんですよ。24歳にもう少しだった。」「最後はオシメになったけどね」「最後の時はずっと部屋で武蔵を抱っこしてたんですよ、そしたらね最後にね、武蔵がすっと手を伸ばしてきたんだよ」「そしたら動かなくなった・・・」大往生の際に「ありがとう」と手を延ばしたか、絶命して手が伸びたのか  分からないが 武蔵も彼も冥利に尽きただろう。せつなくてもらい泣き。

次はお互いの親の話である。彼は週に一度は実家のある伊達市に帰ってお母さんの面倒をみている。少し認知症の症状があるようだが、「親からみると子はいつまで経っても子供である」という彼と私がしみじみ実感している現実について・・話が途切れることがない。
昔の仕事の思い出話もする。香港資本の会社で共に働いて感じていた日本人と華僑の考え方の違い、日系アメリカ人の考え方、欧州人の仕事と余暇について。これからの人生如何に健全に生きるべきか等々。「金じゃないよね、健康だね。」

カウンターの隣の席では比較的若い男女と年配の男性の3人連れが賑やかに話していた。しかし何時しか三人の会話の量が減り、それとなく我々の話に聞き耳を立てていた。それ位大きな声で喋っていたのも事実だが、我々の人生談義に傾聴する興味を感じたのだろう。

彼に「一度東京に出ておいでよ、昔の仲間集めるから」
ママに「今まで何人か若い女の子連れてこの店きてるけど、彼女たちママの顔懐かしいと思っているはずだよ、俺と写真に写るの厭かね?」「いいわよ」店の前でパチリ。
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旧友に再会 まずは札幌ジンギスカン

2010-02-12 15:37:49 | 地方グルメ 北の方角
特にこれといった事情はなかったのだが(ないでもないか)暫く気分が乗らずブログがご無沙汰です。草稿で放置していた分から順次アップします。
昨年12月の巻

札幌の面接授業の前日、千歳からJRに乗る時に旧友に「おでん屋、多分満席になるから予約するか、先に行って店で待っててくれない?」とメールすると電車が新札幌に着く少し前「もう一杯でしばらく空かないって」と着信。予想していたけれど仕方ないから初日はジンギスカンにするか と返信してホテルのロビー待ち合わせに変更する。ロビーで会ってやあ久しぶり元気だった?
「でも、顔だけ出す?」
おでん屋はホテルの地下である。ドアを開けると「さっきお断りした方がいたけど、貴方のお連れだったの!」と女将が店の外まで出てくる。「そうなんだけど、明日だったら平気?」「6時までに来れる?」「じゃあお願い。でも俺の名前知らないよね、言おうか?」「いらない!東京の人って書いとくから」交渉成立、そして彼には明日も付き合わせる事まで勝手に決めてしまう。
札幌ジンギスカンに向かって歩き出す。確か狸小路の手前の西の方だったとの記憶なのだが「違いますよ」と言われて更に2ブロック南に歩く。
若干ガタの来ている階段を上って覗くと懐かしい煙もうもうの店内、幸い数席空いていて早速ジャンパーを脱いでなるべく臭いのつかないようにする。入口近くの席だったので今回は個性豊かな親爺と話す機会はないが相変わらず小さめの包丁で肉をこそげ切りながら常連と話している。大概の客はジンギスカンが2~3皿に+ニンニクの芽等だ。1皿目は所謂ロース部分で、2皿目は赤身、3皿目は骨付きである。ビール園の冷凍マトン等とは比較にならない旨い肉を食いながら話が盛り上がる。
彼は1993年から96年まで人形町で仕事していた時の仲間であるが生涯で最も気楽に話の出来る気の置けない友人の一人である。年齢は同じなのだが、なぜか弟分のように接してくれるし、お互い公私にかかわらずなんでも話してきた。今回は3年ぶり位の再開で山のように話すことがあり、ラム肉の焦げるのを気にしながら喋りまくった。といっても私が7割で彼は根気よく聴いてくれたのである。ありがたいことで今の家庭環境、年金?
健康管理、今何をしたいと思っているか等等。
5皿と野菜を2皿平らげ、喋りに喋ったりで顎が疲れ、生ビールも4杯空けて店を出る。出しなに、店の女の子に「松たか子に似てるって言われない?」俺今日はハイテンションだな~。(松たか子似は背中の見えるTシャツの子です。念のため)


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主人と意気投合 里の 金沢 芳斉一丁目

2009-07-04 21:29:23 | 地方グルメ 北の方角
放送大学スクーリングの夜の愉しみは「旅路の酒」。金沢駅からほど近い水路沿いの古い町並みの住宅街。芳斉という古風な雅を感じさせる町を歩く。信頼するネットの探訪記事を読んで見当をつけていた店の前に佇み暖簾が店の雰囲気に溶け込んでいるのを確認して間違いなかろうと確信して少し通り過ぎたところから電話をかけた。
「予約なし一人ですが構いませんか?」「どうそお越し下さい」「「すぐ近くから電話しています、1分で入ります。」
カウンター10席くらいと、奥に座敷が一つ、使用人はいなくて主人が一人で切り盛り。いやもう一人?
奥に痩せた三毛猫が伺うように恐れるように私を観ている。主人がすかざず「こんな商売して猫おいたりするのはもっての他ですが事情が有りましてお許しください。そして猫を気遣いながら「もう大丈夫だから表に遊びにいっておいで」と送り出す。
6時半を回った処だったが客は私一人、結局最後まで私一人、話が弾んだ。
主人と私も共に母を気遣いながら生活していること、猫は捨て猫だったのを「自分がここで手を差し伸べなければ、この生き物は息絶える」「見て見ぬ振りをすれば一生後悔する」と考え店に引き取って育てているという。
最初にでたのは胡瓜のあんかけなのだが、主人は自身で通常サイズより大きく育てて収穫しているという。「加賀の太胡瓜よりこの方が歯ざわりが好きなんです。」
酒は一滴も飲めないらしいが酒も料理も蘊蓄の塊みたいな人である。

この一品の仕上がりでちゃんとした料理修業をした人とわかる。
最初に「ビールは中瓶一本、後は日本酒で二合か三合で終わります。料理は地の食材中心でお任せします。」とお願いすると 「軽めですか、しっかりですか?」「しっかり食べますよ、実は昨年秋から晩酌は止めており、自分自身で旅路の酒と友と交わす酒と納得する際だけと決めているのです。今日の酒は今年の七回目です。酒を存分楽しみたいのでよろしくお願いします。」と追加説明する。
米茄子のオイル焼きが一八番の料理とのことであったが確かに旨みの凝縮した印象に残る一品であった。

日本酒は手取川 と手取川の本家が杜氏の技に頼らず科学的データに基づいて作ったという手取川吉田蔵という珍しい酒をグラスでいただくことにした。
刺身の後は飛び魚の一夜干しかのど黒の西京漬けを選ぶことになり、両方に食指は動いたがのど黒をいただいた際に吉田蔵をいただいた。
「杜氏の伝統的手法によらず科学的分析でというのは新潟の久保田と同じですね」

すっかりいい気分になり、最後はジュンサイを菊姫の濁り酒で締めることとなる。

私が若いころ飲んでいた「月の桂」濁りとは違って濃厚な味わいである。
飲みながら「私自身」について・・・畑のこと、慣れ親しんだ他の地方のこと・・母の事・・今考えている生き方・・・語ってしまったが、主人と波長が合ったからである。出るとき主人が「お客さんのことは忘れません。」と言ってくれた。
料理とビールと酒はグラス四杯で五〇〇〇円と少しであった。
いい夜だった。
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梅之寿司 函館市

2009-06-29 12:09:56 | 地方グルメ 北の方角
携帯電話で場所を確かめて12時前に着きました。12時の開店まで車内で待とうと思いましたたが奥さんが気がついて早めに開けてくれました。
お任せ3150円を頼みました。
小ぶりです。丁寧にもイカもソイの昆布締めもホッキ貝も母に出す分は半分に包丁を渡してくれたのでお陰様で喜んで残さず食べてくれました。滅多にないことです。
写真のミョウバンを使わないで処理した海胆以外に私として今回印象の強かったのは牡丹海老、そして鰯と毛ガニの握り。
皿に百人一首が読まれている趣向も母は喜んでくれました。
木原、鮨金 雷門といくつか函館の名店にお邪魔していますが、雰囲気も評価に加えてこの店が一番お気に入りです。住宅街の中にあるのは営業的にはマイナスかもしれませんが、欲張らず今の姿勢で店を続けて欲しいものです。
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五島軒 カレーセット

2009-06-28 12:00:53 | 地方グルメ 北の方角
畑作業の後、レンタカーを借りて母を乗せて函館山、五稜郭タワーと観光名所を巡ることにしました。
昼飯は五島軒で取ることにしました。函館勤務時代は母もちょくちょく一人でこの店に海の幸カレーを食べに来ていたはずです、窓際のお気に入りだった席が取れました。
五島軒のカレーは今はレトルトが全国で売っていますが、レトルトは他の有名店の名義貸しのレトルト同様旨くありません。それよりは北海道では手に入る缶詰、特にイギリス風のビーフカレーは本店の味に近い気がします。値段も違います。
久しぶりに食べる本店のビーフカレーで欧風の濃厚な味の中に辛味がキッと残る美味さを確認しました。
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愛嬌は表情筋 結き 弘前市

2008-12-20 23:54:09 | 地方グルメ 北の方角
しとしと雨になった弘前の夜。ホテルから市内の中心部まで歩くと10分、傘を差すのがうっとおしかったが1年半前に2日連続で通った店がやはり気になる。土手町の繁華街にたどり着くと、冬であるせいかシャッター商店街化が進んだ感じがする。橋を渡るとリンゴのオブジェを確認。店は潰れていないようだ。

にこやかに見覚えのある若い女性が迎えてくれたが、店の方では当然私のことを覚えているわけではない。お通しが出てメニューが出された処で「以前に来たことがあって、その時はお任せにして貰ったんだけど・・」ちょっと戸惑ったのか女将を2階に呼びに行く。女将が降りてくる、若干怪訝そうだ。ここで「私はね1年半前、丁度8月のお盆の頃に来てるんですよ。」「その時にちょっと調べ物をして貰ったんだけど・・・」取り敢えず功を奏するかどうか分からないが一方的に喋り続ける。
「私が随分前に弘前に来たときの店を探してるって・・・そしてその店に「電気正宗」という酒の陶器の徳利が置いてあって、それが凄く気になって調べてるんだって」ここまで云うと女将も若い女性も『あ~あのときの、覚えてますよ、確か~さんが調べてくれて」あ~良かった想いだしてくれて。
途端に雰囲気が和む。『あのときは暑い時期で確か山菜のミズとどこかの島のサザエを出して貰ったよ」「久六島のサザエですね」「じゃ冬バージョンで適当にご用意させて貰いますね」
こうなると悪い癖で蘊蓄癖がでてくる。「あのときは電気正宗というのは辛口のぴりっとした酒ゆえにつけた名称だと思っていたんだけど、
浅草に神谷バーっていう古い店があるのご存じ?、そこのカクテルがデンキブランっていうんだけど、別にぴっとするほど強い訳ではなくて、当時は新しいものに電気って名前を付けたんだって最近知りましたよ。電気正宗も新しいという意味だったのかもね」
「ま~そうですか」刺身は何ですか聞くと「ほうほう です」「ホウボウ? ちょっと違うかな??」「いいえホウホウ、方、方ってかきます」『何だろうね、新発見だな~」その後ホタテの焼き物まで用意してくれて女将が2階の宴席のお相手に上がっていく
代わりにえくぼの可愛い女性が代わりに私の相手をしてくれる。この子もなかなかからかいがいのある面白い女性である。お酌もしてもらう。カウンターに他の客が居るわけでないからまあいいでせふ。
二階から今度は女将より若いがカウンターの女性より年増の女性が降りてくる。とても元気が良くて姉御風だ。でもやはり美形で愛嬌がある。彼女も私の左横から酌をしてくれる。
女将は如何にも以前水商売していたと思わせる客あしらいの上手さと魅力があるが。どうしてこう魅力的な女性が集まっているのか?相当女将の教育が行き届いている。第一この女性達みんな前回と変わっていない。こんな商売で人が代わらないのはなかなか有るものでない。みんな明るくて表情が活き活きしている。カウンターの彼女は漬け物を出してくれる「菊芋の漬け物です」どうもこれも初物である。
2本目の銚子の前に料理が無くなった。『一品追加!します」「肉か豚でも良いですか?鰺ヶ沢の長谷川牧場の豚肉がありますけど」「それ塩焼きでお願いします。」
二階からもう一人降りてきた、この子が一番若いが又可愛い子である。
う~ん不思議、みんな可愛くて、愛嬌があって明るい。束ねる女将はやはり只者でない。

東京に帰ってから菊芋は糖尿病に効果があると言われている菊芋と知れた。でも「ホウホウ」はやはりホウボウですかね。でもホウボウのLOCAL NAMEにそれらしい呼称はNETで確認できません。。
「こちらでは皆さん方方と言うんですけど」謎は解けません。
でも『女の魅力は表情筋!」確信させる旨い飯と快適な時間であった。又なんだかんだ行って弘前大学のスクーリング来年も選択しそうだな。
まっ良いよね。
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梅之寿司 函館市

2008-10-18 18:26:33 | 地方グルメ 北の方角
昨年、広島は修道出身、慶応卒の空手の名手?のN氏にお会いしたとき、一度行ってみろよと言われていた店。ようやく訪ねて約束を果たすことができた。N氏は函館支店長時代、随分金も使ったが未だに函館に知己、ファンが多く、多分私と同じくらいの頻度でこの地を訪ねている筈。
店の若主人も「六月に何人か連れておいでになりました。」いやはや立派。伊達に名誉函館大使を勤めている訳でない。
3年前まで森町に有った寿司屋である。その頃からN氏は目を付けて、いや目をかけていた訳だが、成る程拘りを感じさせる。
小粋な日本庭園を臨む明るい店内だが、昔の写真を見せてもらうと、細部をのぞいて森の店を函館でそっくりに再現している。
一品一品、こだわりを説明してくれる。写真は13キロの鱒之助だという。


蒸した蝦夷蚫は年寄りでも雑作なく噛み切れる程柔らかい。明礬を使わないで処理したウニはとろけるように甘い。
尤もこの日の朝、今年の畑を締めた後、共同耕作者とだべりながらのランチなので、蘊蓄の説明を真面目に聞けた訳ではない。
少々失礼してしまった。でもコノ内容で3500円+税は競合店たる、雷門寿司、きはら より納得だろう。
2品程追加して、奥方手作りのデザートまでちゃんと頂きました。
母を連れて再訪の価値ある一軒。
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いつかみたい 夕なずみの遺愛の桜 田ざわ 函館市

2008-10-17 22:32:29 | 地方グルメ 北の方角
前回訪問時、「何年かしたら店閉めるつもりだ」リタイヤする目処を63歳といったのか、65歳といったのか記憶定かでなかったが、
電話で予約を入れるとき、もしかしたらもう、と不安だった。いつもは奥様が電話口に出るのだが主人の声。名乗ると「久しぶりですね、勝手言って悪いけど6時半に来ていただけます?」
五稜郭の百貨店で10分ほど時間を潰して店まで歩いていく。入り口横にパート募集の小さな貼紙。もしかしたら奥さん体調が良くない、案じながら店に上がる。
先客は一人客と、二人連れが一組、そしてまだ見えていないがもう一組の用意。今日は私を入れて6人の客で締めるらしい。
私が主人と喋りだすと隣の一人客の若い男性は興味深げに聞いている。水を向けるとネットで調べて愛媛からきたという。「どういう風に書いてありました?」差し障りのない会話を少し。
鯖に柿のソースを掛けた前菜、そしてサワラの肝もつけた薄造り。あい変わらず見事。
油が暖まってきて先客にはサイマキの頭の天ぷらから供される。磨き上げられたアカの鍋とフードにサーッという軽い音とピンピンという響きが反響して心地よい。
私より5分くらい遅れてきた二人連れは会話の内容から放送局の関係者らしい。コノ字のカウンターの反対側に座っている非常に美しい20代前半と思われる女性と70歳に近いと思われる男性の会話は分からない。
ということで主人と私が専ら喋ることとなる。カウンターの反対側には最近主人の撮った写真が掛けてある、一枚はマクロで撮ったキノコ、もう一枚は秋田の花輪の夜祭りの写真。「また腕上がったですね」私にはとてもあの色は出せない。「今は何使ってるんですか?「ニコンのD700だよ。フルサイズだからフィルムになれた私には使いやすいですよ」
今回特に変わった食材はない。


ブロッコリーの天ぷら、わざと少し焦げ臭をつけて供される。甘くてとても美味い。
生ビール2杯の後は冷や酒2杯で止める予定が、見せられたた秋田の酒に惑わされて結局3杯行ってしまった。



いつも通り満足したコースの締めは天バラか蕎麦の選択、しかし前回同様私は両方。


主人の蕎麦は余技の域をとうに超えている。蕎麦を習得に何人かの弟子がきたらしい。でも肝心の天ぷらを継ぐ人は現れず、、、残念なことである。
他の客は帰り、主人は厨房から出てきて店の奥に疲れた様子で腰を下ろす。
「もうやめようと思うんだけど、遠くから訪ねてきてるお客さんがいるし、今の半分の広さで週何回かでやれるといいな」と漏らす。奥さんはやはり体調優れないようだし、無理は言えないけど。
話題をかえて、「遺愛の桜をこの店の窓から一度でいいから見下ろして観たいんだけど」
石坂洋次郎の小説の舞台になったと伝えられる「遺愛女学校」の庭には見事な桜がある。窓を開けると真っ暗な校庭の中に桜の樹影がかすかに見える。
「桜の季節になると本当に綺麗ですよ」「樹勢が衰えてきて、枝につく花の数減ってきたけど夕なずむ時間の桜をここから観ていると輝いて本当に美しいですよ」「来年来れるかどうか分からないけど、一度観たいですねえ、それまで頑張ってくださいよ」

又話題を変える、「それにしても前に座ってた女の子、美人だね~、昔私が鹿児島勤務のときに元ミス慶応という女の子がスチュワーデスの乗務前地上研修で何ヶ月かいたんだけど、その子とそっくりだと思って見ほれていましたよ。隣のご老人はやはり鹿児島時代にお会いした先代の陳寿漢さんに似てたし。」「いやあ、よくわからないけどあの二人、籍は入れていないけどご夫婦みたいなんですよ」
『えっ~どうみても40歳位年齢差がある。え~っ」
遺愛の桜を愛でたいという風流な気分がぶっ飛んでしまった。

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バスク バスク料理 函館

2008-05-24 16:28:47 | 地方グルメ 北の方角
畑の土起こしの終了は1時15分位。帰りの鶴丸航空は3時20分発なのでその間に食事をしながらもう一つやることが。
到着時に帰り便は早々とチェックインしてあるもののバスクの昼営業は2時半までなので時間がない。
共同耕作者の車でバスクに向かう。もう一つのやることというのはインタビュー。
元の函館の職場で旅客部門にいた女性がめでたく結婚するのだが何故か、私にスピーチしてくれとのご依頼。在勤時代に特に面倒を見た(遊んでもらった)女性ではないので彼女自身のこともあまりよく知らないのだが、まして婚約者の事は何も知らないということで友人代表でやはりスピーチを頼まれている共同耕作者と一緒にランチインタビューすることになったのである。
この店は函館では数少ない、道外からも目当てに訪れる客がいる店である。{美味しゅうございます}の岸さんも訪れている。
数年前のNHK食彩浪漫でシェフの深谷さんは風干し生ハムを披露している。
東京理科大学卒で元は商社に勤務していて出張でスペインに行きバスク地方料理に魅せられてというルーツだったように記憶するが8年位前に柴田書店から料理本を出している。その初刷本が書店の店頭に並ぶ数日前に偶々昼飯を食べに行った。本を見つけた私は、店で本を購入し深谷さんに著者サインを頼んだ。彼が書いてくれた一言は「料理は科学」。
下の名前が漢字は違うが私と同じ読みなので親近感をもっている。
その本は大切に今も持っていると云いたいところだが・・その時一緒に行った、そうよく面倒を見た(遊んでもらった)女性が「貸してください」というので貸して未返却のままである。その子がもし嫁入りに持って行くんだったらそれでもいいけど、出来れば返して・・
今回の前菜は山菜のサラダ

にんにくのスープ。主菜は子イカの墨煮。
腹が減っていたので私だけパンをお代わり。バターはみんなの分を搔き集めて。
食べるのに夢中で肝心のカップルの話は余り聞けなかったな~ 反省。
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メゾン・ド・カンパーニュ 時任町 函館

2007-05-15 22:39:27 | 地方グルメ 北の方角
住宅街の中にある函館では名の知れたフランス料理店。
犬が迎えてくれた。

店はテラス風の設えで明るい。空腹だったので魚と肉両方ついたCコース2600円を選択。

スープはクラムチャウダー、浅利とベーコン以外に人参、玉ねぎその他結構具だくさんの濃厚なスープでマッシュルーム入りと思わせる独特な色

函館在住の時、松前の桜を毎年見に行き途中で貝堀をしている家族連れをよく見かけた、やってみたいと思いながらもとうとう機会がなかったなんていう話を共同耕作者としつつあっという間に肉料理まで終了

これ以外に別料金のシフォンパイまでいただきましたが、話に夢中だったせいか満腹に至らず。もう一皿欲しかった。
ガラス戸越しにワンちゃんが客を見守ってくれている野菜、魚介のおいしい地産地消料理店でした。
尚、先週デジ一を衝動買いし持参しましたが、取説をなにも読まずに持ち込んだせいで狙った露出、ピントになりませんでした。残念。
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