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Cozy小路

B級グルメとB級生活を愉しむB級ビジネスパーソンの日常

2日目はお約束の おでん屋 かつや 札幌駅前

2010-02-12 15:56:19 | 地方グルメ 北の方角
前日分の続き
面接授業の終了が5時45分で、急いで店に向かおうと北大病院の裏側にショートカットする。しかし、あいにくの雨で水たまりが出来ていて、とっぷり暗かったものだから、工事通行止めになっているのに気がつかず、水溜りの中を走り、結局遠回りして北大の外に出てタクシーを拾う羽目に。
着いたのは6時20分くらいで二日目も彼を先に店で待たすこととなり申し訳ない。申し訳ない。
この店は以前もこのホテルの地下にあったのだが、前回来たのはホテル改築でJAL札幌支店の筋向かいのビルの地下で仮営業していた時である。1年程前に改築終了したホテルに戻り、今度は同じ地下の通路を挟んで斜め前に位置変更となっている。移転する前も、仮営業中も、そして今回も店のつくりが変わっていない。気になったので聞いてみる。「カウンター周り、全く変わらないね~」


「どこも変えてないわよ、でも大変だったわよ。カウンターの板、これも、これも一枚板で鉤の手に繋がっていて業者が一旦外したら元通りに組み立てる自信がないって言うから結局、この形のまま全体を持ち上げてそのままトラックに載せて運んだのよ」「私が若い時はクルミの殻でこの板を磨かされるのが日課だったの」ーそうか、気にしたことがなかったが彼女は初代ではなく、2代目なのだー
奥で下ごしらえをしている彼女より年配の女性は漠然とお母さんかと思っていたのだが、二人の会話を聞いてみると「おばちゃん」と呼んでいる、ということは年配の女性は初代の兄妹であるとかいう事情と推察するがさすがに聞きそびれる。
彼女は「引っ越しは5回もやったわよ」そうですか、店に歴史あり。そして彼女は店の佇まいを寸分変えずに何十年守ってきたわけだ。京風のおでんの味も、付かず離れずの客あしらいも。
彼との話は昨日の続きで相変わらずハイテンションで続いているのだが、今日は彼の話を聞こうと決めていた。

一番聞きたかったのは千葉から札幌に連れ帰った猫の話である。猫の名前は「武蔵」人形町時代一緒に仕事していた仲間内でも「武蔵どうしてる?」よく話題に出た。当時既に老猫であったが、「また、近所で喧嘩して怪我して帰ってきてさ」と話していたヒーローであった。私は人形町の勤務3年間の後、函館に転勤したがその後彼は会社のリストラもあり、親の面倒をみることもあり、故郷の北海道に「武蔵」を連れて2000年頃に戻ったのである。そして武蔵は23歳となった。獣医が「こんな長生きの猫、私は見たことない」といったそうである。そこまでは以前電話で聞いていた。
札幌で生まれ落ちた武藏は処分猫になりそうだったのを彼と同棲していた女性が「可哀想だから」と引き取ってくれたのが縁である。その後カップルは東京に出てきて彼は物流関係の仕事に就き、彼女は生来の仕事である看護師として働き武藏は愛猫として四街道で暮らした。そして10数年を経て二人は武蔵を連れてまた札幌に戻った。彼女は仕事の関係で今は川崎の病院勤めをしており別居状態になったが武蔵は彼が面倒を見続けた。
「武蔵どうした?」「今年の春に死んだんですよ。24歳にもう少しだった。」「最後はオシメになったけどね」「最後の時はずっと部屋で武蔵を抱っこしてたんですよ、そしたらね最後にね、武蔵がすっと手を伸ばしてきたんだよ」「そしたら動かなくなった・・・」大往生の際に「ありがとう」と手を延ばしたか、絶命して手が伸びたのか  分からないが 武蔵も彼も冥利に尽きただろう。せつなくてもらい泣き。

次はお互いの親の話である。彼は週に一度は実家のある伊達市に帰ってお母さんの面倒をみている。少し認知症の症状があるようだが、「親からみると子はいつまで経っても子供である」という彼と私がしみじみ実感している現実について・・話が途切れることがない。
昔の仕事の思い出話もする。香港資本の会社で共に働いて感じていた日本人と華僑の考え方の違い、日系アメリカ人の考え方、欧州人の仕事と余暇について。これからの人生如何に健全に生きるべきか等々。「金じゃないよね、健康だね。」

カウンターの隣の席では比較的若い男女と年配の男性の3人連れが賑やかに話していた。しかし何時しか三人の会話の量が減り、それとなく我々の話に聞き耳を立てていた。それ位大きな声で喋っていたのも事実だが、我々の人生談義に傾聴する興味を感じたのだろう。

彼に「一度東京に出ておいでよ、昔の仲間集めるから」
ママに「今まで何人か若い女の子連れてこの店きてるけど、彼女たちママの顔懐かしいと思っているはずだよ、俺と写真に写るの厭かね?」「いいわよ」店の前でパチリ。
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