毎日徒歩で通る、ふるさとの浜辺公園の数ヵ所に菜の花が植栽されています。一番日当たりのいい場所の菜の花ががほぼ満開になりました。厳しい冬で遅れているとはいえ桜の開花も間もなくです。
昨年末、前の病院で母の病状について医師から「よくもって、もしかしたら桜がみれるかな」といわれて3カ月経ちました。
その後の転倒事故もあり、医師の言葉を普通に解釈すれば桜どころか梅の季節も無理だろうと考えていました。写真の満開の菜の花の後ろは梅ですが梅はそろそろ終わりです。桜も後1週間以内に開花宣言が出るでしょう。
有難いことに小康状態です。どうやら桜をテレビで見せることは出来そうです。といっても認知力の低下は致し方なく一昨日終わった大好きな相撲も見ていて殆ど理解できていません。1か月前だったら天気予報の時に流される花の映像をみて「きれいだね~」といえました。桜をみて感動してくれるでしょうか?
単に赤子の知能に退化していくわけではありません。看護師との接し方をみていると人生で築いてきた品性は基本的に保たれているものだと時々感動します。母は相手の目を見て「ありがとうね」ときっちりいいます。
平日は夕食を頂くのを横で見ているしかできません。2時間弱を病室で過ごし、取りとめのない混濁した話をきいて、訴えていることが何か分かれば看護師に伝え、食事が済むと入れ歯を洗い、うがいをさせ場合によって排泄の手伝いをします。そして背中をさすり、足をマッサージしてやります。足裏と指先をもんでやると「あ~いい塩梅、私は幸せだね~」といいながら気分が落ち着いてきます。そのタイミングで病室を去るようにしています。
桜の季節まではどうやら命をいただけそうなので、次は藤の花でしょうか。でもそれまでに致命的な事故が起こる不安も一杯です。