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海外メンタルヘルスニュース

とある裁判 その3

2006年10月25日 | Weblog

Sharma医師の治療を受けに戻ってきたRoyston被告は、またジアゼパムを求めた。しかし、医師はそれを拒否し新たな抗うつ剤を投与することに決めたのだった。

David Aubrey弁護士の「その薬での治療はどうでしたか?」という問いに「確かにうつや不安は軽減されました。しかし、人格障害の程度は全く変わりませんでした」と答えた。

「それでもあなたは人格障害の専門家を紹介することはなかった」

「はい、その通りです。この街(ロンドン)で人格障害の専門の治療を受けるのはそう容易なことではありません。とてもじゃないが彼には治療費が払えるとは思えないほど高額です。単純に紹介出来る話ではありませんでした」

「では、あなたは彼とこのことについて話し合うつもりはなかったのですね?」

「はい」

人格障害のため、また彼は治療する意思があったが医者の判断で適切な治療が受けられなかった結果、こうなってしまったので無罪だと主張する弁護側。

判断能力はあった、また相談していても現実的に治療を受けることは不可能だっため医師側には責任を押付けるのはナンセンスだと主張する検察側。

判決が出るのは来年です。

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気になって調べたのですが、ロンドンの人格障害の治療費用の平均額は年間約60万円。人格障害以外の治療の平均額は約25万円ということなので、人格障害の治療は高額です。