3話と4話の幼い頃のタムドクとキハの会話を思い出していました。
タム:僕が身体の弱いふりをして、バカなふりをするのは、一日でも長く生きるためなんだ。
そのためには、他人より目立ってはダメという、父である陛下の言いつけだから。
父上が毒殺されそうになっているのに…息子である僕は怖いと思っている。本当に弱くて卑怯なのかもしれない…
キハ:虎を捕まえようと斧一つ持って飛びかかるのは、真の勇気ではないと教えてくれた人があります。
無知だから恐れがないだけだそうです。怖がるのは知恵があるからです。
知恵があるものは斧を使わずに虎を捕まえるそうです。
怖くてもやってみること、そうするために知恵を尽くすこと、それこそが勇気だと聞きました。
タム:戦いに強くなると、良い王になれるのか?良き友の母を死なせた。なのに良い王になれるのか?
こうして頑張って戦いの術を身につけたら、僕は良い王になれるのか?
キハ:私はただ、太子様がもっと強く、もっとすばやく身をこなせるようになったら嬉しいのです。
それで、いつか、もしその身に危険がせまっても、怪我をしないで、無事に逃げられたらと思います。
(ノベライズより抜粋)
タムドクはキハの言葉に勇気付けられて知恵を使って戦うことを決めました。
そして、それは大きくなっても変わりなく実践していることなんですね。
キハはタムドクの父がタムドクに長く生きて欲しいと思っていることを知りました。
その本当の意味がわかっていないことが悲劇につながっていますね。
キハは、『チュシンの王はホゲ』と聞かされて育っていますから。
タムドクはこの時自分は王になるのかもと思っていますね。なりたいわけじゃないでしょうけど。
王宮を出て幸せに暮らしたいとまでは思っていないように思えます。
でも、キハはタムドクの『良い王になれるのか?』という質問には答えず
『無事に逃げられるようになって欲しい』といいます。
キハはタムドクが望んだ事をやろうとしただけだという解釈もあるようですが
この幼いときの会話が私には引っかかって、どうしてもそういう風には受け取れないでいます。
幼い頃からのいい含めでタムドクは王になるはずがないと思い込んでいるキハが
タムドクの父もタムドクに長く生きて欲しいと思っていることと自分の思いを重ねて
『遠くに逃げよう』とだけ思うようになったのかな…
知恵を使って戦うことが勇気だと教えてくれたのに…