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ことのはのはね~奈良町から

演劇、アート、短歌他、町家での出会いまで、日々を綴ります。

森川杜園生誕200年企画 奈良町にぎわいの家

2020-06-12 | にぎわいの家・奈良関連
奈良町にぎわいの家では、5年前の開館より、奈良人形(一刀彫)の名人で、幕末から明治期に当館の二軒隣に住まいした、森川杜園企画、杜園の生まれた6月に開催しています。大津昌昭氏の小説『芸三職 森川杜園』をテキストに、私が脚色、演出をして、朗読劇等の企画を続けてきました。今年はコロナ対応下で、早々に朗読劇が中止となり、けれども生誕200年の年なので、是非、なんとかしたいと思っていました。関係者のお力添もあり、、本日から、森川杜園作品の展示、日曜日には大津先生の講演の実施となりました。マスク着用、距離をおきながらですが、休館から初めての事業です。何か、杜園が見守ってくれているような気がしています。講演は既に満席ですが、展示の方は終日、見ていただけます。梅雨入りで暑くなり、マスク着用の来館となりますが、よろしければ、お気をつけてご来館ください。
杜園は彫刻、絵、狂言と三つの分野を仕事としたマルチアーティスト。それぞれの分野が物を創る時に共鳴し、形となっていった…。私自身、演劇、短歌、施設プロデューサーと三分野に関わっていながら、何が形になっているのかな…と振り返ること多々…。でも、奈良町に住まいした大先輩?!の作品のエネルギーには、毎年、励まされます。
杜園の辞世の句を入れて、パンフをデザインしました。この辞世、何とも飄々としています、最期にこんな歌を詠めますように…。




奈良町にぎわいの家・5年の歩みをYouTubeに

2020-06-02 | にぎわいの家・奈良関連
企画、運営する、大正生まれの奈良町家、奈良町にぎわいの家は、5年前の4月にオープンしました。次期指定管理も受け、次の5年にむけて、まずは4月にお祝いのイベントを企画していましたら、コロナ対策で延期となりました。休館中に、写真の整理も兼ねて、多くの方に当館の様子を見てもらえたらと、スライドショーを作成。YouTubeにこの5年の様子をアップしました。簡単な体験事業などを含めると、当館は1年に130~140の事業を行っています。これら事業に加え、お客様の来館の様子、日々のしつらえの撮影写真は1年に約5000枚ありました。その5年分ですから、25000枚。もっとあるかもしれません。それをざっと見ながら、雰囲気の伝わるものを選び、コメントも入れ構成しました。海外のお客様の写真も多く、皆さん表情がとても豊かで、次はいつ、このような形で皆さんと再会できるのだろう、と振り返っています。
海外の方とのエピソードは、いくつもあります。このブログで前に書きましたが、映画界の巨匠、アンジェ・ワイダ監督の話をした、ポーランドの若いお嬢さん。スタッフが折り紙をプレゼントしたら、その場で皆さんが歌を歌ってくれ、それがあまりにも素晴らしく驚いたり。(後から、リトアニアから日本公演に来日した、合唱団の方たちと知りました(杉浦千畝のオペラを東京で上演され、その後、立ち寄って下さったのです。)。また、当館のパンフの最後には、私が書いた、にぎわいの家のモノローグを掲載していますが、その英語パンフを握ってやってきた、アメリカの大工さん。彼は、その最後のモノローグ「これからの100年を皆さんと共に」が心に響いて、訪れてくれたと聞きました。
こうした、思いもかけないことが、なぜかこの100年の町家ではおきます。当館のスタッフが創り出す空気が、物語を連れてくるのかもしれません。そんな町家のシーンをどうぞ、ご覧ください。

奈良町にぎわいの家5周年→www.youtube.com/watch?v=NRi-jcQ1vvg




奈良町にぎわいの家 こいのぼり

2020-04-26 | にぎわいの家・奈良関連
奈良町にぎわいの家の休館が5/31まで延長となりました。例年は、一番来館者の多い時期で、いつもなら、来館者参加型でこいのぼりを作ります。
今年は、スタッフがこいのぼりを作りました。以下、ご覧ください。

こいのぼりに願いを込めて   奈良町にぎわいの家

毎年、にぎわいの家では、皆さんに参加していただいて
制作したこいのぼりを、町家格子に飾っています。
今年の春は残念ながら、コロナ対策で、閉館となりました。
来年こそは、また、皆さんの願いを書いたこいのぼりが、
掲示できますように、そして、今の私たちを取り巻く状況が
良くなり、また再び、お会いできるようにと、今年は当館
スタッフがこいのぼりを作りました。
「つよく、やさしく」、いろんな困難が乗り越えられますよう願いをこめて…。皆さん、どうぞお大切にお過ごしください。







                 

奈良町にぎわいの家・「清水公照作品展」11/22~24 

2019-11-05 | にぎわいの家・奈良関連
奈良町にぎわいの家、正倉院展期間中でにぎわっています。さて、にぎわいの家では、現代アートから伝統美術まで、様々な展示を企画してします。「家」ですから、美術館のようにガラス越しの作品でなく、じかに作品を見られる空間となっています。毎年、この時期に、奈良ゆかりの美術作品を展示しますが、今回、3日間限定で「清水公照作品展」を開催します。東大寺の別当として、大仏殿昭和大修理を成し遂げた著名な僧侶ですが、書画、陶芸など、温かみのある独自の作風で多くの作品を創作され、多くの文化人とも親交がありました。その公照師の作品を間近に見られる3日間限定の展示です。(出品は地元のコレクターのご協力です。この方とのご縁も、オリジナル朗読劇「テイチクうたものがたり」を見て下さったことから始まりました。)
さて、にぎわいの家の私の役割は、事業企画、実施、制作ですが、広報の発行物のデザインもします。予算がないというのもありますが、企画のイメージを伝える時間より、自分で作った方が早い?!というのもあり、いろいろデザインします。
今回の展示リーフレットもしましたが、なんだか、かなり目立つのが出来、なかなか評判よいので、こちらにもアップします。
公照師は、大きな太陽と地面の土のイメージがあり、赤を使ってみました。
赤ちゃんという言葉の「赤」に通ずるような、まっすぐな赤いイメージで作ってみました。
公照師の天女の笑みは、まさにそんな感じです。以下、リーフレットです。
是非、3日間限定の特別展、奈良町にぎわいの家までどうぞ!



こちらはパンフのデザイン。


「エモい」?!~朗読劇「町家よ語れ」

2019-11-02 | にぎわいの家・奈良関連
10/22、奈良町にぎわいの家で上演した「町家よ語れ」。これは2年前、奈良町にぎわいの家、築100年を記念して、書き下ろした朗読劇で、オーディションをして参加型で作り、ならまちセンターホールで上演しました。その再演ですが、にぎわいの家のために書いた本なので、やっと、町家で「町家よ語れ」が上演できてほっとしています。出演は奈良町町家劇場の皆さん。いつものことながら、4回×2時間!の稽古で作ったとは思えない熱演。アンケートの声にそれが反映されています。アンケートには「町家が語る歴史が新鮮で輝いています。本当に声に耳を傾けてしまいます。いろいろな声をどうぞ、これからもすくい取って、観せて下さい。聴かせて下さい。楽しみにしています。」などなど…。皆さんのお声を聞かせていただけるのは、作り手冥利につきます、有り難いです。
さて、町劇の報告もあるのですが、今回のブログは「エモい」です。私は「エモい」を知りませんでした。ところが、町劇を見てくださった方がツイッターに感想をあげてくださっているのを発見、それは以下の内容でした。
「朗読劇「町家よ語れ」観劇。100年の歴史の町家で、人の命と暮らしと文化を感じる。いいなあ。全く、完全に、最も似つかわしくない言葉だけど、エモいなあ。」
これを読んで、「ん?!エモい…って?何?!」と調べてみますと…
「エモい」→「エモい」とは「エモーショナルな感じがする」ということであり、「感情に訴えかけて来るものがある」「心が動かされるようだ」「情緒を感じる」「趣がある」「グッとくる」というような説明しがたい感慨を述べる表現である。 「エモい」は英語の emotional(エモーショナル)に由来する省略表現である。」
とありました。要は、今の若者言葉なんですね。一つ、覚えた!と思っていたら、本日11/2の朝日新聞の書評欄に、なんとまた「エモい」を発見!
それは、作家のいとうせいこうさんの書評でした。『戦下の淡き光』(マイケル・オンダーチェ著)について書いておられました。こんな風にあります。「まさに成功者とは限らない「名もなき人」たちが少年の周囲にいて、彼の成長に影響を与える様もまた非常に「エモい」。」…なんとも、こんな風に表されていると、その「エモい」を感じたくて読みたくなります。(この一文だけではわかりませんが、全体の書評は大変優れたもので、単なる作品紹介でなく、まさに、いとうせいこうさんの「エモい」が湧き出ています…。)
というわけで…「エモい」という言葉を知りました。
これからも「エモいなあ!」とつぶやいていただける作品を書きたいと思います。

 町家よ語れ