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ことのはのはね~奈良町から

演劇、アート、短歌他、町家での出会いまで、日々を綴ります。

小町座のこと~『十六歳』を中心に

2022-10-15 | 演劇
八月末に二人芝居「十六歳」を上演してから、まもなく2ヶ月。この度、その感想を含め、小町座論!を、この3年、観劇していただいている早野照二さんに寄稿をお願いしました。外側から見た、小町座の姿、作品のこと、改めて考えることも多い内容でした。早野さんありがとうございました。(写真…河村牧子)


小町座との出会いは、2019年の春でした。
その前の年は、…私が、生まれ故郷の大阪を離れて家族とともに20数年間暮らした島根県の山奥から、家庭の事情で帰阪した直後で。
島根滞在中に出会い、大変お世話になった広島の音楽活動していた方から届いた新年の挨拶状に「今度、大阪でライブやります」とのお知らせがあり、「ぜひ再会したい」との一心で、妻と二人会場に出向きました。・・・そこに、パーカッションでジャンベ(西アフリカの太鼓)を演奏する「運命の」!?女性(小町座代表・西村智恵さん)がいたのでした。

ライブが始まる前に雑談を交わしていた時、「私、奈良で劇やってます。」と彼女が自己紹介してくれました。「台本も演出もプロの方がして下さって…」とアピールも。・・・お芝居に少なからず興味があった私は、帰ってから、「小町座」「奈良で活動されている」という情報を手掛かりに、ネットで見つけたその年の3月の公演「セリフと歌で語る平成」を覗きに行かせていただきました。・・・ただ、その時の感想はひとえに「あの人、本当に、お芝居やってんだ・・・」と私の好奇心をくすぐるものでした。

「セリフと歌で語る平成」2019.3/30 町家文化館くるま座


一口にお芝居・演劇と言ってもいろいろあります。つい先日も、23歳になる末娘が知人とミュージカル「ミスサイゴン」を観に行ったらしく「・・・良かった!・・・でも本当は高畑充希のキムが観たかったんだけど!」などとミーハーな感想を漏らしてました。概して、若者が舞台俳優の艶(あで)やかさにあこがれるというのは今も昔も変わらないようです。が、私が昔、興味をそそられたというお芝居は、いわゆる「小劇場」といわれるもので、その創成期には既成の商業演劇の枠にはまらない新しい劇を創出しようというエネルギーにあふれた人たちの活動でした。時代もそういう時代でした。

例えば大阪では、天王寺公園など野外で、狭い、怪しげなテントを建てて、薄暗い灯りの中で上演されるようなこともありました。テントの中で地面に敷いた敷物に座った観客は、かぶりつきの位置で至近距離の演技を観るのですから、役者の放つ水しぶきを浴びるかもしれないし、劇中の喧嘩で役者が客席に倒れこんでくるかもしれない・・・そんな緊張感も持って芝居を観ているわけです。もちろん、芝居の中身も世間の常識をあざ笑うかのような、あえてタブーを白日の下にさらけ出して見せるかのような類の「過激」な劇もありました。

最初に小町座の劇「セリフと歌で語る平成」を観たときに、私の脳裏に蘇ったのはこうした「小劇場のお芝居」でした…と、そんなことを言ったら小野先生にも、創立当初から小町座を支えてこられた多くの方々にも怒られるかもしれませんが。もちろん、かつての小劇場と姿形がソックリそのまま同じという意味ではないんです。かつての小劇場もそれ自身変化を遂げて、消滅したものもあれば、新しい商業演劇の一角として花咲いてメジャーな活動を展開している人たちもいます。当時の商業演劇もまた今日に至る時代の変化に合わせて変貌を遂げざるを得ない運命をたどっているようですし。ただ、いつの時代にも演劇に群れる人たちは主流となった劇を崇めひれ伏すばかりではなく、次の時代の礎になるような新しい劇を生みだすことに、繰り返し繰り返し挑戦し続けてきたと思います。そういう息吹を、ユニークな生い立ちをもち元気印の活動をつづける小町座との出会いで感じたということなのです。・・・舞台となった会場「奈良町屋文化館くるま座」が、地元の歴史文化振興に貢献してきたけれど、その日が使用できる最後で「記念すべき公演」である…と紹介されたことを覚えています。オペレッタ風?(あるいは朗読劇風?)のお芝居では、なにがしか、世相を危ぶみ憂うような台詞が飛び交っていたことなど・・・さらにつけ加えれば、その後に知った小町座の生い立ち(幼稚園の母親たちで旗揚げした、生活者の劇団としてスタート・・・)も興味深く感じました。

時代も変わり、土地も変わり、また女性が主導して華麗に様変わり(或いは、それはひとえに小野先生の個性=美的感覚ゆえなのかもしれませんが‥‥)してはいるけれど、大昔に観た「小劇場」を思い出させる香りが漂っていた、ということで…。
だから、私が出会った彼女が「劇やってます」と教えてくれた「劇」はこういう「お芝居」だったんだ!・・・「セリフと歌で語る平成」を観た時の私の感想はひとえに「あの女性は、ホ・ン・ト・ウに、『芝居』やってるんだ!」と、当時と同じく私の好奇心をくすぐるものでした。

■「コロナ姫」「鮨屋の娘」「四月怪談」から、とりわけ「十六歳」のこと

以来、劇場に足を運んで観劇させていただいたのはこの四作です。

・コロナ姫(2021.3) ならまちセンター     鮨屋の娘(2021.11) 奈良町にぎわいの家  四月怪談(2022.3)奈良市音声館


・十六歳(2022.8) 奈良市音声館



一番最近に観た見た「十六歳」については、同じ四作を観た私の連れ(妻)も「一番良かった」とのことでした。
もともと連れは、演劇よりも漫画にハマっている人種なのですが、昔から、暗く怖いもの・グロテスクなものは嫌っていて、例えば、戦争を扱ったものでは、漫画「はだしのゲン」とかアニメの「火垂るの墓」は戦争の悲惨さを描いて心に刺さる作品とはいえ、「自分はあまり好きではないし、子どもにも見せたいと思わない」とよく言ってました。そんな連れが、「十六歳」を好評価するのは何故なのか?…私ももっと知りたいところですが、そう感想をもらしていたのです…。

この劇は直接「戦争」や「戦場」を主舞台に展開するドラマではありません。それらを背景として境遇として育ち、今を必死に生きる若者と、他方で、同じ時代・同じ地球上でそれらのおかげで豊かさを享受する境遇に育った若者の、求めたわけでもない偶発的な出会いによって引き起こされたドラマ・・・しかし私には「希望のドラマ」だと感じることができたように思うのです。・・・連れにもそう思えたのでしょうか。
昨今、私たちはお茶の間に流れるニュースで、毎日のように現在進行形の「戦争」や「戦場」の映像を見せられています。でも、というかそれだからこそ余計に、時間の経過と共に、日々の生活に追われている私たちにとって、本来持っている映像のリアリティはかえって損なわれ、記号のように・フィクション映画の場面のようになっていることに気づかされ、愕然とします!・・・これは劇中でもイスラムの若者が観客に鋭く突き付けたことでしたよね。・・・熱演でした!

戦争による人々の悲惨さは当然ながら望むところではないし、ましてや自分が巻き込まれる事態は避けたい。・・・人間って有史以来、ずっと争いごとを繰り返してきたけど、でも「地球温暖化」や「新型コロナ・パンデミックの脅威」に直面して、ようやく人類が一致協力して地球規模・人類規模の課題解決に歩みだす時代が始まろうとしているのかも!・・・と希望を抱いていた矢先に「ロシアのウクライナ侵攻」という「歴史は逆行するのか!?」と多くの人が驚き嘆く事態が!そして半年以上を過ぎた今も解決の出口は見えない、どころか、一(いち)局地紛争にとどまらない、世界各国を二分する争いになりつつあり、また一つ間違えば核兵器で応報し合う事態を迎えるかもしれないというリアリティも。・・・こんな情報が飛び交う日々の中で、私も「残念ながら、結局人間って、自分たちを成長させることができないまま滅びる運命の生き物なのかも。」といつの間にか、そういうジャッジを人間社会に下す気分でした。・・・私自身の余生・余命はそんなに長くはないからある意味平気だけれど、その先を生きる子供たち、孫たち、子孫たちに希望を持てる未来は訪れないのかもしれない・・・と。

でも「十六歳」という劇では、どのような深い溝に隔てられていても、人は、きっとわかりあえるし、敬意を払ったり、愛し合うことができるんだ!そうしようよーという、シンプルで力強いメッセージが発せられているように私は受け止めました。あるいは、そう思わせてくれる舞台に「仕上がっていた」と感じたのです。
こうした想いに至ることができたのは、ドラマ世界に引きずり込んで、さらに展開を最後まで追わせてくれるドラマの設定や演出さらに演じる人の力が満足できるものであったのだと言わざるを得ません。すばらしい舞台でした。デイジー役をつとめた井原蓮水さんが中学生という若い人材であることも驚きで井原さんはもちろん、若い世代の活躍を今後に期待したくなりますし、一方プロの役者ではないとはいえ、これまでの数々の出演経験で多彩な役を演じ分けてこられたベテランの西村智恵さんには、(今どき風に言えば)「ずっと<推し>で!」と声援を送りたいです。

そして今後、さらに多くの人々が、小野小町先生のユニークな活動や、奇想天外・自由自在の小町座の舞台発表に出会えることを願って、一(いち)観客からのメッセージとさせていただきます。     早野照二

次回小町座公演 2022.8.27 「十六歳」

2022-07-07 | 演劇
2010年に上演した、小町座2人芝居「十六歳」を再演します。キャストは当時とは違い、小町座代表の西村智恵と、中学生の2人が「十六歳」を演じます。この戯曲の初稿は、2001年のアメリカの同時多発テロ事件が起きた時に書きました。当時は次男が一歳で、演劇の現場にもいなくて、かろうじて、短歌で書くことにつながっていました。怒りを書くことで鎮める…そんな感じでした。9年後、小町座で上演するとは、その時は思ってもなく、そしてこの度の再演…。
ウクライナにロシアが侵攻して、2/24、侵攻のニュースを聞いた日にこのブログで書いてから、まもなく五ヶ月に…。この「十六歳」は、この度の戦争のことではないですが、西村が演じる、戦いに身を置いていた若者の声が、何かしら、代弁してくれるのではと願っています。
そして、今回は、「十六歳」の前に、あの文豪トルストイの「イワンの馬鹿」を朗読します。文庫版の原作を脚本化したものを読みます。100年以上前、近代はまさに戦争の時代。帝国主義、領土拡張…現代の問題につながる、多くの戦争があった時代。それでも、ロシアの文豪は、自分の国の民話から、自らの思想である「非暴力主義」を訴えます。幼い頃、「馬鹿なんて言葉、言ったらだめなのに。」と思ったものですが、この「馬鹿」こそが、真実、王であることを理解するには、時間がかかりました。「馬鹿」に託したトルストイの矜恃、面白く楽しく朗読劇にできたらなと思います。
というわけで、この暑い夏を、熱い稽古で乗り切ろう!?と一同、励んでいます。今回も、素晴らしいスタッフが支えてくれます。
どうぞ、是非、ご覧ください。詳細は小町座フェイスブックへ。→https://www.facebook.com/komachiza

 イラスト…川田葉子(初演時のイラストを使用)





小町座公演「四月怪談」レポート

2022-05-07 | 演劇
3月26,27日に奈良市音声館で公演した、小町座令和編「四月怪談」(原作・大島弓子)から、もう1ヶ月半が過ぎようとしています。公演終わり、年度始めでバタバタして、ゆっくり振り返りもできず…。ようやく連休となり、写真の整理もできましたので、舞台写真をアップします。
今回、3回公演でしたが、若いメンバーが、初回、2回目、3回と、本番、回を重ねる度にパワーアップして、それが、如実に声と演技に現れ、とても驚いた次第です。初回と3回目を見たお客様が「彩りのある声になった方、台詞が私の頭にすっと入ってくる様になった方、一部台詞が変わった所とか。もう一度観たいです。」と感想をもらいました。また、50代の小町座メンバーは、まさに体力勝負!テンションを保つのに必死だったのではと思います。二回目と三回目は休憩は2時間半。体力も集中力も大変な中、最後、「演劇は爆発だ!」(岡本太郎の「芸術は…」をいただきました。)のような演技を見せてくれた全メンバーには、なんというか「愛」しかありません。書き上げたセリフが、精一杯の「声」になる…。本当に感謝です。また裏方スタッフの集中力も素晴らしかった。関わった全員、プロでないのですが、良いものを作る、良い結果を出すということに、集中していました。若手と壮年?!がベストの相乗効果でなかったと思います。また、毎回、「え?あり得ない!」というくらいの低予算で作るのですが、
主婦たちの「あるもので最大限のものを」が、まさに演劇の現場で活かされています。皆様、プロでなくても、地元で見応えのある芝居を作る劇団があることを、どうぞ、知ってください。近しい人たちが、舞台に上がることへ是非、応援ください。我が町の役者をどうぞ育ててくださいませ。
さて、小町座は楽しいばかりの芝居ではなく、深刻な芝居の時は、時折、お休み?!(Zzz…)になられる方もいるようですが、今回の公演はそれがなく!笑いと真剣なシーンのバランスが良かったようで、好評でした。コロナに振り回された稽古でしたので、無事全員揃い、またお客様も満員で、有り難いことでした。写真、ご覧ください。

 事故で亡くなった主人公、初子は幽霊の弦之丞に出会う。
 布団に横たわる自分…。
 近くに行っても、友達はもちろん、気づかない。
  好きな男の子の側に行こう!ところが、失恋…。
 生き返るよう説得する弦之丞に対抗するものたちが。
 初子の母は強く、弱く、悲しい…。
 弦之丞の手にするシャレコウベは実は…。
 もう生き返らないという初子だが…。
 花束を持って棺桶から目覚める初子。
 こちらとあちらをつなぐものたちの声…。









若い力

2022-03-08 | 演劇
小町座「四月怪談」の稽古が続いています。今回、キャストもスタッフも若い世代が関わってくれています。大学時代、演劇を作っていた頃の感覚がよみがえってきます。
世代的には親と子が一緒に、演劇を創っている感じです。この状況には、ただただ、感謝しかなく。振り返れば、小町座の放課後教室に参加してくれた時は小学生だった子や、奈良町の活動で関わった大学生、初めて小町座をのぞいてくれた高校生などなど…。今までのいろんなことがつながってのメンバー。「演劇」を地元で若者たちと創れていることが奇跡のようです。それを引っ張ってくれている、アラフィフ小町座メンバー。ブロの劇団ではないが、私の無理難題をクリアしようと、演技もスタッフワークも必死です。この必死さと熱意がなければ、若者たちもついてきてくれないでしょう。
昨年の3月6日に公演した「コロナ姫」。コロナ下の芝居に関して、自分なりに発信したく、レポートまで作りましたが…。昨年の方が断然、状況が良かった。今年の稽古の大変さは、昨年の比ではありません。これが大きなホール公演なら、私は諦めていたでしょう。それくらい、大変です。そこを助けて下さったのが、地元演劇関係者。これも今までの活動の中でつながりがあったからこそで、つくづく、この度の公演は、これまでの地元「つながり」の集大成のような気がしています。
さて、その若者たち。キャストメンバーは初舞台にも関わらず…何というか、すごく「カン」が良い。私はまず、脚本が読めているかどうかが大事なので、そこを割と指導します。これは、セリフをどう理解するか、感性の問題もあるのですが、飲み込みが早い。自分の気持ちをオーバーでなく、割合すっと一体化させる。これは私の指導云々でなく、彼らがどのように日々を暮らしているか、その「情緒」の積み重ねとしか言いようがないです。この塩梅が、今回、とてもよく、動きや佇まいはまだまだですが、それを上回る芝居をしてくれています。どうぞご期待ください。
私は「若者」というと、ビートルズ、をイメージします。20代のややヤンチャな4人が、世界を席巻し素晴らしい音楽と言葉を残した。あれは若者でしかできない性質のものです。彼らは「All You Need Is Love 」愛こそはすべて、と歌いました。その言葉は、今こそ必要でしょう。ウクライナの若者たちも、ロシアで戦争反対を叫ぶ若者たちも、どうか無事でと…。
さて、以下は小町座の稽古写真です。既に小町座フェイスブック等で紹介中ですが、ご覧ください。

 






2021.11月 演劇、朗読、展示から

2021-12-12 | 演劇
1ヶ月、このブログを更新していなかったのは、11月がてんこ盛り!だったので…備忘録として記します。

①ワーズウィングス展示企画「森のひかり」
地元の写真家、河村牧子さんの写真&私の短歌とのコラボ展。展示写真の中から20枚を見ながら、20首作りました。短歌詠むのは、2年ぶりくらいでしょうか。
お客様は、短歌とは全く関係無い、観光客の方や地元の方。この関係ない方たちの反応がとても良く、嬉しかったです。
写真に意外な視点で言葉があり、面白かった。とにかく、良かったので見てほしい、と情報を発信してくださった方など、本当に有り難いことでした。
また、五首を葉書にして販売して、それが割合売れました。インスタで検索すると、「短歌フォト」と出てきて、気軽に自分で写真をとって、歌を詠んでいる方も多いようです。短歌はやはり「難しい」と言われることが多いので、短歌フォトからもあり、と思いました。「何かを感じた」ことを「言葉」にするということは、暮らしの時間の記録と思い出にもなりますし。というわけで、私にとって、久々の短歌創作は、楽しくまた、交流のあるものとなりました。展示関係者に感謝です。

 
 

②第44回全国町並ゼミ奈良大会 オープニングアクト「町家よ語れ」
奈良市と実行委共催の大会で、朗読劇を披露しました。奈良県文化会館で、たった6人で朗読劇、というのですから、それをすると決めたのは私なんですが、リハーサルまでドキドキでした。
朗読劇は小町座や町家劇場の周知のメンバーなので、内容に心配ないですが、何せ1300人以上入るホール、出演者も初めての体験。音響さんがマイク等、よく調整してくださったこともあり、6人でしたが、あの大きなホールがそんなに広く思われなかったのは、出演者の必死の稽古の結果でしょう。終演後、え?!と嬉しかったのが、他県の町づくり団体の方から、「町家よ語れ」をこちらでも上演してほしいと、声をかけられたこと。裏のスタッフも小町座や天理大学の皆さんや、必死で動いていました。全部あわせての
こうした声だと思いますが…個人的には、このイベントが一番、大変でした。関係者の皆さん、本当に本当にお疲れ様でした。



③ならのまち演劇フェス参加・小町座1人芝居「鮨屋の娘」
朗読劇が終わったら、一人芝居。6月から稽古していましたが、出演者はもちろん、一人芝居なんて初めてで、しかも、アラフィフが、昭和初めの女学生と母親の二役を演じ分けという、プロでも難解な芝居を…結果よく四人ともが四人それぞれによくやりました。昭和初めに、岡本かの子が書いた短編小説「鮨」を戯曲化したもので、私のこれまでの戯曲の中でも、かなり?!よく書けた作品です。音楽は20年前の宇多田ヒカルの歌を使用、この演出がとても利いたようで、皆さん、びっくりされていました。また再演したい演目です。奈良町にぎわいの家の空間もぴったりでした。上演前に私が岡本かの子に関して説明しました、つたない説明でしたが、少し前振りがあると、中身の理解も助かるという声も。小町座メンバー、よく頑張りました。一人芝居をした自信が、今後、もっといい芝居になるかな?!期待します。
そして、改めて、今回、岡本かの子、太郎を振り返る機会となり、ますます、その魅力の虜になりました。
太郎の爆発こそ、今の閉塞した世界にほしい!



④コロナ姫 衣装展
奈良町にぎわいの家、蔵展示企画として開催しました。動画も上映しながらの展示。スタッフの仕事、どれだけ大変だったでしょうか。既にこのプログでコロナ姫の振り返りを書いていますが、本当にコロナの渦中、冬の換気、寒気の寒さ。でも、コロナ下だからこそ、出来た演劇。「今」をとらえる演劇をこれからも。