
旧宅の周囲のプチ田園地帯はイモリ(アカハライモリ)の宝庫である。とんでもなく多い。用水路には一目100ほどもあろうかと思われる高密度集団も珍しくない。彼らは田んぼに水が入るとどこからか湧き出てきて、稲刈りが終わり田んぼが乾くと姿を消す。秋から春までの半年もの間、彼らはどこで暮らしているのであろう。昔からこの現象が不思議であった。こんな事もあり、小さい頃イモリが大好きだった娘に、夏休みの自由研究にイモリの生活史を調べさせようとしたがあっさりかわされてしまった。この絶好の好機を逃したため、謎は今まで続いていた。幸い春から犬の散歩でゆっくりと田んぼを眺められる機会ができたため、イモリに関して今まで未確認であった以下の観察を目標に掲げた。
①卵のう、②ふ化幼生、③冬期の隠れ場所

田んぼに水が張ると出現するイモリ

雄は雌を求めて泳ぎ回り、やがて雌雄のつがいとなる

雄は紫色の婚姻色が発現する

繁殖も一段落すると地上に上がりたりがる

地上を歩行中のイモリ

地上でも大きな虫を捕らえることができる

威嚇のポーズ。地上の個体にちょっかいを出すと鮮やかな腹を見せる。
さて、目標の達成度であるが、①の卵は確認できなかった。蛙の卵が多かったため、それと混同したのかもしれない。②も確認できなかった。ふ化幼生は捕食を避けるため泥中に潜っていた可能性がある。ただし、体長2cmほどの大きく育った幼生は観察できた。③は見探索に終わった。今後の楽しみに取っておくことにする。

大型の幼生。まだ鰓が残っている。