遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

金工20 獅子紋古銅三足菓子器(香炉?)

2020年05月19日 | 金工

唐物と思われる、古い銅器です。

     径 25.5㎝、高 7.4㎝、重 486g

三足の銅器で、打ち出しで成型されています。

胴は2段になっています。

 

4枚稜花の形です。

 

非常に端正な形です。

覆輪を、内外の金具で止めています。

 

 

 

3本の脚は、獣足です。

 

見込み中央には、何かが彫られています。

 

獅子が一匹、蹴彫で表されています。

蹴彫(けりぼり)は、毛彫り(けぼり)とは異なり、鏨を一打ちごとに抜いて形を作っていきます。楔形の点々が模様をつくります。古い技法で、大変手間がかかります。

 

かなりダイナミックに彫られています。

 

 

よく見ると、金色に輝いている部分があります。

もともとは、獅子全面に鍍金が施されていたようです。

 

稜の下に、2段の胴部の上側には、牡丹紋が4個、やはり蹴彫で表されています。

 

外側の胴の下段にも、牡丹紋が3個、彫られています。

昔から、獅子には牡丹だったのですね。

 

今回の品には、かなりの時代が感じられます。

チマチマした遅生の金工物の中では、異色の品です(^^;

知り合いの骨董屋が故玩館へ来て、まず最初に目をつけ、譲ってくれと言った品でもあります。業者の折紙付き?(^.^)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
遅生さんへ (Dr.K)
2020-05-19 15:19:41
古さもあり、大きさもあり、緻密な彫もあり、立派な金具も沢山付いており、気の遠くなるような丁寧な作りであり、、、と、見所が、盛り沢山ですね!
これでは、古い物好きの目に留まりますよね。
故玩館へ来た古美術商が、まず最初に目をつけ、譲ってくれと言ったのも頷けます(^-^;
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Dr.Kさんへ (遅生)
2020-05-19 16:41:17
当初は相当みすぼらしかったので、比較的値打ちに入手できました。

だいぶ、掃除をし、磨きをかけましたが、こういう積年の汚れは、長く土中にあった陶磁器の土錆といっしょで、ちょっとやそっとでは落ちません(^^;

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遅生さんへ (酒田の人)
2020-05-19 17:11:42
これは凄い存在感の品ですね!
目利きの骨董商でなくても、「おっ!」と思う品ではないでしょうか。
さすがに故玩館、なかなかお目にかかれない品がその辺(?)に置いてあるんですね。

ところで、飛騨地方で地震が頻発しているようですが、故玩館はずっと離れているので大丈夫かとは思いますが
割れやすい品には注意が必要でありましょうか。
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酒田の人さんへ (遅生)
2020-05-19 18:03:19
古く見えるのと古いのとは違う場合が多いのですが、今回は珍しく一致しそうです(^^;
その辺に置いてあることは確かです。キャプション無しで、漫然と(^^;

相当回数揺れているようですが、飛騨とはだいぶ離れているので、体感したのは1回だけです。
小さな群発地震ですね。御岳などが、また噴火しないとよいのですが。
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Unknown (tkgmzt2902)
2020-05-19 20:21:58
拡大写真があったので、蹴彫りの鏨の使い方がよーくわかりました。蹴彫りも初めて聞きました。
素人にも銅器の形の端正さと 見込みの獅子のためらいのない鏨の運びがわかりました。
故玩館の自慢の器なんですね。
これ、香炉だったかもしれないということですか?
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tkgmzt2902さんへ (遅生)
2020-05-19 21:17:27
耳で聞くと、蹴彫りと毛彫りの違いはなかなかわかりません。
私も長い間、同じものだと思っていました(^^;

自慢の器、香炉などについては、次回のブログで。
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