唐物と思われる、古い銅器です。
径 25.5㎝、高 7.4㎝、重 486g
三足の銅器で、打ち出しで成型されています。
胴は2段になっています。
4枚稜花の形です。
非常に端正な形です。
覆輪を、内外の金具で止めています。
3本の脚は、獣足です。
見込み中央には、何かが彫られています。
獅子が一匹、蹴彫で表されています。
蹴彫(けりぼり)は、毛彫り(けぼり)とは異なり、鏨を一打ちごとに抜いて形を作っていきます。楔形の点々が模様をつくります。古い技法で、大変手間がかかります。
かなりダイナミックに彫られています。
よく見ると、金色に輝いている部分があります。
もともとは、獅子全面に鍍金が施されていたようです。
稜の下に、2段の胴部の上側には、牡丹紋が4個、やはり蹴彫で表されています。
外側の胴の下段にも、牡丹紋が3個、彫られています。
昔から、獅子には牡丹だったのですね。
今回の品には、かなりの時代が感じられます。
チマチマした遅生の金工物の中では、異色の品です(^^;
知り合いの骨董屋が故玩館へ来て、まず最初に目をつけ、譲ってくれと言った品でもあります。業者の折紙付き?(^.^)
これでは、古い物好きの目に留まりますよね。
故玩館へ来た古美術商が、まず最初に目をつけ、譲ってくれと言ったのも頷けます(^-^;
だいぶ、掃除をし、磨きをかけましたが、こういう積年の汚れは、長く土中にあった陶磁器の土錆といっしょで、ちょっとやそっとでは落ちません(^^;
目利きの骨董商でなくても、「おっ!」と思う品ではないでしょうか。
さすがに故玩館、なかなかお目にかかれない品がその辺(?)に置いてあるんですね。
ところで、飛騨地方で地震が頻発しているようですが、故玩館はずっと離れているので大丈夫かとは思いますが
割れやすい品には注意が必要でありましょうか。
その辺に置いてあることは確かです。キャプション無しで、漫然と(^^;
相当回数揺れているようですが、飛騨とはだいぶ離れているので、体感したのは1回だけです。
小さな群発地震ですね。御岳などが、また噴火しないとよいのですが。
素人にも銅器の形の端正さと 見込みの獅子のためらいのない鏨の運びがわかりました。
故玩館の自慢の器なんですね。
これ、香炉だったかもしれないということですか?
私も長い間、同じものだと思っていました(^^;
自慢の器、香炉などについては、次回のブログで。