今回は奇妙な品です。
和田まさし『藤椅子によれる』油彩、4号。キャンバス。1935年。
少女が籐椅子に座っている油絵です。
暗い絵です。
「M.WADA 1935」のサインがあります。
裏に、「(中村研一氏ノ〇・・・〇)藤椅子によれる 一 九 三 五 和田まさし」と書かれています。
中村研一は、従軍画家として活躍した洋画家ですが、何か関係があるのかな、と思い調べてみると・・・・
中村研一『弟妹集う』1930年(住友クラブ蔵)
何と、元になった作品が有りました。中村研一の代表作、第11回帝展帝国美術院賞を受賞した250号の大作です。暗い時代に入っていく予感が漂う画面です。
いよいよ時代がきな臭くなってきた5年後、和田まさしなる人物が、その一部を写し、『籐椅子によれる』と名付けたのです。
このような品をどう呼んでいいのでしょうか。
習作?
贋作?
わだかまりが残る絵はトイレにふさわしい!?
そのココロは?
水に流します(^^;
そのようなものは、贋作とは言えないように思うのですが、、、。
和田まさしなる人物が、どのような方なのかわかりませんが、中村研一の代表作に感銘をうけ、その一部を描き写した「習作」と言えるのではないでしょうか。
当方絵は分かりませんが、額縁も相まってすごく雰囲気でていますね(^^)時代を重ねいる品というだけで何故か惹かれてしまいます。もちろん絵も素晴らしいのですが。
でも、「(中村研一氏ノ〇・・・〇)藤椅子によれる 一 九 三 五 和田まさし」と書かれた紙の、〇・・・〇の部分が消されているかのようで、妙に引っ掛かりました。
被害妄想でしょうか(^^;
なまじ知識が増えてくると、助平根性が出て引っ掛かってしまいます(自分の経験より(^^;)
その意味では、この絵は何なのだろなー、とおそるおそる手を出した品なので、ある意味、素直な品だと思います(^.^)