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遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

どこかで見たような? 青花鶴仙人紋大鉢

2019年07月04日 | 古陶磁ー中国

 昔は、よく東京へ行きました。

当然、骨董屋や骨董市めぐりも。

デパートでも、骨董フェアが盛んでした。

Mデパートの古美術即売会に行った時のこと。有名美術商の出展が多い催しでした。

会場で、大きな声がします。どうやら、客の青年に店主が品物の蘊蓄を語っているようです。それにしても、すごい熱意です。店主は、当時、鑑定団で西洋アンティーク鑑定士として人気の高かったひヒゲのおじさんでした。

こりゃかなわんと足早に通り過ぎた所に地味なブースがあり、そこに、チョコンと置いてあったのが、この品です。滋賀県の業者でした。

 

 

 

 径22.6cm、高さ9.4㎝

底に、「大明宣徳年製」 の銘があります。

見込みには、鶴仙人が描かれています。

 

外側には、何かの故事でしょうか、問答をしているような二人の人物が、4組描かれています。

その間を、「寿」と思われる文字で、びっしり埋めています。数えてみると、140ほどもあります。

 

 

 

 

外縁にあたりがあり、そこからニュウが5㎝ほど入っています。それでも、弾けば、コキーンと金属音が響きます。中国の陶磁器は、よほど焼きがいいんですね。

呉須の発色も良好です。わずかに紫がかった青。これが、宣徳ブルーというものでしょうか。


ところで、この宣徳大鉢、どこかで見たような?

確か、古伊万里に、似たような品があった気がしますが。

でも、もう、図録を繰る根気がありません(^-^;)。

 

 


華南三彩刻花花鳥紋皿

2019年06月16日 | 古陶磁ー中国


華南三彩の花鳥紋皿、9枚です。
大きさは、16.7-17.0cm。


普通の木箱に入っていました。


麻袋に入れられ、大切にされてきたようです。



線刻で、蓮、池、水禽が見込みに描かれています。


周縁には、牡丹花枝と雲龍紋が交互に描かれています。



刻線は、実に奔放です。

9枚、似た絵柄なのですが、よく見ると皆異なっています。



水鳥がいない皿もあります。


9枚のうち、7枚は、黄釉と緑釉の二彩が使われ、黄、緑、紫釉の三彩皿は2枚です。


裏面は、緑釉一色です。


こういった焼き物、一昔前は、交趾焼で通っていた品です。



今は、ベトナムではなく中国南部で明末に焼かれた品とされ、華南三彩の名称が一般的になってきました。

華南三彩が注目されるのは、黄瀬戸、織部の桃山陶や青手古九谷など、日本の色絵陶磁器に影響を与えたのではないかと言われるようになったからです。

この9枚の華南三彩皿では、緑釉の地に対して、鳥、花部に黄釉が置かれています。
緑と黄を逆転すれば、たんぱんをうった黄瀬戸によく似ています。

織部や青手古九谷にも通じる雰囲気をもっています。

なぜだろうかと考えてみると、緑釉の味わいにあると思えるのです。

一方、交趾焼を写したはずの源内焼は、華南三彩とは大分雰囲気が違います。
源内焼は、楽焼き風のボディに、緑釉が非常に薄くかかっています。
その結果、緑釉に深みがないのです。





これは、先のブログで紹介した三彩麒麟紋中皿です。
源内焼か華南三彩か不明だった品です。

緑釉の具合は、源内焼よりも華南三彩に似ています。
胎土も、華南三彩と同じく、半陶半磁です。
かっちりと焼き上がり、手取りも、源内焼より華南三彩に近いです。

こうしてみると、この麒麟紋皿は、源内焼ではなく、華南三彩といって良いのではないでしょうか。



落札初体験の皿

2019年05月23日 | 古陶磁ー中国
今では、すっかり定着したネットオークション。
もう、20年位になりますね、日本で本格的に始まってから。

しばらくは、出品者、落札者ともに少なく、ほとんど毎夜、なじみの出品者の品を、いつもの相手(当然、顔は知りません)と入札合戦でした。

当時の出品者、数は少ないですがまだ出品を続けています。IDの変更が多いです(税金対策?)が、写真の取り方や品物の説明の仕方ですぐにわかります(^^;)。


私のヤフオク落札、第1号。
思い出深い皿です。

入札ボタンを押してから落札がきまるまでの、胸が締め付けられるような時間の長かったこと・・・・・・・ウブでした(笑)。

で、三彩風軟陶のこの皿ですが、何者でしょうか?
径23cm。無名。

落札の少し前、骨董屋に同じ手の皿がありました。
オヤジの言では、交趾焼とのことでした。
価格は、落札品の10倍。
まあ、昔は何でもかんでもコーチ焼でよかったんでしょうけど・・・・

陽刻の細かさからすれば、源内焼? 
でも、四国瀬戸内方面には、よく似た焼物、他にもいっぱいあるし・・・・

どなたか御教示を!