ちーろぐ

今日の出逢いに感謝を込めて

蟻地獄

2006-09-08 18:59:54 | 税金ウオッチャー
金融庁が自民党に提出した貸金業規制法改正案が、
骨抜きどころか、方向性すら違っていることを改めて
書かせて頂きたいと思います。

先日のブログで、内容は書かせて頂いたので提出案の
ご説明は省きまして、今日は具体的に数字に置き換えて
実態を考えてみたいと思います。

例えば・・・
 【50万円を借りて、月2万円返済した場合】
   ●年利18%で借りた場合=32ヶ月で返済完了
    (法定金利)      合計金利は128,800円

   ●年利28%で借りた場合=38ヶ月で返済完了
    (金融庁案)      合計金利は252,900円

  これを見ていただくと、何だ6ヶ月の違いかと単純に考えて
  おられる方がいるかもしれません。
  これを、200万借りて、月額45,000円づつ返した場合で置き換えると
  すごいことになるのです。

 【200万を借りて、月45,000円返済した場合】
   ●年利18%で借りた場合=73ヶ月で返済完了
    (法定金利)         合計金利 1,283,000円
 
   ●年利28%で借りた場合=無限に返済不可能であるばかりか
    (金融庁案)          元金は増えていく
                    合計金利 搾り取れるだけ・・・

  ということになるです。
  決してうそではありません。
  エクセルで年利計算をしていただければすぐにわかります。

このような数字を出せば、金融庁はじめ自民党の族議員は、
「返済金が少ないからそうなるんだ。」
「毎月10万円返す計算をしたらそんなことにはならない」
とおっしゃることでしょう。

しかし、実際にサラ金に数十万単位で生活資金を調達する人が
どうして一ヶ月10万円ものお金を返済に充てることが出来るでしょうか?

つまりそこには大きな口をあけた「蟻地獄」があるだけなのです。

このような明らかに返済不可能な金利を容認しようとする
国会議員って何なのでしょう。
私達の税金を注ぎ込んで立て直した銀行が、私達にしようとしている
お礼とはこのことなのでしょうか?

時代劇さながらの悪代官にしか見えませんでした。

クレジット・サラ金被害者弁護士として有名な宇都宮弁護士によると
・・・法定金利以上の金利で長年返済した場合、法定金利以上で
   返済された金利分は元金に充当するという最高裁の判決が
   続々と出ている、とのことです。
   しかし、このことを知らずに払い続けたご婦人が、矢のような
   催促にいたたまれず自殺されたそうです。
   ご婦人の死後、計算しなおした結果、すでにご婦人の返済は
   完了しており負債額は0円であり、むしろ返還請求が出来た
   とのことなのです。

 このような悲劇が後を絶ちません。
 色々な理屈はいりません。
 今すぐ、この金融庁案の撤廃を切に願います。