曽世さんが客演されている公演を観に行ってきました。
10年以上前「サダオのサダメ」という公演があって、
そちらにも曽世さんがご出演でした。
が、その頃はいろんな意味で余裕があったので観ておらず。
今回はサダオシリーズの5・6、とのことでした。
オープニングにざっくりとこれまでのあらすじの説明があったので、
初見でも分かりにくいというのはなかったです。
サダオ(曽世海司)とブービー(栗田浩太郎)はジェンダーカップル。
そこにサダオの同級生・ジャイアン(下出丞一)がやってきて、
余命がわずかだと告げ、サダオと一緒に住むことに。
(なぜかブービーが出ていく)
ジャイアンの死後、ジャイアンの別れた彼女が
ジャイアンの子どもを産んでいたことを知り、
サダオとブービーが育てることにする…というのがおおまかなストーリー。
正直な感想として、脚本が甘すぎる…と思ってしまいました。
ジャイアンの死を受け入れられないサダオに、
ジャイアンと出会った日の様子を仲間で演じて、
死を受け入れてもらおう、とかいうのがまずよく分からない。
そして血縁関係の全くないジャイアンの子を、
サダオたちが引き取ろうとするのは無理がありすぎて…。
サダオたちに子どもの養育が可能かどうか、
調査にやってきた児相の人が、その場で「不適合」と言って
子どもを連れて帰るのもナンセンスだし、
それに対してサダオが熱く語りかけて
「誰が子を養育するのか決めるのは親族の方なので」と言って
児相の人がすんなり引き下がるのも、何だかなー、と。
生まれたばかりの子に両親がいない場合、
施設に入るか、未成年後見人を立てることになるようですが、
未成年後見人=養育者になるので、
親族が第三者に「よろしく」と、乳児を託すなんてことは
ありえないのではないかと。
母親の両親も他界してるのかも、気になっちゃいました。
また、トランスジェンダーの人が色々登場する割に
「子どもの養育に必要なのは『母親の愛情』」なんて
言い切っちゃうのにも、完全に白けてしまいました。
いまだに母性神話ですか…。
勢いでワーッと進む作品なので、
劇団旗揚げ直後の若い人の作品?と、一瞬思ったほど。
個人的には冷めた目で見てしまいましたが、
テンポの良い作品で、出演者の方々の息はよく合っていましたかね。
ジャイアン役の方だけ、なんか別次元にいらっしゃる印象を受けました。
あ、関根勤さんに似てるなー、とw
サダオの弟役の小林大斗さんが、
とても素直な演技で好印象でした。
ファンタジーなら、
もっとちゃんとファンタジーにして欲しいなーと思った作品でした。